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第六章 ダイアンサス
排斥の過去
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落ち込みがひどくてろくに話もできないリゼットの代わりにクロヴィスが事情を説明すると、ナリアとエリクは顔を見合わせて首を傾げた。
「そんな閉鎖的な村かな。少なくとも、馬を預けに行ったときは皆いい人だったよ。それに、この村は花小人だけじゃないみたいだし」
「そうなの?」
ジャンヌはびっくりした。クロヴィスの言ったことは嘘だったのか?
「クロヴィスの言っていたことに偽りはありません。確かにここは花小人の村です。それに、よそ者を受け付けない風潮があるのも確かでしょう。しかし、ここはずいぶんと開かれた村のようです。花小人以外の人間もたくさんいて、ずいぶんと賑やかに商売をしているようですよ」
「じゃあ、受け付けないのは、はぐれ花小人だけってことか」
クロヴィスは、目の前にいるリゼットを見た。まだ青い顔をしてじっと地面を見つめている。ずいぶんとショックなことを言われたのだろう。
「リゼット、歩けますか?」
セリーヌがリゼットを立ち上がらせるために、自分より背の低い肩に手を回した。
「ジャムは売れたんです。花小人ではない普通の人間の商人さんが全部買い取ってくれました。リゼットがこんなに落ち込んだのは、一部の花小人のせいなんです。でも、それをここで話すわけにはいきません。とりあえず、旅に必要なものだけどこかで揃えて、野宿の準備をしましょう」
そこで、皆はセリーヌの言葉に従って、なるべく最小限のお金で出来るだけの旅の準備を整えた。消耗品はほどんど村に来ている商人から買い付けることができた上に、村には商店が一つもなかったので、すんなりと全てを揃えることができた。
村の南側にあるちょっとした平原に出ると、そこから続く街道沿いに何本かの大きな木が立っていた。その木の下で野宿をすることにして、木の枝にかからない位置に焚火をすることにした。
「リゼット、火は起こせる? 最近ずっと練習していたみたいだけど」
薪を空付けてきたジャンヌがリゼットを見ると、まだ落ち込んでいるようで、何も返事はなかった。しかし、ジャンヌはそこでめげるような人間ではなかった。
「ナリアさんの教え方はうまかったけど、所詮あんたじゃ無理だったんだ? レベルが違いすぎるのよレベルが。所詮すばしっこいだけのあんたには、あの完璧なナリアさんの足元にも及ばないでしょ」
すると、リゼットの耳が少しピクリと動いた。
「だいたい火を起こすとかおこがましいのよ。どうせできないようなものに挑戦しても無駄なんじゃない? だったら私の火打石のほうが十分に役に立つよ」
石の上に座っていたリゼットの拳が、膝の上でぎゅっと握られた。
「まあ、こういうのもなんだけどさ、錬術って地味なんだよね。たしかに生活には役立つかもしれないけどさ。もっとバーッてなって、ドカーンてなるやつないの? 花火を出したりとかさ」
ジャンヌはそこで話を止めてリゼットの様子を見た。すると、リゼットは体を震わせて泣いていた。
「花小人に、言われたのよ」
小さく震える声で、リゼットが語りだしたので、ジャンヌは何も言わずに皆を呼び集めた。
「この村では自分の花を持たない者は排除してきた。この村に立ち入ることも許されないお前がこの村にいられるわけがないって。それに、恥知らずな花小人は汚らしいともいわれたわ。汚らわしいものは早く出ていけって。石も投げられた」
そう言って、リゼットは泣き始めた。彼女は、ジャンヌが自分を元気づけるためにわざとあのようなことを言ったことを知っていた。その気持ちが分かったから、話す気になった。しかし、いざ話してみると、悲しくて仕方がなかった。
そんなリゼットを見ていたエリクが、その視線をナリアに移した。
「ナリアさん、リゼットは汚らわしいんですか? 僕には到底そうは思えません。話を聞いていると思うんです。村の人よりリゼットのほうがずっときれいです」
「そうですね」
ナリアは、優しい顔をして皆を見渡して、リゼットを見た。
「リゼット、あなたは花を持たないのではなく、知らないだけなのです。自分の花を知らない花小人はそう珍しくはありません。難産のショックや何かのトラブルで記憶をなくして生まれてくるだけのことですよ。なので、汚らわしいなどと言うことはありません。自信を持っていてください。あなたは、今まで通りのあなたでいいのですから」
ナリアのその言葉に、そこにいた誰もが納得した。リゼットは涙を拭いてナリアに笑顔を見せるようになっていた。
「でも、あの村、鼻持ちならないな。どうにかしてやりたくなった」
クロヴィスが腕組みをして何かを考え始めた。しかし、エリクはそれを止めた。
「クロヴィス、あの村に何かをしたら、リゼットが悪く言われるよ」
「まあ、それはそうだが」
それでも納得いかないクロヴィスに、今度はナリアの手が伸びてきた。クロヴィスの肩にその柔らかい手が触れて、にこりと笑うナリアの顔がクロヴィスの目の前に迫った。
「大丈夫です。私が一筆書きましょう。村民がよほど愚かでない限り、その手紙であの村は何とかなるはずです」
「まあ、ほかならぬナリアさんの手紙なら」
何とか納得した様子で、クロヴィスはナリアから離れた。こちらを睨むジャンヌの視線が痛かったからだ。
一行は、早々に夕食を食べ終わると、少しだけ元気を取り戻したリゼットを先に寝かせた。そのあと、交代で寝ながら夜食を食べた。近くに生えていたキイチゴの茂みから、人数分に足りるだけのキイチゴを採ってきたのだ。それを、村で手に入れてきた柔らかいパンに挟んで食べる。酸味の強いこの時期のキイチゴが眠気を飛ばしてくれて、ちょうどよい見張りの時間を過ごすことができた。
ナリアは見張りの順番が来ると、その時に手紙を書いた。日が昇ってから、エーテリエがそれを届けることになっていた。村が何とかなるまではここで野宿するしかなかった。南に抜けるにはこの村を避けていけばいい。しかし、リゼットのことがあってから、このままでは同じことがまた起きる、そんな気がして、みんなが落ち着かなかった。
二日目の野宿になると、一行は先に進む必要がなく、ひたすら狩りや、狩りの道具の扱い方の練習に励んでいた。エーテリエはナリアのもとへ帰ってくると、返事の書いてある手紙をナリアに渡した。
「本当にあなたがナリア様であれば、証拠を見せていただきたい、か」
その手紙を覗き込んだセベルが、ナリアの後ろで考えを巡らせていた。ナリアは大体どんなことでもできる。錬術で出来ないこともたくさんできる。
「わたくし一人で村に行ってみます」
ナリアはそう言い、愛猫二匹を連れて、一人で村に出かけていった。彼女が戻ったのは夕方近くで、にこにことしていたのでうまくいったことがうかがえた。
「ナリア様、どうだったのですか?」
リゼットがこわごわと尋ねると、ナリアはやはりニコニコとしていて、リゼットの肩に手を当てると、顔を近づけてこういった。
「明日村へ行けば分かりますよ。ただ、私にできるのはここまで。村であなたたちが何をどう感じ、どういう行動を起こすのかはあなたたち次第です」
ナリアは、そう言って夕食を作り出した。エリクが狩ってきたキツネ肉は硬く、あまりおいしくなかったので味付けが必要だった。肉を柔らかくするのには、生えだしたばかりの若いハーブが役に立った。味付けはセリーヌの混合ハーブソルトでやった。いい香りがあたりに満ちてくると、突然、セリーヌが歌を歌い始めた。それは、誰も聞いたことのない歌で、おそらくは彼女の故郷の歌なのだろう。どこか懐かしい感じがして、エリクはつい、母のことを思い出してしまった。
歌を聞きながら、または歌いながら食事を済ませると、交代で皆は寝た。火をなるべく絶やさぬよう、また、その火が必ず夜明け前には消えているよう。
そうやって、同じ場所での二度の野宿は終わりを告げた。
「そんな閉鎖的な村かな。少なくとも、馬を預けに行ったときは皆いい人だったよ。それに、この村は花小人だけじゃないみたいだし」
「そうなの?」
ジャンヌはびっくりした。クロヴィスの言ったことは嘘だったのか?
「クロヴィスの言っていたことに偽りはありません。確かにここは花小人の村です。それに、よそ者を受け付けない風潮があるのも確かでしょう。しかし、ここはずいぶんと開かれた村のようです。花小人以外の人間もたくさんいて、ずいぶんと賑やかに商売をしているようですよ」
「じゃあ、受け付けないのは、はぐれ花小人だけってことか」
クロヴィスは、目の前にいるリゼットを見た。まだ青い顔をしてじっと地面を見つめている。ずいぶんとショックなことを言われたのだろう。
「リゼット、歩けますか?」
セリーヌがリゼットを立ち上がらせるために、自分より背の低い肩に手を回した。
「ジャムは売れたんです。花小人ではない普通の人間の商人さんが全部買い取ってくれました。リゼットがこんなに落ち込んだのは、一部の花小人のせいなんです。でも、それをここで話すわけにはいきません。とりあえず、旅に必要なものだけどこかで揃えて、野宿の準備をしましょう」
そこで、皆はセリーヌの言葉に従って、なるべく最小限のお金で出来るだけの旅の準備を整えた。消耗品はほどんど村に来ている商人から買い付けることができた上に、村には商店が一つもなかったので、すんなりと全てを揃えることができた。
村の南側にあるちょっとした平原に出ると、そこから続く街道沿いに何本かの大きな木が立っていた。その木の下で野宿をすることにして、木の枝にかからない位置に焚火をすることにした。
「リゼット、火は起こせる? 最近ずっと練習していたみたいだけど」
薪を空付けてきたジャンヌがリゼットを見ると、まだ落ち込んでいるようで、何も返事はなかった。しかし、ジャンヌはそこでめげるような人間ではなかった。
「ナリアさんの教え方はうまかったけど、所詮あんたじゃ無理だったんだ? レベルが違いすぎるのよレベルが。所詮すばしっこいだけのあんたには、あの完璧なナリアさんの足元にも及ばないでしょ」
すると、リゼットの耳が少しピクリと動いた。
「だいたい火を起こすとかおこがましいのよ。どうせできないようなものに挑戦しても無駄なんじゃない? だったら私の火打石のほうが十分に役に立つよ」
石の上に座っていたリゼットの拳が、膝の上でぎゅっと握られた。
「まあ、こういうのもなんだけどさ、錬術って地味なんだよね。たしかに生活には役立つかもしれないけどさ。もっとバーッてなって、ドカーンてなるやつないの? 花火を出したりとかさ」
ジャンヌはそこで話を止めてリゼットの様子を見た。すると、リゼットは体を震わせて泣いていた。
「花小人に、言われたのよ」
小さく震える声で、リゼットが語りだしたので、ジャンヌは何も言わずに皆を呼び集めた。
「この村では自分の花を持たない者は排除してきた。この村に立ち入ることも許されないお前がこの村にいられるわけがないって。それに、恥知らずな花小人は汚らしいともいわれたわ。汚らわしいものは早く出ていけって。石も投げられた」
そう言って、リゼットは泣き始めた。彼女は、ジャンヌが自分を元気づけるためにわざとあのようなことを言ったことを知っていた。その気持ちが分かったから、話す気になった。しかし、いざ話してみると、悲しくて仕方がなかった。
そんなリゼットを見ていたエリクが、その視線をナリアに移した。
「ナリアさん、リゼットは汚らわしいんですか? 僕には到底そうは思えません。話を聞いていると思うんです。村の人よりリゼットのほうがずっときれいです」
「そうですね」
ナリアは、優しい顔をして皆を見渡して、リゼットを見た。
「リゼット、あなたは花を持たないのではなく、知らないだけなのです。自分の花を知らない花小人はそう珍しくはありません。難産のショックや何かのトラブルで記憶をなくして生まれてくるだけのことですよ。なので、汚らわしいなどと言うことはありません。自信を持っていてください。あなたは、今まで通りのあなたでいいのですから」
ナリアのその言葉に、そこにいた誰もが納得した。リゼットは涙を拭いてナリアに笑顔を見せるようになっていた。
「でも、あの村、鼻持ちならないな。どうにかしてやりたくなった」
クロヴィスが腕組みをして何かを考え始めた。しかし、エリクはそれを止めた。
「クロヴィス、あの村に何かをしたら、リゼットが悪く言われるよ」
「まあ、それはそうだが」
それでも納得いかないクロヴィスに、今度はナリアの手が伸びてきた。クロヴィスの肩にその柔らかい手が触れて、にこりと笑うナリアの顔がクロヴィスの目の前に迫った。
「大丈夫です。私が一筆書きましょう。村民がよほど愚かでない限り、その手紙であの村は何とかなるはずです」
「まあ、ほかならぬナリアさんの手紙なら」
何とか納得した様子で、クロヴィスはナリアから離れた。こちらを睨むジャンヌの視線が痛かったからだ。
一行は、早々に夕食を食べ終わると、少しだけ元気を取り戻したリゼットを先に寝かせた。そのあと、交代で寝ながら夜食を食べた。近くに生えていたキイチゴの茂みから、人数分に足りるだけのキイチゴを採ってきたのだ。それを、村で手に入れてきた柔らかいパンに挟んで食べる。酸味の強いこの時期のキイチゴが眠気を飛ばしてくれて、ちょうどよい見張りの時間を過ごすことができた。
ナリアは見張りの順番が来ると、その時に手紙を書いた。日が昇ってから、エーテリエがそれを届けることになっていた。村が何とかなるまではここで野宿するしかなかった。南に抜けるにはこの村を避けていけばいい。しかし、リゼットのことがあってから、このままでは同じことがまた起きる、そんな気がして、みんなが落ち着かなかった。
二日目の野宿になると、一行は先に進む必要がなく、ひたすら狩りや、狩りの道具の扱い方の練習に励んでいた。エーテリエはナリアのもとへ帰ってくると、返事の書いてある手紙をナリアに渡した。
「本当にあなたがナリア様であれば、証拠を見せていただきたい、か」
その手紙を覗き込んだセベルが、ナリアの後ろで考えを巡らせていた。ナリアは大体どんなことでもできる。錬術で出来ないこともたくさんできる。
「わたくし一人で村に行ってみます」
ナリアはそう言い、愛猫二匹を連れて、一人で村に出かけていった。彼女が戻ったのは夕方近くで、にこにことしていたのでうまくいったことがうかがえた。
「ナリア様、どうだったのですか?」
リゼットがこわごわと尋ねると、ナリアはやはりニコニコとしていて、リゼットの肩に手を当てると、顔を近づけてこういった。
「明日村へ行けば分かりますよ。ただ、私にできるのはここまで。村であなたたちが何をどう感じ、どういう行動を起こすのかはあなたたち次第です」
ナリアは、そう言って夕食を作り出した。エリクが狩ってきたキツネ肉は硬く、あまりおいしくなかったので味付けが必要だった。肉を柔らかくするのには、生えだしたばかりの若いハーブが役に立った。味付けはセリーヌの混合ハーブソルトでやった。いい香りがあたりに満ちてくると、突然、セリーヌが歌を歌い始めた。それは、誰も聞いたことのない歌で、おそらくは彼女の故郷の歌なのだろう。どこか懐かしい感じがして、エリクはつい、母のことを思い出してしまった。
歌を聞きながら、または歌いながら食事を済ませると、交代で皆は寝た。火をなるべく絶やさぬよう、また、その火が必ず夜明け前には消えているよう。
そうやって、同じ場所での二度の野宿は終わりを告げた。
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