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第五章 ブドウに宿る記憶
星を司る意思
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ナリアの正体、それは、この世界を構築している『惑星』というものを統括する役割を持った人間なのだという。惑星と言うのは、宇宙に浮かぶ球で、その球の上にエリクたちは住んでいるのだという。
「球の上に住んでいたら、上にいるとき以外は落っこちちゃうんじゃないかな」
エリクが考え事をしていると、ナリアは丁寧に答えていってくれた。
「引力と言う力が働いて、この惑星はわたくし達を地面にくっつけてくれているのです。それに、宇宙には上も下も右も左もありません。宇宙ではすべてのものが浮いていて、重力と言うもので結び合ったり離れたりするのです」
「よくわからない世界だな、宇宙ってのは」
クロヴィスがまた何かを考えている。その姿を見て、ナリアは微笑んだ。
「私は星を統括する者ですから、星の人と呼ばれています。星の周りを周っているすべての命の意思の塊から生まれ、この星のすべてを拾い集めてきました。そして、一株のブドウの木に宿って生まれ出ました。だから、私はブドウの人でもあるのです」
「星の人、なんだかロマンチックな呼び方ね」
リゼットがうっとりしていると、それを見ていたジャンヌがふう、と、ため息をついた。
「ところで、その星の人が、私たちと何の関係があってこうしているんですか?」
すると、光の加減か、ナリアの顔が少し曇ったような気がした。
「もう一人の自分」
ナリアは、そう呟いて、皆を見まわした。
「わたくしは、もう一人の自分を探し求めて旅をしています。ゆっくりと、自分のやりたいようにやりながら。それは自分探しや自分の見つめなおしなどの無意味なことではなく、もっと物理的なものなのです。実際にあるものを探すのですから、あなた方と目的もやり方も似ているのです。そこで、自分のやり方があなた方とどう違うのか、それを探るために近づかせていただいたのです」
「自分探しや見つめなおしが無意味、言うわね」
ジャンヌが感心していると、横でクロヴィスが真剣なまなざしでナリアに問いかけた。
「それで、もう一人の自分とは、どういったものなのです?」
ナリアは答えた。
「わたくしと同じ、星の人です」
「球の上に住んでいたら、上にいるとき以外は落っこちちゃうんじゃないかな」
エリクが考え事をしていると、ナリアは丁寧に答えていってくれた。
「引力と言う力が働いて、この惑星はわたくし達を地面にくっつけてくれているのです。それに、宇宙には上も下も右も左もありません。宇宙ではすべてのものが浮いていて、重力と言うもので結び合ったり離れたりするのです」
「よくわからない世界だな、宇宙ってのは」
クロヴィスがまた何かを考えている。その姿を見て、ナリアは微笑んだ。
「私は星を統括する者ですから、星の人と呼ばれています。星の周りを周っているすべての命の意思の塊から生まれ、この星のすべてを拾い集めてきました。そして、一株のブドウの木に宿って生まれ出ました。だから、私はブドウの人でもあるのです」
「星の人、なんだかロマンチックな呼び方ね」
リゼットがうっとりしていると、それを見ていたジャンヌがふう、と、ため息をついた。
「ところで、その星の人が、私たちと何の関係があってこうしているんですか?」
すると、光の加減か、ナリアの顔が少し曇ったような気がした。
「もう一人の自分」
ナリアは、そう呟いて、皆を見まわした。
「わたくしは、もう一人の自分を探し求めて旅をしています。ゆっくりと、自分のやりたいようにやりながら。それは自分探しや自分の見つめなおしなどの無意味なことではなく、もっと物理的なものなのです。実際にあるものを探すのですから、あなた方と目的もやり方も似ているのです。そこで、自分のやり方があなた方とどう違うのか、それを探るために近づかせていただいたのです」
「自分探しや見つめなおしが無意味、言うわね」
ジャンヌが感心していると、横でクロヴィスが真剣なまなざしでナリアに問いかけた。
「それで、もう一人の自分とは、どういったものなのです?」
ナリアは答えた。
「わたくしと同じ、星の人です」
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