エロスを求めて、古本屋で小説を発掘してみた

「わたしの調教師」大石圭 感想

「私の調教師」あらすじ
生真面目な女子大生・琴音が始めたアルバイトは、青年実業家・白石周平の秘書。琴音は周平に惹かれ、ある「特別な関係」に堕ちてゆく。残酷な欲望と愛情を刻まれた琴音の行く末は? 『躾けられたい』改題。







　
これ、官能小説かなと思うでしょ？
実は、ホラー文庫で売り出してる作品なんです。


ホラー文庫で、ホラー要素皆無のガチガチの官能SM小説を出すという、最大の謎。
角川文庫はそれでええんか？
むしろ別出版の「愛されすぎた女」の方がホラーやろ。あれはあまりにもお互いに純真の愛がなさすぎて引いたわ。



　この作者の作品は、とにかく性癖がわかりやすい。
竿役が丁寧語のサドで、やたらと尺八をしたがる。
他作品3冊ほど目に通して全ての竿役がやってること同じだったのは流石に笑う。

「言う通りにしなさい」という台詞がどの話にも多すぎる。
うーん、みんな同じ人かな？と思うほどに。
本当にそういうのが性癖に刺さるから何度も同じような話になるのかもしれない。
それか、そういうふうに書けと言われているのか。
後者なら書いてて面白くなさそう。

それにしても、こう、シチュエーションにバリエーション増やしてほしい。（？）

それと、女がいつも気持ち良さそうというより、すごい痛そう。
苦痛の表情は抜けない…。
ちょっとは感じてくれ。
なんか、甘美でも何でもない痛みは、興奮しづらいな…


いや、きっと性癖に刺さる人にはハマると思う。
サディストで、鞭振るうあの感じでもうテント張りそうな人は、このお話ぴったり合う。
痛いのが好きなマゾの方も、もってこいの内容。

自分の性癖の傾向に気づけた作品でした。