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その4

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 身体が熱い。
 酷く熱くて。
 手足に力が入らなかった。

「じっとしててくださいね」

 朝食中に、体調がおかしくなってしまった私を、神官様は両手で抱きかかえて運んでくれたのだけど、運び込まれた先が、私の部屋ではなく、神官様のベッドの上だった。
 やわらかいシーツは神官様の匂いがした。

 朦朧とする意識の中、訝しく思っている間に、ベッドに寝かされた私の両手を神官様が掴んで、万歳をするように強い力で頭の上に無理やりにまとめられてしまって、私の両手首は神官様から紐を巻かれて縛り上げられていってしまう。

 私は何をされているのか、孤児だった私を、幼い頃から父のように育ててきてくれた人から何をされているのか、この段階になっても、よくわかっていなかった。
 ぼんやりと神官様の顔を見上げていた。

「神官、様、何、を……?」

 青い瞳と目が合った。
 低い大人の男の声が響いた。

「――お仕置きですよ」

 神官様は私の両手を拘束した紐を、さらにベッドの上部にある柵状のヘッドボードに通して縛り、固定してしまった。
 私は両手が動かせなくなってしまう。

 おしおき……?

「神に仕える身でありながら、貴方は、我が娘が、まさか婚前交渉を行うとは……そんなはしたない娘に育てたつもりはないのですがねぇ」

 神官様の瞳には怒りの色が宿っていた。
 私は恐怖に身を竦ませた。
 父が、おこっている。

「え、あ……ごっ、ごめんなさい……! でも、リオンは、結婚するって約束してくれてっ」
「馬鹿な娘です。男のそんな言葉を信じるとは」

 神官様が侮蔑するように吐き捨てた。
 一瞬、何を言われたのか理解できなかった。

 ……まさか、いつもニコニコとお優しい神官様が、そんな事をおっしゃるなんて。

「……リオンは、嘘なんて、そんな嘘をつくような人じゃありません」
「ああっ! 本当に愚かな娘です! 騙されている事に気づかないとは!」

 嘆き憐れむように言われて、私の胸にカッと熱が湧いた。
 なんで……なんでそんな事を言うのだろう!

「神官様だってリオンのこと、よく知ってますよね?」
「ええ、ですから、私が愚かだったのです。こうなると予想すべきだった。だからこそ、もっと早くに、こうすべきだったのに」
「神、官……様?」

 大きな、幼い頃から暖かいと思っていた父代わりの人の手が、私の胸へと伸びて来る。

「あの小僧が、ここに触れたのですね?」

 神官様の両手が私の胸をはっきりと揉みしだき始めた。
 頭が真っ白になった。

「――っ!!」
「背丈は大きくならなかったのに、こんな所ばかり大きく育ってしまって……」

 見習いの女神官衣を下から盛り上げている膨らみに、神官様の長い指が埋め込まれて、形を大きく変えてゆく。

「あぁこんなに柔らかい……はしたない子です……あぁ、なんと、罪深い……」

 そっ……そんなの私のせいじゃない!
 弄ばれている胸の奥から悲しみと怒りが迫り上がってくる。
 けれど同時に、なぜか、酷く、甘い感覚も、神官様の手の動きに合わせて、身体の奥底から湧き上がってきて、じんわりと痺れるように広がってゆく。

 ……なんでっ?!

「ここにも」

 私が目を白黒とさせている間に、神官様はあろうことか言葉と共に右手を秘所へと伸ばして来た。

「――触れさせたのですね?」

 頬が熱くなった。
 胸の時は羞恥よりもショックと驚き、嫌悪、悲しみや怒りの方が勝っていたけれど、今度は強烈な恥ずかしさが湧き起こってきた。
 神官衣の上から股をぐりぐりと指の腹で強く押されて、すごく、嫌で、恥ずかしいのに、けどやっぱり、酷く甘い痺れが私の身体の奥から湧き上がってくる。
 我知らず、口から高い声が洩れていた。
 信じられない思いだった。

「ここが良いのですね? 我慢しなくて良いんですよプリム。これは自然な事なのです」
「う……そ……嘘です! なっ、にか……まさか、朝食に、入れましたか?!」
「おや、さすがに気づいてしまいましたか。ええ、少々……神草を入れさせていただきました。女神様のお慈悲は身体に害を残しませんから、ご安心なさい」

 神草――
 女神さまの聖なる薬草。
 それは森の奥地に生えているという。

 とても貴重で、霊験あらかたな神聖なものであるとは耳にした事があったけど、具体的にどんな効果があるものなのかはまだ教えられていなかった。
 秘儀にあたるものだそうで、昔、子供の頃に尋ねたら、大人になったら教えてくだされるとおっしゃっていたけれど……

「まさか、神草って」
「――ええ、愛し合う男女にお慈悲を分け与えてくだされるのです、子孫繁栄の為に」

 大地母神は豊穣の女神。
 埋めや増やせよと教義にはある。

 その為のお慈悲――

「対象の四肢を麻痺させると同時にその生殖能力を増大させる効果があります」
「神草どころか邪草じゃないですかっ?!」
「おや、バチあたりな娘ですね」

 神官様の指が私の下腹部にある敏感な突起を強く押し潰し、電流が流されたみたいに甘い痺れが走った。

「あうっ?!」

 薄々わかってはいたけど、神官様がこれから私に対して何をしようとしているのか、目の前に改めて突きつけられた気がした。

「――いやっ!」

 私は必死に左右に首を振った。

「私を拒絶しないでくださいプリム。愛していますよプリム」

 父と思っている人の手が私の頬を撫でた。
 ひぃっと、私の口から情けない声が洩れ、身体が強張る。蛇に睨まれた蛙のように私の抵抗は停止してしまう。

「貴方は……私を、愛していない?」
「あ……愛して、います。けど、それはお父さんとしてです! お願い! 神官様! 正気に戻って!」

 さっきからずっと神官様の目がおかしい。いってる事もおかしい。頭おかしくなっちゃってる!
 神官様は、何考えてそんな事したのだかわからないけど、朝食に邪草を混ぜて、そしてその朝食を私と一緒に食べていたんだ。
 神官様はお強いから、あるいは自分の分には量を加減でもしたのか、私みたいに身体に力が入らないほどの状態にはなっていないようだけど、邪草の催淫効果を確実に受けちゃってる。そうでなくて実の娘みたいなものである私に神官様が欲情する訳がないのだ。敬愛する父が、おかしくなってしまっている。

 私は恐る恐る視線を下の方へと走らせた。
 服の上からもはっきりとわかる、神官様の下半身部分の布が、大きく、大きく、せりあがっている。

(う……うそでしょ……?!)

 たぶん、リオンのものとは比べ物にならない大きさだ。
 子供の頃、普通の状態の時の神官様のものを見てしまった事があるのだけど、その状態でも神官様のはとっても大きかった。皮が剥けててちょっとグロテスクだった。
 神草の影響で興奮状態にある今はきっと、とんでもない大きさになっている。

「な、なんでぇ……なんで、神官様、こんなことするんですかぁ……?」

 私は湧き上がって来る恐ろしさや悲しみやらに耐えきれなくなって、ベソをかいてしまった。じわっと目から涙が溢れて視界が滲んでくる。

「こんなのっ……こんなのっ、おかしい、です……!」

 親子なのに。
 おとうさんなのに、なんで、こんなことするの……?
 神官様の大きな手が私の頬をゆっくりと撫でてゆく。

「……いいえ、むしろ今までが間違っていたのです。私は神に嘘をついていました。昨日一日中、貴女が帰ってこず、今朝、なんとも幸せそうな表情で私の前に現れた時、私は今更にそれに気づかされたのです」

 神官様は真顔で言った。

「貴方はやはり、娘としてではなく、妻として私のものにしておくべきだったと」

 えっ…………
 …………
 つ、妻……?
 わたしが妻って、なら、おとうさんが……おとうさん? 夫? 旦那さん? え? なんでです? そんなのおかしい――

「あんな小僧の事なんてすぐに忘れさせてあげますから」

 神官様はそう言って、いつものように優しい笑顔を浮かべて、いつもとはまるで違う獣みたいに血走った瞳をして、縛られて逃げられない私の下着を無理やり剥ぎ取ると、私に強く圧し掛かってきて、信じられないくらい大きく反り返っている熱く硬い男性器を、邪草のせいでぐずぐずに濡れそぼってしまっている私の女性器にあてがい、一番奥まで貫いてきた。

 目の前が真っ白になった。
 変な声と息が洩れた。
 神官様が激しく動き始める。ベッドがギシギシと音をたてながら軋んで、私の中が前後に激しく掻きまわされてゆく。一番奥までガンガンに突き上げられる。何度も何度も。
 それは信じられないくらいに乱暴で、けれど、熱く麻痺している私の身体はそれを難なく呑み込んでしまって、

「ああ、すごい……! 絡みついてくる……! 私のものに吸いついて……っ! これは、素晴らしい……! 嗚呼……プリム、とても淫らだ!」

 神官様が感極まったようにはぁはぁと息を乱しながら叫んでいる。

「貴方のここ、すごく良いですよプリム……! 貴方はどうです?!」
「……っ!」

 私は涙でにじむ視界の中、唇を噛みしめた。
 思い浮かんだのはリオンの顔だった。
 罪悪感が溢れていた。
 私はリオンのお嫁さんなのに。
 リオンのでは全然気持ち良くなれなかったのに。

「どうなんです? と、聞いているのですが?」

 一際強くたくましい肉の杭を打ち込まれて、衝撃と共に口から空気と声が洩れてしまう。
 自分でもはっきりとわかるくらい、艶めかしい女の声色だった。

(リオン……!)

 神官様のペニスは、リオンのペニスよりも、比較にならないくらいに圧倒的な快楽を私にもたらしていた。

 邪草のせい。
 邪草のせいだ……!

「プリム、貴方は淫乱ですね。いけない子だ。たっぷりとおしおきしてあげますね」
「いっ……いやああああああっ!!」

 神官様の腰が動いて、より一層のたまらない刺激が激流のように押し寄せてくる。私はたちまち甘美な絶頂へと押し上げられてしまって、こらえきれずに腰をくねらせてしまって、身を反らせて、足先をピンと伸ばしながら、びくびくと太腿を震わせてしまった。
 意識が、白く、遠くなってゆく。

「――駄目ですよ、プリム、気絶しちゃあ。貴方の意識を塗りつぶさないといけないんですから、しっかり!」
「ぉ、ぁ……や、やめて、おとうさん、もうやめてぇ……!」
「愛していますよ、プリム」

 それから神官様は回復魔法も駆使して私を犯し続けた。
 何度も何度も繰り返し快楽の液体を私の中に注ぎ込み続けた。
 避妊の魔法はすぐに使わなければ効果がないのに、神官様は私の腕を縛って、使わせてくれなかった。
 私に子供を産ませるのだと言って、子宮の入口をペニスの先端で激しく突き、押し当て、何度も何度も淫らな液体を注ぎこんできた。

「プリム、私のものとあの小僧のもの、どちらが良いですか? 正直に答えなさい」
「そんなのっ……! だめっ、こんなのっ、イイッ、わけっ、ない……っ!」
「これだけやっても……? そうですか、なら、理解するまで徹底的に教え込んであげますね」

 神官様は何かの液体が入った瓶を取り出すと、栓を開いて私のお尻の穴に先端をねじ込んできた。

「――ひぃっ!」

 冷たい液体がお尻の中に一気に注ぎこまれてくる。
 腸の粘膜に染みわたっていって、燃えあがるように身体が熱くなって、身体からさらに力が抜けてゆく。
 すかさずに神官様の熱くて硬くて大きいものが一気に膣の一番奥まで撃ち込まれる。

「ひぐぅっ?!」

 電撃のような快楽に目の前がチカチカした。
 星が瞬いている。
 熱い……!
 体が熱い……!
 狂って、しまう……!

「ああっ、締まる! 締まる! イイですよプリムッ! 神のお慈悲をもっと飲みこむのです!!」

 神官様は私を激しく突きあげながら、さらに私のお尻の穴に突き刺したままの瓶を激しく動かした。
 私の小さな身体はびくびくと痙攣するように震えた。

「ひぃうぅっ! あぐぅあっ! うあああ……っ!!」

 神官様が、私のお尻から注ぎこんでいるのは、たぶん、神草を煎じて水か何かに溶かしたものだ。
 私の思考はどんどんと乱れていって、甘く激しい快楽が身体全体で荒れ狂って、視界が真っ白に染まって、何も考えられなくなってしまった。
 強烈極まりない電流のような刺激に、腰が、私の意志を無視して勝手にひとりでにくねってしまって、白く伸びる両脚を神官様の腰の後ろにまわして強く絡めてしまって、性器と性器とをより深く密着させて、きつく、きつく、熱くて硬くて太いものを、奥深く、奥の奥まで咥え込んでしまう。
 私の下の口はよだれを溢れさせ、だらだらと垂らしながら、神官様のものを美味しそうにしゃぶって搾り上げていってしまう。

「ああっ、とてもイイですよプリムっ! 私のものと、リオンのもの、どちらが良いですか?」
「あんっ! あんっ! あっ! あああーっ!」

 神官様の腰が前後に動く度に、私を妊娠させようと勢いよく子種が奥に吐き出される度に、甘い痺れが身体中に走って、頭が真っ白になり、私の理性が快楽の渦に呑まれてゆく。千切れとんでゆく。

「ほら、正直に答えてください、よっ!」
「おっ、おっ!」

 あまりに激しい快楽に気を失って、また凄まじい快楽によって無理やりに覚醒させられる。
 それを何度も何度も夜通し繰り返された。

 神官様は、私を調教した。

 夜が明ける頃には、私はすっかり神官様のものの味を身体の奥底にまで覚え込まされてしまっていた。

「どちらが良いですか?」
「はひぃ、あへぇ、ゆ、ゆるひて……もうっ、ゆるひてぇ……」
「駄目です。強情な子ですね。ここは、ここも、ここも、こんなになっているというのに。ほら、きちんと言いなさい、正直に、言葉にだして、ほら!」
「ひぃぃぃぃっ!」

 神官様は滝のような汗を流し荒い息をつきながら私を、意識が朦朧としていて息も絶え絶えになっている私を、それでも徹底的に激しく責めたてた。
 いけない事の筈なのに、神草漬けにされて、熱く硬い雄の象徴で膣内を徹底的に掻きまわされて、朦朧とする中で舌と舌を絡め合うのは、すごく気持ちがよくて、何も考えられなくなってしまった。
 何度も胸の先端をいじられ、舐められ、揉まれ、子宮を突かれ、注がれ、身体中を弄ばれて、わからせられてしまった。

(キモチイイ……! リオンのより、神官様のがキモチイイよぉ……っ!)

 言葉にはださなかったけど、私の身体は神官様のペニスにすっかり屈服してしまっていた。苦しくて、悲しくて、でもとんでもなくたまらなく気持ちがよくて、涙ももう枯れ果ててしまっていた。
 ベッドの端に私の手首を縛っていた紐が解かれた時には、もう既に世界は完全に明るくなっていて、ゴブリン討伐に赴かなければならない時刻が、すぐそこにまで迫ってきていた。
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