来世もまた

ゆき

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今世も

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 私たちは奇跡の再会をして新たな人生を歩み始めた。そして、桜が咲き誇る春に結婚式を挙げた。
 結婚式を終えて1週間もたてば普段の生活に戻った。
「なんかあっという間の結婚式だったね。」
私は趣味のパズルをしながら言った。
「そうだな、けど二回も結婚式あげれて楽しかった。」
彼は無邪気な笑顔で笑った。なんか子供を見ているみたいに思える。
「そうだ!今日の朝リンゴを買ったんだけど食べる?」
彼はリンゴを私に見せながら言った。
「うん!食べる!うさぎの形にしてよ!」
私は決まってうさぎの形にしてもらう。そっちの方がかわいいし、彼と始めてキッチンにたったことを思い出すから。
 始めて彼とキッチンにたった時、彼はリンゴをうさぎの形に出来るというのでリンゴを渡すとモンスターみたいな形のリンゴがかえってきた。
「これは何?」
不思議そうに聞くと
「うさぎ。」
とだけかえってきた。これがうさぎなのかと悩んだ。いや、うさぎではない。これは
「モンスターみたい。」
私がそう言うと彼は子供のようにほっぺを膨らませ、
「うさぎだよ。」
と言った。それから彼は仕事帰りにリンゴを買ってきてはうさぎの形にする練習をした。始めは本当にうさぎなのかと思うぐらいだったがだんだんうさぎの形になり今では立派なうさぎの形をしている。
「出来たよ。」
彼はリンゴを切り終えてテーブルに向かった。
「うあーすごい!うさぎの形うまくなったね。」
私がそう言うと
「当たり前だよ、どんだけ練習したと思ってるんだ。」
二人でそう話しながらリンゴを食べた。
これが幸せな時間なのだ。
 これからも幸せな時間が末永く続きますように。私は心から願った。
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