来世もまた

来世も

　私たちは出かけた先で事故にあった。近くにいた人が私たちを安全な所まで連れて行ってくれた。けど、私はほとんど体の感覚がない。横を見ると彼も同じみたいだ。
「ねえ、大丈夫？」
私は声をかけた。そうすると
「ごめん、もうだめみたいだ。」
「私も。」
私たちは残された時間で話をした。
「覚えてる？私が転けてケーキを顔に投げたこと。」
「もちろん覚えてるよ。たまに思い出して笑ってるよ。あの時、いきなりケーキを顔に投げつけられてビックリしたよ。」
「お腹が痛くなるぐらい笑ったね。」
「そうだな。僕が間違えて猫のぬいぐるみを二つ買ってきたこと覚えてる？」
「そんなことあったね。二日連続同じ猫のぬいぐるみ買ってきたときはビックリしたよ。」
少し話したあと彼は言った。
「ごめん。もう無理みたい、目の前がだんだん暗くなってきた。」
彼の顔は、今さっきより悪くなっていた。
「大丈夫、私も。」
私もだんだん意識が薄れてきた。
「なあ。」
彼は私に言った。
「もしも来世があるなら、また会いに行ってもいいか？」
その言葉に返事をしたらまた会えると思って力を振り絞って言った。
「いいよ。もしも来世があるならお互いのこと探そうね。」
手を握って二人で誓った。

　私は死んでまた新しい人生を送っていた。私は彼との誓いを覚えていた。来る日も来る日も彼のことを探した。
ある日、彼とよく行った海に行くと彼がいた。私は走って彼の所に行った。すると彼も私の所まで走ってきてくれた。そして私たちは抱きつき涙を流した。
「また会えた。あの言葉覚えてくれていたんだ。」
彼は涙を流しながら言った。
「もちろん。忘れた日なんてないよ。」
私は彼に抱きつきながら言った。
そして、
「また僕と一緒に隣で歩いてくれますか？」
「はい。」
私たちは奇跡の再会をして、一緒の人生を歩み始めた。