1 / 1
一年に一度の恋を
しおりを挟む
7月7日は七夕である。天の川で織り姫と彦星が一年に一度だけ会うことが出来る。この二人のように僕たちも一年に一度だけしか会うことが出来ない。
天の川が一番綺麗に見える時間に僕は決まった場所に行く。そこに行くと君はいた。
「久しぶり。」
と僕が声をかけると君は微笑みながら
「久しぶり。」
という。僕は君のもとに行くと君は
「会いたかった。」
という。
「僕も会いたかった。」
という。僕たちは、本当は会うことが許されない。その理由はお互い言うことが出来ない。だけどこの日、七夕だけは会うことが出来る。僕にとってはこの七夕だけでも会えることが嬉しい。僕と君は、近くにあるベンチに座った。君は僕を見ながら、
「あなたのことが好きだけど、結ばれることはない。」
君は悲しそうな顔をしながら言った。
「僕も君のことが好きだ。」
「ありがとう。」
君は言う。
「僕は毎年この七夕に君に恋をしている。」
僕がそう言うと君は、頬を赤くしながら、顔を隠した。僕は君の隣に行き、天の川を指さしながら
「織り姫と彦星が今年も会えたみたいだ。まるで僕たちのように。」
君は天の川を見た。しばらく天の川を見ていると、少しずつ天の川がなくなっている。それが僕たちの別れを告げる。
「もうそろそろ、帰らないと。」
君は悲しそうな声で言った。
「僕も。」
本当は君をこのまま帰したくない。君とまだいたい。そんな言葉は決して口に出すことは出来ない。だから僕は
「また、来年の七夕に会おう。」
という。
「うん。」
君は、返事をして去って行った。僕は君を見送ると
「一年に一度だけしか出来ない恋か。」
とつぶやいた。
天の川が一番綺麗に見える時間に僕は決まった場所に行く。そこに行くと君はいた。
「久しぶり。」
と僕が声をかけると君は微笑みながら
「久しぶり。」
という。僕は君のもとに行くと君は
「会いたかった。」
という。
「僕も会いたかった。」
という。僕たちは、本当は会うことが許されない。その理由はお互い言うことが出来ない。だけどこの日、七夕だけは会うことが出来る。僕にとってはこの七夕だけでも会えることが嬉しい。僕と君は、近くにあるベンチに座った。君は僕を見ながら、
「あなたのことが好きだけど、結ばれることはない。」
君は悲しそうな顔をしながら言った。
「僕も君のことが好きだ。」
「ありがとう。」
君は言う。
「僕は毎年この七夕に君に恋をしている。」
僕がそう言うと君は、頬を赤くしながら、顔を隠した。僕は君の隣に行き、天の川を指さしながら
「織り姫と彦星が今年も会えたみたいだ。まるで僕たちのように。」
君は天の川を見た。しばらく天の川を見ていると、少しずつ天の川がなくなっている。それが僕たちの別れを告げる。
「もうそろそろ、帰らないと。」
君は悲しそうな声で言った。
「僕も。」
本当は君をこのまま帰したくない。君とまだいたい。そんな言葉は決して口に出すことは出来ない。だから僕は
「また、来年の七夕に会おう。」
という。
「うん。」
君は、返事をして去って行った。僕は君を見送ると
「一年に一度だけしか出来ない恋か。」
とつぶやいた。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

三度目の嘘つき
豆狸
恋愛
「……本当に良かったのかい、エカテリナ。こんな嘘をついて……」
「……いいのよ。私に新しい相手が出来れば、周囲も殿下と男爵令嬢の仲を認めずにはいられなくなるわ」
なろう様でも公開中ですが、少し構成が違います。内容は同じです。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。

完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

寡黙な貴方は今も彼女を想う
MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。
ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。
シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。
言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。
※設定はゆるいです。
※溺愛タグ追加しました。

あなたへの恋心を消し去りました
鍋
恋愛
私には両親に決められた素敵な婚約者がいる。
私は彼のことが大好き。少し顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
だけど、彼には私の気持ちが重いみたい。
今、彼には憧れの人がいる。その人は大人びた雰囲気をもつ二つ上の先輩。
彼は心は自由でいたい言っていた。
その女性と話す時、私には見せない楽しそうな笑顔を向ける貴方を見て、胸が張り裂けそうになる。
友人たちは言う。お互いに干渉しない割り切った夫婦のほうが気が楽だって……。
だから私は彼が自由になれるように、魔女にこの激しい気持ちを封印してもらったの。
※このお話はハッピーエンドではありません。
※短いお話でサクサクと進めたいと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる