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†聖夜の煌めき†
7&後書き
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★☆★☆★
…そしてこちらは、しっかりと期待を裏切らない、カミュ&唯香と六魔将側。
今や、その場にいる全ての者が窓に張り付いて監視している状態の中で…
案の定、カイネルがサリアから強烈な肘鉄を食らわされたのを、揃って目にした時には、さすがに皆、洩れいでる溜め息を止められなかった。
「…、せっかくみんなでここまでお膳立てしてやったってのに…
何で、いつも通り過ぎるほどいつも通りなんだよ、あいつは…」
シンが、がっくりと頭を抱え込む。
それに周囲の者たちは、同意の意味を含めて、皆、一様に苦虫を噛み潰したような表情をした。
…やがて、苛立ちにこめかみが戦慄くカミュが、怒り混じりに声を落とした。
「…レイヴァン、フェンネル」
「はい、カミュ様」
二人を代表する形で、フェンネルが答える。
しかしそんなフェンネルの表情も、さすがに配慮を通り越したらしく、彼には珍しくも、ちょっとした怒りに引きつっていた。
…その原因を嫌と言うほど知るカミュが、熱く怒気を含んだ声で告げる。
「明日はカイネルに、サリアの任務という任務を、全て代行させろ」
「御意」
フェンネルが恭しく頭を下げる。それと同時に、シンが自らの魔力…
つまり、鋼線を解く。
「…全く、何でこのタイミングでわざわざサリアを怒らせるんだろうね、カイネルも。
しかも、これ以上ない程の天然ぶりだし…
サリアも気の毒になぁ。何であんなのに惚れたんだか…」
「…全くもってその通りよね」
これまでの経過から、先程の嘆きなど、すっかりすっ飛んでしまった唯香が憮然となる。
…カイネルの鈍さは、今までのことからも、充分に理解しているつもりだった。
だがカイネルの野暮天さが、こちらの想像を遥かに上回るものだとは、よもや思いもしなかった…!
…そして、それならそれで。
次に取れる策は決まっている。
「…カミュ」
唯香は意を決すると、きっ、とカミュを強く見据えた。
しかしカミュは、唯香がこんな目を見せながら自分の名を呼ぶ時は、決まって一癖ある時だと、とうに理解している。
すると唯香は案の定、カミュに向かって憤然と事を言い放った。
「これから先、あの二人の任務は、必ずぶつけて合同でやって貰うようにしてねっ」
「…ああ、分かった」
…“障らぬ唯香に何とやら”。
カミュは再び、深い憂いの溜め息をつかずには居られなかった。
─完─
※【注意】以下、感想
この話は、オチが読めていた方がおられるかも知れないですね(笑)。
本編や他の話にもあります通り、カイネルはひたすら鈍いです。
鈍すぎて、ここまでしないと感付くこともしません。
そしてサリアは恋する乙女と化しておりますが、六魔将という立場上、出来るだけ表には出さないようにしているようです。
まあ、サリアの性格から考えると、理由はそれだけではなく、やはりカイネルがあまりにも近い位置にいるために、何となく他の六魔将に対して気恥ずかしいというのが大きいのではないかと思います。
そのため本編で書ききれないところは、こうして番外編の方で書いてはおりますが、はっきり2人がどうなるかは、正直、次作以降になります。
実は第1部が終わらないうちから、第2部も平行して非公開で、かなり前に少し書いているのですが、やはりこっちが終わらないうちは…と、そちらは今、止まっていますね。
完成するのがいつになるやらな気配が満載ではありますが、出来るだけ早めにお届けできればいいな…とは思っております。
…そしてこちらは、しっかりと期待を裏切らない、カミュ&唯香と六魔将側。
今や、その場にいる全ての者が窓に張り付いて監視している状態の中で…
案の定、カイネルがサリアから強烈な肘鉄を食らわされたのを、揃って目にした時には、さすがに皆、洩れいでる溜め息を止められなかった。
「…、せっかくみんなでここまでお膳立てしてやったってのに…
何で、いつも通り過ぎるほどいつも通りなんだよ、あいつは…」
シンが、がっくりと頭を抱え込む。
それに周囲の者たちは、同意の意味を含めて、皆、一様に苦虫を噛み潰したような表情をした。
…やがて、苛立ちにこめかみが戦慄くカミュが、怒り混じりに声を落とした。
「…レイヴァン、フェンネル」
「はい、カミュ様」
二人を代表する形で、フェンネルが答える。
しかしそんなフェンネルの表情も、さすがに配慮を通り越したらしく、彼には珍しくも、ちょっとした怒りに引きつっていた。
…その原因を嫌と言うほど知るカミュが、熱く怒気を含んだ声で告げる。
「明日はカイネルに、サリアの任務という任務を、全て代行させろ」
「御意」
フェンネルが恭しく頭を下げる。それと同時に、シンが自らの魔力…
つまり、鋼線を解く。
「…全く、何でこのタイミングでわざわざサリアを怒らせるんだろうね、カイネルも。
しかも、これ以上ない程の天然ぶりだし…
サリアも気の毒になぁ。何であんなのに惚れたんだか…」
「…全くもってその通りよね」
これまでの経過から、先程の嘆きなど、すっかりすっ飛んでしまった唯香が憮然となる。
…カイネルの鈍さは、今までのことからも、充分に理解しているつもりだった。
だがカイネルの野暮天さが、こちらの想像を遥かに上回るものだとは、よもや思いもしなかった…!
…そして、それならそれで。
次に取れる策は決まっている。
「…カミュ」
唯香は意を決すると、きっ、とカミュを強く見据えた。
しかしカミュは、唯香がこんな目を見せながら自分の名を呼ぶ時は、決まって一癖ある時だと、とうに理解している。
すると唯香は案の定、カミュに向かって憤然と事を言い放った。
「これから先、あの二人の任務は、必ずぶつけて合同でやって貰うようにしてねっ」
「…ああ、分かった」
…“障らぬ唯香に何とやら”。
カミュは再び、深い憂いの溜め息をつかずには居られなかった。
─完─
※【注意】以下、感想
この話は、オチが読めていた方がおられるかも知れないですね(笑)。
本編や他の話にもあります通り、カイネルはひたすら鈍いです。
鈍すぎて、ここまでしないと感付くこともしません。
そしてサリアは恋する乙女と化しておりますが、六魔将という立場上、出来るだけ表には出さないようにしているようです。
まあ、サリアの性格から考えると、理由はそれだけではなく、やはりカイネルがあまりにも近い位置にいるために、何となく他の六魔将に対して気恥ずかしいというのが大きいのではないかと思います。
そのため本編で書ききれないところは、こうして番外編の方で書いてはおりますが、はっきり2人がどうなるかは、正直、次作以降になります。
実は第1部が終わらないうちから、第2部も平行して非公開で、かなり前に少し書いているのですが、やはりこっちが終わらないうちは…と、そちらは今、止まっていますね。
完成するのがいつになるやらな気配が満載ではありますが、出来るだけ早めにお届けできればいいな…とは思っております。
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