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†翼の回帰†
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しかし、実際にそうと知られている以上、下手に事を引っ張るような真似をすれば、恐らく2つの魔力ごと、その発動そのものをジャドウに阻まれると瞬時に判断したゼルクは、刹那、レイヴァンに声掛ける余裕もなく、その金の魔力を当のレイヴァンに向けて発動させた。
「!…ゼル…」
言いかけたレイヴァンの体が、眩い金色の光に包まれる。
そのまま、ふっ、と、元からその存在が皆無であったかのように、その姿がその場から消失した。
しかし、それに安堵する間もなく、ジャドウの息も付かせぬ攻撃が、ゼルクを襲う。
「!てめぇ、この野郎──いつまで絡んでやがる! しつこいんだよ!」
瞬間、苛立ちを覚えたらしいゼルクの魔力が、その怒声と共に格段に跳ね上がる。
それにジャドウは、純粋なまでに感嘆の笑みを浮かべた。
「その短気ぶりを補って余りある強さ…
やはり魅惑的だな、お前は」
「悪趣味もイカレ具合も相変わらずかよ…
そういうヨタ話はなぁ、余所でやりやがれってんだ!」
言い放ったゼルクが一転、今度は攻勢に出た。
だが、それをジャドウは難なく避ける。
そしてゼルク自身もまだ、かすり傷のひとつも負ってはいない。
…それが示す真実はただひとつ。
双方の実力は、“全く互角”。
「…レイヴァンをある程度痛めつけた後に、結界をわざわざ解いてその居所を知らせたのは、精の黒瞑界の誰であれ、おびき寄せて纏めて潰す為か?」
「ふん…さすがに読んでいたか、ゼルク。
まあ、今回はそれにお前が見事に掛かった訳だが」
「ヒトを魚みてぇに言うな。大体てめぇとやり合うと、確実に長引くから嫌なんだよ」
ゼルクが、さも忌々しいと言わんばかりに顔をしかめる。
しかしジャドウは厚顔にも、これにも笑みで返した。
「奇遇だな、俺もそう思う」
「…言ってくれるじゃねぇか」
ぴき、と、ゼルクのこめかみに太い血管が浮かぶ。
その表情は不気味なほど不敵、かつ、妙にふてぶてしい。
「上等だ。半殺しに遭う覚悟は出来てるってことだな?」
「ふん…お前がか?」
ジャドウが今度は薄ら笑いで返す。
瞬間、びきっ、と音を立ててゼルクのこめかみの血管が、更に増える形で膨れ上がった。
ゼルクはその構えを、完全な攻勢のものへと切り替えると、自らの強大な魔力を、再び両の手に集中させた。
「上等だ。てめぇ…足腰立たなくなるほどガタガタにしてやるぜ!」
「!…ゼル…」
言いかけたレイヴァンの体が、眩い金色の光に包まれる。
そのまま、ふっ、と、元からその存在が皆無であったかのように、その姿がその場から消失した。
しかし、それに安堵する間もなく、ジャドウの息も付かせぬ攻撃が、ゼルクを襲う。
「!てめぇ、この野郎──いつまで絡んでやがる! しつこいんだよ!」
瞬間、苛立ちを覚えたらしいゼルクの魔力が、その怒声と共に格段に跳ね上がる。
それにジャドウは、純粋なまでに感嘆の笑みを浮かべた。
「その短気ぶりを補って余りある強さ…
やはり魅惑的だな、お前は」
「悪趣味もイカレ具合も相変わらずかよ…
そういうヨタ話はなぁ、余所でやりやがれってんだ!」
言い放ったゼルクが一転、今度は攻勢に出た。
だが、それをジャドウは難なく避ける。
そしてゼルク自身もまだ、かすり傷のひとつも負ってはいない。
…それが示す真実はただひとつ。
双方の実力は、“全く互角”。
「…レイヴァンをある程度痛めつけた後に、結界をわざわざ解いてその居所を知らせたのは、精の黒瞑界の誰であれ、おびき寄せて纏めて潰す為か?」
「ふん…さすがに読んでいたか、ゼルク。
まあ、今回はそれにお前が見事に掛かった訳だが」
「ヒトを魚みてぇに言うな。大体てめぇとやり合うと、確実に長引くから嫌なんだよ」
ゼルクが、さも忌々しいと言わんばかりに顔をしかめる。
しかしジャドウは厚顔にも、これにも笑みで返した。
「奇遇だな、俺もそう思う」
「…言ってくれるじゃねぇか」
ぴき、と、ゼルクのこめかみに太い血管が浮かぶ。
その表情は不気味なほど不敵、かつ、妙にふてぶてしい。
「上等だ。半殺しに遭う覚悟は出来てるってことだな?」
「ふん…お前がか?」
ジャドウが今度は薄ら笑いで返す。
瞬間、びきっ、と音を立ててゼルクのこめかみの血管が、更に増える形で膨れ上がった。
ゼルクはその構えを、完全な攻勢のものへと切り替えると、自らの強大な魔力を、再び両の手に集中させた。
「上等だ。てめぇ…足腰立たなくなるほどガタガタにしてやるぜ!」
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