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Ⅱ.予期せぬ出会い
暗殺組織の者
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「…っ!」
この青年に、底知れない恐怖を感じたセレンは、瞬間、身を翻すと、もと来た方へと駆け出した。
足がもつれようが、ドレスが足にまとわりつこうが、今は一切関係なかった。
気にすらならなかった。
…彼女はただ、一刻も早く、この場から離れたかった。
そう、剰りにもショックなことを聞いたため、自分の存在そのものをも消しさりたい程に。
彼女はただひたすら、青年に認識された『自分の存在』が、この場から消えて無くなることだけを強く願っていた。
すると、それに気付いた青年は、絡みつくような視線をセレンに向けながら、さも楽しげにくすくすと笑った。
「追いかけっこがお好みかい…?
ふふっ…、そうでなくてはね…
恐らく気付いてはいないだろうね。…貴女はその方が…
気丈に振る舞う方が魅力的なんだよ…セレン」
青年はすぐさま魔術を使って、一瞬にして自らの体をセレンの側まで運んだ。
その気配に、本能的に恐れをなした、セレンの全ての動きが凍りつく。
「…え…!?」
「風の魔術は見たことがないのかい?
それを使えば、この程度の距離の移動は、非常に容易いんだよ…?」
青年が冷たく笑うと、セレンはまるで感情の全てが固まってしまったかのように、その場に足を止めた。
刹那、そのセレンが身に付けていたドレスの裾を狙って、青年がとある魔術を発動させるべく、魔力を高め始めた。
「…そして、応用でこんな真似も出来るんだ。
セレン、よく見ておくといい…
これが貴女の家族の命を奪った術だよ」
「…!」
セレンが、驚きで大きく目を見開いた瞬間、青年は呟くように、その呪文を口にした。
「──切り裂け、風の砕牙」
青年の手から放たれた魔力は、鋭い複数の風の刃に変化し、唸りをあげてセレンに襲いかかった。
それは一瞬にしてドレスの裾を、これ以上ないほど、ずたずたに切り裂いた。
「…!」
自らの着ているものに、目を落としたセレンは、そのあまりの惨状に、その切れ味に…
声もなく絶句した。
…一方、青年は、すっかり青ざめて、逃げる気力すら失せているセレンの頬に、自らの欲望のままに、荒々しく口づけた。
「!?」
弾かれたようにセレンが飛び上がる。
それでようやく気付いたかのように、セレンは青年を突き飛ばした。
しかしそこは女の細腕…
感情的にも遠くにやってしまいたかったはずのその青年は、その場から僅かに体を押されただけに止まる。
「ふぅん…、まだ理性が残っているみたいだね。それとも、感情だけで動いているのがそう見えるだけかな?」
青年は別段怒りもせず、逆に口元に嘲りの笑みを貼り付け、セレンをまるで玩具のように扱っている。
そしてセレンもそれに気付いていた。
…この青年は、殺す前に…自分で遊んでいるのだと。
「…名を呼んでよ、セレン。…死ぬ前に、両親の仇の、俺の名を…」
「!…っ、じょ…、冗談じゃないわ!」
さすがに怒りが込み上げたセレンは、どうせ殺されるならと、やけくそ気味に青年に怒りをぶつけた。
「そんなこと言われて、貴方の名前なんて…誰が呼ぶもんですか! どうせ殺すなら遊んでないで、ひと思いにやったらどうなの!?」
「……」
瞬間、冷たく変化した瞳をセレンに落とした青年は、何の前触れもなく、風の砕牙を発動させた。
…それはあっさりと、セレンの足を切り裂いた。
「きゃあぁあぁぁあぁっ!」
痛みのあまり、セレンが悲鳴をあげる。
まるで鋭い刃物で切られたかのような、複数の鈍い痛みが、セレンの足の感覚を支配する。
動くことも出来ずに、足を押さえてその場にうずくまったセレンを、青年は、いよいよ冷酷に見下した。
「…俺はね、気丈な女は好きだけど、強情な女は嫌いなんだよ…
セレン、貴女は自分の立場を分かってる?
貴女の命は、俺が握っているんだよ…?」
「……」
「いいね? もう一度だけ言うよ…
俺が貴女を殺める前に、セレン…、俺の名を呼んで…?」
呟くように告げる青年の瞳には、炎のような激しさと、氷のような鋭さが混在していた。
…そこから読み取れるものは、他でもない…狂気だ。
そんな青年の様に身震いしたセレンは、自らの意志に反して、とうとう折れてしまった。
「…あ…貴方の名は?」
「…“カイン”…」
奇妙な喜びを湛えながら答える青年…カインの名を、セレンは心中で呪うように幾度も反復していた。
…両親たちを手に掛けた男の名前など呼びたくないというのが本音ではあったが、しかしその一方で、仇の名を認識しておく必要はあるのではないかとも考えていた。
しかし、名を呼ばないことでこれだけの攻撃を加えられるなら、カインが先程から執拗に言葉の裏に潜めている通り、こちらが名を呼んだ途端に殺すつもりなことは間違いない。
どう足掻いても生き延びられないのなら、やはり彼の思い通りにはさせたくない。
しかし、今の自分には、この状況を打破する術は見当たらない。
かといって、彼の思うままに事を運ばせるのは、あまりにも癪すぎる。
…セレンがそんな考えの板挟みになり、葛藤していると、業を煮やしたらしいカインが、苛立った口調でセレンの心情を揺さぶった。
「…どうしたんだい? セレン」
「!…え、あ…、何でも…」
「ふん…、貴女の考えは読めている。
名を呼んだ途端に、俺が貴女を殺すのだと思っているね?
だから呼ぶか呼ばないか迷い、考え、この状況から逃れる術を考えている… そうだろう?」
「!」
図星を突かれて、セレンの心臓が、どきりと跳ねた。
その様を見ていたカインは、何事か考えていたようだったが、不意にくつくつと喉を鳴らした。
「──そうか、そうだな… 単純に殺すよりも、むしろ…」
明らかに何らかの企みを保持しているのが窺えるカインの目を見たセレンは、心底ぞっとした。
間違いなく狂気に呑まれているその双眸には、ある種の欲望がしっかりと垣間見えていたのだ。
…不意にカインは、立てないままのセレンの側に静かに近付き、膝を折った。
困惑ぎみに自分を見上げるセレンの顎を、自らの左手で上向かせる。
「ふん…、さすがにあのヴィルザーク侯爵の血を強く引いているだけのことはあるね… 綺麗な顔をしている」
カインは満足そうに手を離すと、いまだ憎しみに燃える目を自分に向けるセレンの視線を、自らのそれで絡み取った。
「…、気が変わった。セレン、貴女は生かしておいてあげるよ…
この俺の伴侶としてね」
「!…え…っ!?」
そう言ったきり、セレンは言葉を失った。
その一瞬をついて、カインはセレンを強く抱き竦める。
「…貴女はその一生を、俺の側で生きるんだ…
両親たちの仇である俺と共にね…」
瞬間、セレンの背に、氷が滑り落ちるような悪感が走った。
「…あ…、貴方となんて、冗談じゃ…!」
セレンが、激しい嫌悪感から彼を拒もうとした途端、その右頬に、彼が手をあげた。
ばしっ! と乾いた音がして、セレンの頬が赤く染まった。
何をされたかの判断が付きかねていたセレンは、一時はその動きを止めたものの、痛みを確かめるように頬を押さえると、茫然と彼を眺める。
その視線に酔うように、彼…カインは、狂喜に満ちた目を細め、次にはセレンを強く睨み据えた。
「…まだ逆らう気力があるのかい?
困った娘だね…
こっちもついつい本気になるじゃないか」
言葉ほどは困っていない様子を、不敵な笑みという形で露にしながら、カインは不意に、セレンをその場に押し倒した。
「あっ!」
セレンが短い悲鳴をあげるが、カインはもはや、そんなことにはお構いなしだ。
「…少しは静かにして貰いたいものだね。貴女が大人しくしていれば、こんなことはすぐに済むよ…!」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、カインはセレンの胸元に顔を埋めた。
この青年に、底知れない恐怖を感じたセレンは、瞬間、身を翻すと、もと来た方へと駆け出した。
足がもつれようが、ドレスが足にまとわりつこうが、今は一切関係なかった。
気にすらならなかった。
…彼女はただ、一刻も早く、この場から離れたかった。
そう、剰りにもショックなことを聞いたため、自分の存在そのものをも消しさりたい程に。
彼女はただひたすら、青年に認識された『自分の存在』が、この場から消えて無くなることだけを強く願っていた。
すると、それに気付いた青年は、絡みつくような視線をセレンに向けながら、さも楽しげにくすくすと笑った。
「追いかけっこがお好みかい…?
ふふっ…、そうでなくてはね…
恐らく気付いてはいないだろうね。…貴女はその方が…
気丈に振る舞う方が魅力的なんだよ…セレン」
青年はすぐさま魔術を使って、一瞬にして自らの体をセレンの側まで運んだ。
その気配に、本能的に恐れをなした、セレンの全ての動きが凍りつく。
「…え…!?」
「風の魔術は見たことがないのかい?
それを使えば、この程度の距離の移動は、非常に容易いんだよ…?」
青年が冷たく笑うと、セレンはまるで感情の全てが固まってしまったかのように、その場に足を止めた。
刹那、そのセレンが身に付けていたドレスの裾を狙って、青年がとある魔術を発動させるべく、魔力を高め始めた。
「…そして、応用でこんな真似も出来るんだ。
セレン、よく見ておくといい…
これが貴女の家族の命を奪った術だよ」
「…!」
セレンが、驚きで大きく目を見開いた瞬間、青年は呟くように、その呪文を口にした。
「──切り裂け、風の砕牙」
青年の手から放たれた魔力は、鋭い複数の風の刃に変化し、唸りをあげてセレンに襲いかかった。
それは一瞬にしてドレスの裾を、これ以上ないほど、ずたずたに切り裂いた。
「…!」
自らの着ているものに、目を落としたセレンは、そのあまりの惨状に、その切れ味に…
声もなく絶句した。
…一方、青年は、すっかり青ざめて、逃げる気力すら失せているセレンの頬に、自らの欲望のままに、荒々しく口づけた。
「!?」
弾かれたようにセレンが飛び上がる。
それでようやく気付いたかのように、セレンは青年を突き飛ばした。
しかしそこは女の細腕…
感情的にも遠くにやってしまいたかったはずのその青年は、その場から僅かに体を押されただけに止まる。
「ふぅん…、まだ理性が残っているみたいだね。それとも、感情だけで動いているのがそう見えるだけかな?」
青年は別段怒りもせず、逆に口元に嘲りの笑みを貼り付け、セレンをまるで玩具のように扱っている。
そしてセレンもそれに気付いていた。
…この青年は、殺す前に…自分で遊んでいるのだと。
「…名を呼んでよ、セレン。…死ぬ前に、両親の仇の、俺の名を…」
「!…っ、じょ…、冗談じゃないわ!」
さすがに怒りが込み上げたセレンは、どうせ殺されるならと、やけくそ気味に青年に怒りをぶつけた。
「そんなこと言われて、貴方の名前なんて…誰が呼ぶもんですか! どうせ殺すなら遊んでないで、ひと思いにやったらどうなの!?」
「……」
瞬間、冷たく変化した瞳をセレンに落とした青年は、何の前触れもなく、風の砕牙を発動させた。
…それはあっさりと、セレンの足を切り裂いた。
「きゃあぁあぁぁあぁっ!」
痛みのあまり、セレンが悲鳴をあげる。
まるで鋭い刃物で切られたかのような、複数の鈍い痛みが、セレンの足の感覚を支配する。
動くことも出来ずに、足を押さえてその場にうずくまったセレンを、青年は、いよいよ冷酷に見下した。
「…俺はね、気丈な女は好きだけど、強情な女は嫌いなんだよ…
セレン、貴女は自分の立場を分かってる?
貴女の命は、俺が握っているんだよ…?」
「……」
「いいね? もう一度だけ言うよ…
俺が貴女を殺める前に、セレン…、俺の名を呼んで…?」
呟くように告げる青年の瞳には、炎のような激しさと、氷のような鋭さが混在していた。
…そこから読み取れるものは、他でもない…狂気だ。
そんな青年の様に身震いしたセレンは、自らの意志に反して、とうとう折れてしまった。
「…あ…貴方の名は?」
「…“カイン”…」
奇妙な喜びを湛えながら答える青年…カインの名を、セレンは心中で呪うように幾度も反復していた。
…両親たちを手に掛けた男の名前など呼びたくないというのが本音ではあったが、しかしその一方で、仇の名を認識しておく必要はあるのではないかとも考えていた。
しかし、名を呼ばないことでこれだけの攻撃を加えられるなら、カインが先程から執拗に言葉の裏に潜めている通り、こちらが名を呼んだ途端に殺すつもりなことは間違いない。
どう足掻いても生き延びられないのなら、やはり彼の思い通りにはさせたくない。
しかし、今の自分には、この状況を打破する術は見当たらない。
かといって、彼の思うままに事を運ばせるのは、あまりにも癪すぎる。
…セレンがそんな考えの板挟みになり、葛藤していると、業を煮やしたらしいカインが、苛立った口調でセレンの心情を揺さぶった。
「…どうしたんだい? セレン」
「!…え、あ…、何でも…」
「ふん…、貴女の考えは読めている。
名を呼んだ途端に、俺が貴女を殺すのだと思っているね?
だから呼ぶか呼ばないか迷い、考え、この状況から逃れる術を考えている… そうだろう?」
「!」
図星を突かれて、セレンの心臓が、どきりと跳ねた。
その様を見ていたカインは、何事か考えていたようだったが、不意にくつくつと喉を鳴らした。
「──そうか、そうだな… 単純に殺すよりも、むしろ…」
明らかに何らかの企みを保持しているのが窺えるカインの目を見たセレンは、心底ぞっとした。
間違いなく狂気に呑まれているその双眸には、ある種の欲望がしっかりと垣間見えていたのだ。
…不意にカインは、立てないままのセレンの側に静かに近付き、膝を折った。
困惑ぎみに自分を見上げるセレンの顎を、自らの左手で上向かせる。
「ふん…、さすがにあのヴィルザーク侯爵の血を強く引いているだけのことはあるね… 綺麗な顔をしている」
カインは満足そうに手を離すと、いまだ憎しみに燃える目を自分に向けるセレンの視線を、自らのそれで絡み取った。
「…、気が変わった。セレン、貴女は生かしておいてあげるよ…
この俺の伴侶としてね」
「!…え…っ!?」
そう言ったきり、セレンは言葉を失った。
その一瞬をついて、カインはセレンを強く抱き竦める。
「…貴女はその一生を、俺の側で生きるんだ…
両親たちの仇である俺と共にね…」
瞬間、セレンの背に、氷が滑り落ちるような悪感が走った。
「…あ…、貴方となんて、冗談じゃ…!」
セレンが、激しい嫌悪感から彼を拒もうとした途端、その右頬に、彼が手をあげた。
ばしっ! と乾いた音がして、セレンの頬が赤く染まった。
何をされたかの判断が付きかねていたセレンは、一時はその動きを止めたものの、痛みを確かめるように頬を押さえると、茫然と彼を眺める。
その視線に酔うように、彼…カインは、狂喜に満ちた目を細め、次にはセレンを強く睨み据えた。
「…まだ逆らう気力があるのかい?
困った娘だね…
こっちもついつい本気になるじゃないか」
言葉ほどは困っていない様子を、不敵な笑みという形で露にしながら、カインは不意に、セレンをその場に押し倒した。
「あっ!」
セレンが短い悲鳴をあげるが、カインはもはや、そんなことにはお構いなしだ。
「…少しは静かにして貰いたいものだね。貴女が大人しくしていれば、こんなことはすぐに済むよ…!」
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