93 / 96
最後の夜
しおりを挟む
戴冠式前日。
心は空っぽだが、顔に笑顔を貼り付けて帝都内の救護院を慰問する。
此処は一度訪れている所だから、最初の時とは違い皆さんの表情は穏やかだった。
大怪我を負った人も、今は食事も摂れるようになりリハビリしつつ院内の雑用のお手伝いをしてくれているようだ。
この2週間、帝都を回った先々で皆、始めは皇室に対して懐疑的だった。
中には騙されたと露骨に怒りをみせる人もいた。
それでもジークさんの政策で街の再建が進み活気が少しずつ戻って来ると、険悪な雰囲気も和らいでいった。
今日も一日が終わってしまった。
明日の事を考えると憂鬱になる。
でも、もう諦めて次の事を考えよう。
収監部屋にひとり立ち室内を見回す。
この部屋で半年以上も長く過ごして来た。
色々あった。
最初は、睨みつけて直ぐ怒るジークさんにオドオドしたりムカついたりしていた。
でも、今は離れ難いほど大好きになった。
これから先の人生で、ジークさん以上に好きになれる人に出会えるだろうか?
失恋する時にいつも思う事だ。
前世で嫌と言うほど経験して来た筈のオバサンでも、また同じ事を繰り返している。
幾つになっても、女って変わらないな。
明日の戴冠式は、少し離れた場所からそっとジークさんを見る事が出来たらそれでいい。
ちょっとだけ見たら、ニクスさんにルシュカンの名が聞こえない何処か遠くに飛ばして貰おう。
今夜はきっと、ひとり悶々とする時間が長くなる。
話し相手になって貰おうと、私は始祖竜さんを心の中で呼び出した。
始祖竜さん、今何処にいますか?
お話しましょう。
身体の奥にある竜牙剣に触れようと、眼を閉じ竜の力を心に集めるイメージで全身に闇の魔力を募らせる。
閉じた瞼に虹色の光を感じて眼を開けると、目の前に虹色の竜の顔があった。
『ルナ、久しいな。あれからひと月以上経ったが、声がかからず我を忘れていたかと思ったぞ?』
軽く皮肉を言ってくる始祖竜さんに、ちょっと苦笑する。
「私の名前を覚えていてくれたんですね。始祖竜さんの気になる名前はありましたか?」
『特に無い。其方が好きに呼べば良い』
「では、ドンちゃんにしましょう。竜族の黎明期からいらした始祖竜さんに相応しい、朝焼けと言う意味です」
『あい、分かった』
本来の発音からはちょっと外れているけれど。
私にしてはよく考えたと思う、笑。
ドンちゃんは不平を言う事なく同意してくれた。
「ドンちゃんはこの1ヶ月の間、何処に居たのですか?」
『普段は時空を違えた時闇の中におる』
「時闇?」
『精神や魂だけが渡る事が叶う空間だ』
「そこでドンちゃんは何をしているんですか?」
『眠りについておる。だが、一度呼ばれたならば目覚め、呼び主の元へ飛ぶ事が出来る』
「でも、その空間に居たりせず、何処かにずっと留まっている事もあるのでしょう?」
皇太子が持っていた、あの竜牙剣の中とか?
『気が向いた時だけだ。この世界に精神体で長く留まる事は魔力を削る故、難しい。この世界の魔力を持つものであれば、仮初に宿る事が出来る』
「私にも入れると言う事?」
『不可能では無いがルナに負担がかかる』
「どうして?」
『竜の力は其方の魔力を圧倒する。故に其方の魔力を喰い尽くしてしまうやも知れぬ』
「そうなると死んでしまうと言う事ですか?」
『最悪の事態を招く事もある』
それは止めておこう。
聞いておいて良かった、汗。
「ドンちゃんはこれからやりたい事とかありますか?」
『やりたい事?』
「例えば、何処かに行きたいとか、何かに宿ってみたいとか?私、明日には帝国を出て遠くの国に行く予定なので、ドンちゃんのお勧めの国とかあれば、そこに行ってみたいです」
『何故、この国を出るのだ?』
うっ。
ドンちゃんも聞いてくるのか、汗。
「えっと、色々、諸事情がありまして・・・」
『黒竜の化身は納得しておるのか?』
「ジークさんです。覚えて下さい。彼の納得は、今は不要です。・・・そのうち納得してくれます」
何となく眉と共に頭が垂れてくる。
また明日の事を考えると胃の辺りが重くなってきた。
『ルナ、其方であれば、我が居る時闇の空間にも渡る事が出来る。我と共に来るか?』
「時闇に?そこへ行ってこの世界に戻ってこ、」
「俺の妻を拐かす気か?」
ハッとして振り返ると、ジークさんが険しい顔でドンちゃんを睨んでいた。
いつからそこに居たのだろう?
明日、帝国を出る事を聞かれた・・・汗?
いつもなら、ジークさんが現れる前に左眼が疼くのに、今は何も起こらなかった。
どうしてだろう?
眉間の皺を深くしてこちらに歩いて来ると、ジークさんは私の腰を強く抱き寄せてドンちゃんに低い声で言い放った。
『俺からルナを取り上げようとするものは、例え始祖竜であっても容赦はせん。失せろ』
「ジークさん、待って!」
まだドンちゃんに聞きたい事があるのに。
竜の声が重なった唸り声のような凄みを利かせ、ジークさんがドンちゃんを威嚇した。
『やれやれ、我に嫉妬を向けるとは余裕の無い事だ。ルナ、また我を呼ぶが良い。事の顛末を聞かせてくれ。楽しみにしておるぞ』
ドンちゃんは、何処か可笑しそうな声音でそう言うと、虹色の泡となって消えていった。
暗くなった部屋で、ジークさんに背後から腰を抱かれた状態の私は身動き出来ずにいた。
「ルナ、何が嫌なのか教えてくれ」
頭のてっぺんに溜息混じりの囁き声でジークさんが告げてくる。
うう。
どうしよう。
言いたいけれど、やっぱり言えない。
でも、言わないと離して貰えない気がする・・・涙。
「ルナ」
「あ、あの、明日!明日になったら、式が終わったら、ちゃんと言います!だから、」
もう、離して欲しい・・・涙。
勢い良く向き直り、眉間に皺が寄っているであろうジークさんの顔を見上げた。
けれども、そこには目尻を下げて心配そうに私を見つめる綺麗な金眼があった。
ダメだ。
ずっと見つめていられない・・・。
魅せられる前に、見透かされる前に、急いで視線を下げた。
ジークさんは柔らかく両腕で私を閉じ込めると、私の頭に頬擦りした。
「・・・分かった」
明日になったら、こうして触れる事も叶わない。
これが最後だ。
そう思って、私はジークさんを、想いの丈を込めて抱きしめた。
「ジークさん、大好き。今まで本当にありがとうございました」
聞こえないように、彼の胸に向かって囁く。
最後に一度、強く抱きしめると、頭を下げたままジークさんの胸に両手を当てて身体を離した。
顔を見ると泣いてしまいそう・・・。
「さあ、明日は朝から準備で忙しくなりますよ?早く休んで下さい」
俯いたままジークさんに告げると、大きな手が頭に降って来た。
優しく撫でてくれるこの仕草も大好きだ。
眼を閉じてジークさんの手の温かさを記憶する。
「ああ、そうだな」
「おやすみなさい、ジークさん」
少し後退って早口で告げると、ジークさんの手が私から離れた。
「おやすみ、ルナ」
視線を下げたままでいると、ジークさんの気配が消えた。
急いで顔を上げたが、もうそこには、ただの暗闇があるだけだった。
大好きな人が行ってしまった。
最後にどんな顔をしていたのだろう?
もう、二度と触れる事が叶わない。
この恐ろしい喪失感は何なのだろう。
息が苦しい。
身体を支えていられない。
気付けば両眼から止めど無く涙が溢れ、床に座り込んでいた。
このまま何処かに消えてしまいたい。
ドンちゃんの言っていた時闇の空間で眠りにつけば、この焦燥を味わう事無く過ごせるの?
立ち上がる事も出来ず、私はそのまま床に丸くなって泣き続けた。
心は空っぽだが、顔に笑顔を貼り付けて帝都内の救護院を慰問する。
此処は一度訪れている所だから、最初の時とは違い皆さんの表情は穏やかだった。
大怪我を負った人も、今は食事も摂れるようになりリハビリしつつ院内の雑用のお手伝いをしてくれているようだ。
この2週間、帝都を回った先々で皆、始めは皇室に対して懐疑的だった。
中には騙されたと露骨に怒りをみせる人もいた。
それでもジークさんの政策で街の再建が進み活気が少しずつ戻って来ると、険悪な雰囲気も和らいでいった。
今日も一日が終わってしまった。
明日の事を考えると憂鬱になる。
でも、もう諦めて次の事を考えよう。
収監部屋にひとり立ち室内を見回す。
この部屋で半年以上も長く過ごして来た。
色々あった。
最初は、睨みつけて直ぐ怒るジークさんにオドオドしたりムカついたりしていた。
でも、今は離れ難いほど大好きになった。
これから先の人生で、ジークさん以上に好きになれる人に出会えるだろうか?
失恋する時にいつも思う事だ。
前世で嫌と言うほど経験して来た筈のオバサンでも、また同じ事を繰り返している。
幾つになっても、女って変わらないな。
明日の戴冠式は、少し離れた場所からそっとジークさんを見る事が出来たらそれでいい。
ちょっとだけ見たら、ニクスさんにルシュカンの名が聞こえない何処か遠くに飛ばして貰おう。
今夜はきっと、ひとり悶々とする時間が長くなる。
話し相手になって貰おうと、私は始祖竜さんを心の中で呼び出した。
始祖竜さん、今何処にいますか?
お話しましょう。
身体の奥にある竜牙剣に触れようと、眼を閉じ竜の力を心に集めるイメージで全身に闇の魔力を募らせる。
閉じた瞼に虹色の光を感じて眼を開けると、目の前に虹色の竜の顔があった。
『ルナ、久しいな。あれからひと月以上経ったが、声がかからず我を忘れていたかと思ったぞ?』
軽く皮肉を言ってくる始祖竜さんに、ちょっと苦笑する。
「私の名前を覚えていてくれたんですね。始祖竜さんの気になる名前はありましたか?」
『特に無い。其方が好きに呼べば良い』
「では、ドンちゃんにしましょう。竜族の黎明期からいらした始祖竜さんに相応しい、朝焼けと言う意味です」
『あい、分かった』
本来の発音からはちょっと外れているけれど。
私にしてはよく考えたと思う、笑。
ドンちゃんは不平を言う事なく同意してくれた。
「ドンちゃんはこの1ヶ月の間、何処に居たのですか?」
『普段は時空を違えた時闇の中におる』
「時闇?」
『精神や魂だけが渡る事が叶う空間だ』
「そこでドンちゃんは何をしているんですか?」
『眠りについておる。だが、一度呼ばれたならば目覚め、呼び主の元へ飛ぶ事が出来る』
「でも、その空間に居たりせず、何処かにずっと留まっている事もあるのでしょう?」
皇太子が持っていた、あの竜牙剣の中とか?
『気が向いた時だけだ。この世界に精神体で長く留まる事は魔力を削る故、難しい。この世界の魔力を持つものであれば、仮初に宿る事が出来る』
「私にも入れると言う事?」
『不可能では無いがルナに負担がかかる』
「どうして?」
『竜の力は其方の魔力を圧倒する。故に其方の魔力を喰い尽くしてしまうやも知れぬ』
「そうなると死んでしまうと言う事ですか?」
『最悪の事態を招く事もある』
それは止めておこう。
聞いておいて良かった、汗。
「ドンちゃんはこれからやりたい事とかありますか?」
『やりたい事?』
「例えば、何処かに行きたいとか、何かに宿ってみたいとか?私、明日には帝国を出て遠くの国に行く予定なので、ドンちゃんのお勧めの国とかあれば、そこに行ってみたいです」
『何故、この国を出るのだ?』
うっ。
ドンちゃんも聞いてくるのか、汗。
「えっと、色々、諸事情がありまして・・・」
『黒竜の化身は納得しておるのか?』
「ジークさんです。覚えて下さい。彼の納得は、今は不要です。・・・そのうち納得してくれます」
何となく眉と共に頭が垂れてくる。
また明日の事を考えると胃の辺りが重くなってきた。
『ルナ、其方であれば、我が居る時闇の空間にも渡る事が出来る。我と共に来るか?』
「時闇に?そこへ行ってこの世界に戻ってこ、」
「俺の妻を拐かす気か?」
ハッとして振り返ると、ジークさんが険しい顔でドンちゃんを睨んでいた。
いつからそこに居たのだろう?
明日、帝国を出る事を聞かれた・・・汗?
いつもなら、ジークさんが現れる前に左眼が疼くのに、今は何も起こらなかった。
どうしてだろう?
眉間の皺を深くしてこちらに歩いて来ると、ジークさんは私の腰を強く抱き寄せてドンちゃんに低い声で言い放った。
『俺からルナを取り上げようとするものは、例え始祖竜であっても容赦はせん。失せろ』
「ジークさん、待って!」
まだドンちゃんに聞きたい事があるのに。
竜の声が重なった唸り声のような凄みを利かせ、ジークさんがドンちゃんを威嚇した。
『やれやれ、我に嫉妬を向けるとは余裕の無い事だ。ルナ、また我を呼ぶが良い。事の顛末を聞かせてくれ。楽しみにしておるぞ』
ドンちゃんは、何処か可笑しそうな声音でそう言うと、虹色の泡となって消えていった。
暗くなった部屋で、ジークさんに背後から腰を抱かれた状態の私は身動き出来ずにいた。
「ルナ、何が嫌なのか教えてくれ」
頭のてっぺんに溜息混じりの囁き声でジークさんが告げてくる。
うう。
どうしよう。
言いたいけれど、やっぱり言えない。
でも、言わないと離して貰えない気がする・・・涙。
「ルナ」
「あ、あの、明日!明日になったら、式が終わったら、ちゃんと言います!だから、」
もう、離して欲しい・・・涙。
勢い良く向き直り、眉間に皺が寄っているであろうジークさんの顔を見上げた。
けれども、そこには目尻を下げて心配そうに私を見つめる綺麗な金眼があった。
ダメだ。
ずっと見つめていられない・・・。
魅せられる前に、見透かされる前に、急いで視線を下げた。
ジークさんは柔らかく両腕で私を閉じ込めると、私の頭に頬擦りした。
「・・・分かった」
明日になったら、こうして触れる事も叶わない。
これが最後だ。
そう思って、私はジークさんを、想いの丈を込めて抱きしめた。
「ジークさん、大好き。今まで本当にありがとうございました」
聞こえないように、彼の胸に向かって囁く。
最後に一度、強く抱きしめると、頭を下げたままジークさんの胸に両手を当てて身体を離した。
顔を見ると泣いてしまいそう・・・。
「さあ、明日は朝から準備で忙しくなりますよ?早く休んで下さい」
俯いたままジークさんに告げると、大きな手が頭に降って来た。
優しく撫でてくれるこの仕草も大好きだ。
眼を閉じてジークさんの手の温かさを記憶する。
「ああ、そうだな」
「おやすみなさい、ジークさん」
少し後退って早口で告げると、ジークさんの手が私から離れた。
「おやすみ、ルナ」
視線を下げたままでいると、ジークさんの気配が消えた。
急いで顔を上げたが、もうそこには、ただの暗闇があるだけだった。
大好きな人が行ってしまった。
最後にどんな顔をしていたのだろう?
もう、二度と触れる事が叶わない。
この恐ろしい喪失感は何なのだろう。
息が苦しい。
身体を支えていられない。
気付けば両眼から止めど無く涙が溢れ、床に座り込んでいた。
このまま何処かに消えてしまいたい。
ドンちゃんの言っていた時闇の空間で眠りにつけば、この焦燥を味わう事無く過ごせるの?
立ち上がる事も出来ず、私はそのまま床に丸くなって泣き続けた。
0
お気に入りに追加
71
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢が死んだ後
ぐう
恋愛
王立学園で殺人事件が起きた。
被害者は公爵令嬢 加害者は男爵令嬢
男爵令嬢は王立学園で多くの高位貴族令息を侍らせていたと言う。
公爵令嬢は婚約者の第二王子に常に邪険にされていた。
殺害理由はなんなのか?
視察に訪れていた第一王子の目の前で事件は起きた。第一王子が事件を調査する目的は?
*一話に流血・残虐な表現が有ります。話はわかる様になっていますのでお嫌いな方は二話からお読み下さい。
初めから離婚ありきの結婚ですよ
ひとみん
恋愛
シュルファ国の王女でもあった、私ベアトリス・シュルファが、ほぼ脅迫同然でアルンゼン国王に嫁いできたのが、半年前。
嫁いできたは良いが、宰相を筆頭に嫌がらせされるものの、やられっぱなしではないのが、私。
ようやく入手した離縁届を手に、反撃を開始するわよ!
ご都合主義のザル設定ですが、どうぞ寛大なお心でお読み下さいマセ。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります
穂村満月
ファンタジー
おやすみ〜と、就寝しただけなのに、起きたら異世界で別人になっていた。異世界転生したのか、異世界転移したのか、もとの自分はどうなってしまったのか、まったくわからない。
考えてもわからないものは、どうにもならないので、とりあえず何か仕事を見つけて生活しよう!
ダメ人間製造機美女男や、意地悪な世話焼き男、美女に怯える宿屋の息子、その他村人たちの生温い励ましの中で頑張ります。
R15は、設定と世界観がちょっとひどいので付けました。時々シリアス風味ですが、基本はギャグです。多分。
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる