上 下
6 / 17

デラックスな天女さま

しおりを挟む
 とある新月の晩。またぞうはめずらしくソワソワしていた。有名な妖怪ミュージシャンが来ても、アイドルが来ても全く動じないまたぞうが時にはため息をつき、ソワソワしているのである。

 じつは、今日、またぞうが契約している神様との妖怪こうしん日だった。
ねこまたは神さまと契約をしているらしく、こうしんが必要らしい。

 ねこまたのこうしん期間は、くわしく話すと3通りだ。

1、2年契約
2、22年契約
3、222年契約


 またぞうは今年でねこまたになってから222年だ。

 しかし、今日の更新でソワソワしている訳ではないらしく、更新担当の神様とサシで飲むということでソワソワしているらしい。
 というか、本人はソワソワしているのを自覚したくないようで、ソワソワしてないよ!と、わたしは先ほど注意をうけてしまった。やっぱりソワソワしてるじゃんか。……まあいい。

 しかし、本来はねこまたとしてのこうしんの時に、わざわざ神さまとサシでのむなんて事はしなくても良いらしい。なんなら、ここ最近の妖怪のこうしんはオンラインでも出来るので、妖怪契約解除(妖怪をやめる)時以外の場合は、神さまわざわざ会わなくとも良いのだ。
 じゃあなぜ、こんなことになっているのか?とぎもんがでる。
 実は、以前にまたぞうがこちらの神さまの神社に気まぐれでおそなえした、お酒と、ほうれん草のゴマあえと、ぬかづけが、いたく気に入られ、ことあるごとに、その神さまがまたぞうに会いに来るようになったというのだ。
 しかし、またぞうの料理のトリコになる者は妖怪も後を経たないが、まさか神さままでとは、なんとも末おそろしいねこまたである。
 人間としてふつうのかんかくをもっているならば、神さまに会い、会話をする、会話ができる、という時点で、そらぁキンチョウするよなぁなんて思うところ。
 さてそんなまたぞう、お客へふるまうお食事の支度も終わり、ひといきついている。
 すると、外から不思議なしらべが聞こえてきた。

チントンシャン、ペンペン♪
チントンシャン、ぺんぺん♪
プワワァーワーウーワーウー♪
ベヨョョーーン♪

 ようきな音楽にのり、にじいろに光る雲にのって、1人の御仁がおりていらした。

 ベヨョョーーン♪

 びわの音と同時に、外に出たまたぞうがおじぎをしてそのかたを出むかえた。

「ヤッホー!マタゾーちゃん♪元気だったぁー?やーん、相変わらずかわゆーい♪モフモフさせてーん♪」

 神々しいどっしりとした見た目とはうらはらに、かなりテンション高めでしゃべり方がちょっとアレな神さまだ。着くなり、またぞうの顔をこねくり揉みしだいている。

 彼女は『ぎげいてんにょ』
 れっきとした、由緒正しい上級の天女さまだ。若干ハスキーボイスでちょっとオネェぽい。というより、たぶんオネェ。もちろん確認した事はない。
 天上界では『ぎげいてん』、妖怪の間では『デラックスさま』と呼ばれている。
 またぞうは、もみくちゃにされているが、なれてる様子だ。

「はい、おかげさまで元気ですよ。相変わらず登場がハデですねぇ。」
「やっだー♪これでも前にまたぞうちゃんから近所迷惑になるからって叱られて、かなり地味ぃにしてきたんだよー、ショックー♪」

 またぞうのムネに顔を埋めてグリグリモフモフしながら決してショックを感じているように見えない。

「まあ、とりあえず中にどうぞ」

またぞうは、デラックスさまに入店をうながした。なんだか疲れたのだろうか。あのまたぞうがフラっとしている。

「おっじゃまっしまぁーす♪」

 デラックスさまは、ほうまんなワガママボディをゆらしながら、ルンルン♪と軽い足取りで店内に入っていった。
 今回のメニューは、あつかん、ほうれん草のゴマあえ、しいたけのお吸い物、ふわふわの白あえ、かぼちゃの煮付け、大根のたきだし、ちくぜんに(肉はなし)、ぬかづけ、ふきの炊いたもの、おせきはん。
 店内には美味しそうな香りが漂っている。

「やーん超感激!!またマタゾーちゃんのごはんがたべられるなんて嬉しいわぁ♪」
「さ、沢山ありますからね、えんりょなくどうぞ。」

またぞうがおしゃくをしようとすると、デラックスさまが言った。

「何してるの、いつも言ってるでしょう。私が押しかけてるんだから、マタゾーちゃんはすわってて♪」

と、指をパチン♪とした。
 すると、どこからか現れたのか、きれいなしなやかな白ヘビの方々が来ておしゃくをしてくれ、おうぎもあおいでくれる。
 この白ヘビさんたちは、神さまのお世話や手伝い、サポートをしている方々なのだ。

「いただきまーす♪」

 2人は楽しく飲み食いを始めた。すると、デラックスさまが言い出した。

「ね、ね、マタゾーちゃん、あたしあれがききたーい♪」
「良いですよ。じゃあ……」

 またぞうは、じぶんのわきに手をつっこんで、どこに入っているのかわからないが、一本のふえを取り出した。

「では……」

 ピィーヒィーリーピーヒィーリー

 うっとりと聞きほれてしまうようなしらべだ。だまって聞いているかと思ったら、デラックスさまもどこからかびわを取り出し、またぞうのえんそうに合わせ始めた。

 べぉん……べぉん…おん…

 新月で月の姿はなく、暗い夜空にたくさんの星がまたたく静かな夜だ。2人のねいろが、空へひびきわたる。
 えんそうが終わるとまたぞうは言った。

「いつもいつも天上界の方々におしゃくやら、共演させていただけるやらで、さすがにぼくも恐しゅくするのですが」
「いいのいいの♪楽しかったわぁ!またウデをあげたわね。」
「ありがとうございます」
「さて、マタゾーちゃんの精神統一もすんだ事だし、これからこうしんを始めましょうか♪もちろんこうしんするんでしょ?」
「もちろんです。」
「今回は何年契約にするの?」
「じゃあ、とりあえず今回も222年で。」
「えー、じゃあ次私がここに来るの、222年後じゃなーい、ちょっと長ーい。きゃっか」
「じゃあ…22年で」
「きゃっかー」
「もう、ここならいつでもいらっしゃればいいじゃないですか」
「あらそう?なら、オッケーぼくじょう♪じゃあ222年ね。始めるわよん♪」

 と、デラックスさまはにっこりした。
 もっちりした自分の手と手を合わせると、ブーンとかすかな音がして、ものすごく神々しいまぶしい光を発している。と、そこへ…

「おーい!またぞう!いつものくつしたくれるかぁ?くっさいやつ!」

 と、ごきげんなツルンとしたきたない妖怪が来店してきた。
 
 (げ!タイミング悪!)

と、またぞうが思った瞬間、ピカー!!と光がまたぞうと店全体を包む。しばらくすると、シューンと光が落ち着いた。

「はーい、マタゾーちゃんの更新終了♪って、さっきなんか変なの来たわよね?」
「はい…たぶん悪魔の妖怪かと。SNSで今日は神さまとのこうしんの日だから、お店はやってないよって少し前に発信してたんですが」
「まあ、それはざんねんなこと」
「ねぇ。悪魔妖怪の方々はSNS読まないアナログな方々がまだ多くて…」
「じゃあ、さっきの光をモロに浴びちゃったのね。ま、良い方向に成仏しちゃうから結果オーライとして良かったんじゃない?」
「もう、一応悪霊とかじゃないんですから、彼らだって生きる方向性の選択肢あげてくださいよ。」
「悪霊みたいなもんよ!リームー♪だってあたし神さまだもーん!あっちから来ちゃったのが一つのうんめいよ♪てへっ」
「相変わらずだなぁ」

 いつの間にか、お酒も入っているからか、またぞうも少しタメ口になってしまっている。
 デラックス様は気にする様子はない。むしろ、それが嬉しそうだ。

「どのみちあたしに見つかれば、その場で悪魔のたぐいはみんな成仏しちゃうから、おんなしよ♪」

 そんな会話をしているところに、今度は全身毛むくじゃらな悪魔妖怪が来店してきた。

「うぉーい。ねこまたぁ。使用済みのタバコのすあがらあ…」

 と、言い終わらないうちに

 ビシュン!バシッ!

 後ろを振り向く訳でもなく、にっこりしたデラックスさまのおゆびから、ビームが出て、悪魔系毛むくじゃら妖怪クリーンヒット!あっという間にシュウゥと溶けてしまった。デラックスさまがあきれて言う。

「もー、まだ使用済みのタバコとかきったないくつしたなんて売ってるの?この店ごとそうじするわよ?」
「彼らにも必要なんですよ、たのしみが!あと、こー見えてこのお店はきれいです!毎回、人間のこんせきすらありませんよ。残したら悪魔たちに使われちゃって大変ですから。ちゃんと物品のメンテナンスをしてるから大丈夫です。」
「あ、前にあげた浄化そうちを使ってるんだ♪ってこんな事に使ってたのね。やだなぁもぉ」
「そうですよ。彼ら悪魔妖怪も、一応この地球に無くてはならない存在ですから。ちゃんと少しは楽しみをあたえてあげないと」
「ふーん。やっさしーんだ♪あんたのお兄ちゃんのタケネコと一緒ね♪あっちは少し残念だけど」
「そんけいする兄ちゃんですよ」
「こないだも、アンクニクロネズミにキラキラのパレード見せられて、サイフすられてたわよ。ちょうど見つけたからネズミ共を引っぱたいてサイフを取り返してやったけど」
「いつもありがとうございます。お世話かけます」
「ほんとーよぉ、全く。タケネコは可愛いしあの子むだにイケメンだから、ついついヒイキしちゃうけどさ♪」
 
 タケネコとは、またぞうの兄のねこまただ。イケメンだが、少しドジなのもあり、悪魔妖怪にだまされることもある。ねこの妖怪にしてはかなりののんびりやだ。でも、とても優しい性格でどんなにしいたげられても相手が何であれ、絶対にやり返したりしない。自分をだます悪いネズミですら、昔からおそったり食べたりしないのだ。
 そんな兄をまたぞうは心からそんけいしている。らしい。
 ちなみに、今年でねこまたの年が同じの222歳だとまたぞうは言っているのだが、タケネコの経歴を見る限り、どうも1000年は計算が合わない。
 もしかしたら、実はかなり年上なのかも?とわたしはかってに思っている。

「ま、あの子のことは私たちにまかせておきなさいよ。昔、十二支の運動会に参加出来なかった時も、ネズミにだまされていたのは神たちもよく知ってるし、あのころも今でも、ネズミをおそわないあの子は高くひょうかされてて、どの神もヒイキにしてるんだから」
「ありがとうございます。どうかこれからもぼくたちをよろしくお願いします」
「うむ♪よろしい。さて、エンもたけなわってやつね。そろそろ帰るわぁ」
「さようですか、じゃあお送りします」

 外に出ると、空気は先ほどよりもひんやりとしている。先ほどよりも空気がすんでいるのか、星がふえていた。

「今日も楽しかったわぁ♪やっぱり、私ここでの自分のメンテナンスは必要ね」

 ウンウンと1人でうなづきながら、ボディをゆらし、ごきげんにほろ酔いかげんのデラックスさま。

「よろこんでいただけて良かったです。あ、これおみやげです。お酒はヘビさん達に。それと、こちらはほうれん草のお浸しと、タラの芽の天ぷらと、塩にぎりです。皆さんで帰り道にでも召し上がってください」

 そう言いながら、タライに入ったお酒と、食べ物をつめたワッパを白ヘビさんにわたした。白ヘビは、自分よりも大きな包みとタライを軽々と頭に乗せ、にじいろの雲に乗っていく。

「やーん嬉しい♪やっぱ帰るのやめようかしら♪」
「ぼくも、もうねむいのでお帰りください」
「ん、もう。冷たいわねぇ」
「そんな事ないです、さ、皆さんがお待ちですよ」
「ヘーイ」

 と言ったデラックスさまは、何かを思い出したように振り返って言った。

「あ、そうそう。妖怪の相手もいいけど、そろそろ考えておきなさいね」
「あの件ですか?今はお断りします」
「ふーん、いいわよぉ♪でも、こっちは絶対あきらめないからね」
「……」

 ふてきな笑みを残し、デラックスさまはにじいろの雲に乗られました。

「シーユーアゲーン♪ぅんむぁ♡」

 と、熱い投げキッスをしてチントンシャンと音をならしながら、お空へ帰っていかれました。

 デラックスさまがなげた投げキッスのハートが、またぞうのほっぺにペタッとついた。
雲が見えなくなるとまたぞうは「ふぅ」と一息つき、お店に戻ろうとクルリとした。すると、店の周りには何匹も悪魔妖怪と思われるものが、ドロドロに溶けていた。

「いつの間にこんなにたくさん…」

 またぞうは店に入り、長いホースを持って出てきた。ビショーと水をかけるとドロドロははいすいこうへ消えてく。お店の周りがきれいになると、またぞうはコキコキと首のストレッチをしながらホースを持って店内に戻り、何事も無かったかのようにガラガラとシャッターを閉めた。

 さて、またぞうがソワソワしていた本当の原因はこのやりとりだったのか、最後のドロドロのこれだったのか。はたまた、デラックスさまの意味しんなことばにかくされているのか。
 この真相は、また別のお話。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

(完)なにも死ぬことないでしょう?

青空一夏
恋愛
ジュリエットはイリスィオス・ケビン公爵に一目惚れされて子爵家から嫁いできた美しい娘。イリスィオスは初めこそ優しかったものの、二人の愛人を離れに住まわせるようになった。 悩むジュリエットは悲しみのあまり湖に身を投げて死のうとしたが死にきれず昏睡状態になる。前世を昏睡状態で思い出したジュリエットは自分が日本という国で生きていたことを思い出す。還暦手前まで生きた記憶が不意に蘇ったのだ。 若い頃はいろいろな趣味を持ち、男性からもモテた彼女の名は真理。結婚もし子供も産み、いろいろな経験もしてきた真理は知っている。 『亭主、元気で留守がいい』ということを。 だったらこの状況って超ラッキーだわ♪ イケてるおばさん真理(外見は20代前半のジュリエット)がくりひろげるはちゃめちゃコメディー。 ゆるふわ設定ご都合主義。気分転換にどうぞ。初めはシリアス?ですが、途中からコメディーになります。中世ヨーロッパ風ですが和のテイストも混じり合う異世界。 昭和の懐かしい世界が広がります。懐かしい言葉あり。解説付き。

【完結】返してください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと我慢をしてきた。 私が愛されていない事は感じていた。 だけど、信じたくなかった。 いつかは私を見てくれると思っていた。 妹は私から全てを奪って行った。 なにもかも、、、、信じていたあの人まで、、、 母から信じられない事実を告げられ、遂に私は家から追い出された。 もういい。 もう諦めた。 貴方達は私の家族じゃない。 私が相応しくないとしても、大事な物を取り返したい。 だから、、、、 私に全てを、、、 返してください。

寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。 父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。 恋に浮かれて、剣を捨た。 コールと結婚をして初夜を迎えた。 リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。 ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。 結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。 混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。 もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと…… お読みいただき、ありがとうございます。 エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。 それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

【完結】忘れてください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。 貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。 夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。 貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。 もういいの。 私は貴方を解放する覚悟を決めた。 貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。 私の事は忘れてください。 ※6月26日初回完結  7月12日2回目完結しました。 お読みいただきありがとうございます。

とある元令嬢の選択

こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

【完結】捨ててください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。 でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。 分かっている。 貴方は私の事を愛していない。 私は貴方の側にいるだけで良かったのに。 貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。 もういいの。 ありがとう貴方。 もう私の事は、、、 捨ててください。 続編投稿しました。 初回完結6月25日 第2回目完結7月18日

処理中です...