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日は昇る
陸
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秀吉が妻の脇腹に口づけながら、しっとりとした下草をまさぐる。
おねが「イヤイヤ」というように、腰をくねらせたが、秀吉は、妻の気が昂ってきたのがよく分かっていた。
(おね、おみゃーがおらにゃー、儂は生きて行けぬ。したが、茶々も竜子も欲しいのじゃ。そして、赤子も…。儂は強欲じゃ。すまぬ。)
秀吉は、心の中で謝る。
(わかっちょーよ、おみゃーさま。)
おねが、脚の力をわずかに緩めた。
秀吉の長い舌が、おねの小さな実をとらえる。
「くっぅ…」
体をよじり、おねが息を呑んだ。
モコモコとうごめいていた夜具の動きが止まり、その代わりに、おねの上半身を隠している部分が波打つように動き始める。
「はぁっ……ん…んぅぅっ……くぅん……」
おねの泉は、昔のように溢れ出はしないが、それでも十分に水を湛えていた。
ゆっくりとおねの冷たかった脚が温まっていく。
「はぅ…そのようにねぶっては…んんん…あぁ…」
いつもより丁寧な愛撫に、おねは秀吉の後ろめたさを感じる。
茶々はきっと、美しく乱れるのであろう…そう思うと、おねは秀吉に抱かれるのが辛くなった。
しかし、軆は女としての喜びに火照っている。
「あぁ…もう、もう…やめてちょーでぇ…おみゃーさま…」
脚を閉じようとするおねに、秀吉がまた夜具から顔を出した。
「なんとした?」
「もう、十分でありゃーす。」
「まだ、感じ尽くしてにゃーがや?」
「もう、えーのです。」
「よーはない。……茶々のことか…?」
秀吉は瞬時におねの心を読み取る。
「そのような…」
「ならば、乱れればええでにゃーか。」
「恥ずかしいがなも。ええ年からげて。」
「おね~。」
「もうええではにゃーですか。」
「い・やじゃ。そなたが乱れるまでやめぬ。やっとぬくとうなっておるのに。」
おねの軆の温かさに、おねの女の火を秀吉は見てとっていた。
秀吉の手が泉を探り当て、小さな岩を揺り動かした。
「んぅ…」
おねが息をつめ、大きな吐息をつきながらも、グッと脚を固く閉じた。
「おね…。……。…そうじゃ。おみゃーの思う通り、茶々は見事に乱れる。まだ小娘と思うておったがの。十分に女子であった。」
秀吉は唐突に茶々の話を始めた。
「美しかった…」
黙って聞いているおねの胸が、キリキリと痛む。
すかさず秀吉は、妻を抱き締めた。
「おね、ものわかりのよい女子でのうてええ。悪いのは儂じゃ。もっと儂を罵れ。」
「おみゃーさま。」
「閨の中まで北政所でのうてええ。おみゃーは、儂のかわいいかわいい嫁女だがや。」
おねが頬を膨らませ、秀吉の胸を、握りこぶしでこづいた。
「藤吉郎どのの阿呆。」
「そうじゃ。」
「阿呆。」
「すまぬ。」
「阿呆~。」
秀吉の胸をどんどんと叩いたおねは、その胸でオンオンと泣いた。おねが自分の心をさらけ出せるのもまた、秀吉のもとであった。
おねの泣き声が少し落ち着いた頃、秀吉は、妻に口づけを落とす。
その薄い唇は、愛しい妻の首を這い、柔らかな二つの膨らみを丹念に這った。
おねの泣き声は、いつのまにか短い息に変わっている。
「あぁ…おみゃーさま…」
満足そうな声を聞いた秀吉は、即座におねの泉へと手を伸ばした。ポチリとした膨らみをグイと指で潰す。
「あぅっ…」
崩れるほどに柔らかな胸の膨らみをゆったりとやさしく味わいながら、秀吉は小さな実を力を込めてなぶる。
甘い息を繰り返していたおねの軆に電流が走った。ビクビクと軆が揺れる。
「あっ、あっ、やめて…やめてちょーでぇ!」
妻の言葉に、秀吉は唇を這わせるのをやめ、さらに力を込めて、実を揺らした。
「あーーっ! うぅぅっ…あぅ…あぅっ…」
秀吉は指を細かく動かしながら、満足そうに、おねの顔を見つめている。
「くぅっ、あぁ、あぁ、おみゃーさま、おみゃーさま…おみゃーさまっ!」
秀吉をつかんでいたおねの軆が大きくビクンと揺れ、強張った。
荒く甘い息を繰り返すおねの額に、秀吉は口づけた。
「そなたはまだまだ女じゃ。儂のなによりの、何よりの女だがや。」
それだけでおねは、秀吉が何を伝えたいかが分かった。
「おみゃーさまは、おねの旦那様。」
「そうじゃ。」
秀吉の頬に当てた愛しげな手は、ほんわりと温かかった。秀吉がその手に自分の手を絡ませる。
「手に負えぬ旦那様。」
おねがフフッと笑った。
「なんじゃと?」
目を剥いた秀吉に、おねは身を寄せる。
「愛しい愛しい旦那様。」
「おね。」
「お陰さまでぬくとうなりました。」
「あぁ。」
「おやすみなされませ。」
「明日もよろしく頼む。」
「はい。」
おねはあたたかな夜具の中でゆっくりと目を閉じた。
「おまえさま…」
「…ん?」
「ぬくうございます…」
「…うむ…」
秀吉は、妻にそっと身を寄せ、抱き締めた。
おねの穏やかな一言に、一人寝の寂しさが伝わる。「どこへも行かないでくれ」という言葉口に残したのであろう妻の優しさと心細さに、秀吉は心を震わせる。
「有り難き女子じゃ。」
目を潤ませた秀吉の腕の中からは、妻の柔らかな寝息が聞こえてくる。
おねに口づけ、その体を守るようにぴったりと体を寄せて、秀吉は眠りについた。
おねが「イヤイヤ」というように、腰をくねらせたが、秀吉は、妻の気が昂ってきたのがよく分かっていた。
(おね、おみゃーがおらにゃー、儂は生きて行けぬ。したが、茶々も竜子も欲しいのじゃ。そして、赤子も…。儂は強欲じゃ。すまぬ。)
秀吉は、心の中で謝る。
(わかっちょーよ、おみゃーさま。)
おねが、脚の力をわずかに緩めた。
秀吉の長い舌が、おねの小さな実をとらえる。
「くっぅ…」
体をよじり、おねが息を呑んだ。
モコモコとうごめいていた夜具の動きが止まり、その代わりに、おねの上半身を隠している部分が波打つように動き始める。
「はぁっ……ん…んぅぅっ……くぅん……」
おねの泉は、昔のように溢れ出はしないが、それでも十分に水を湛えていた。
ゆっくりとおねの冷たかった脚が温まっていく。
「はぅ…そのようにねぶっては…んんん…あぁ…」
いつもより丁寧な愛撫に、おねは秀吉の後ろめたさを感じる。
茶々はきっと、美しく乱れるのであろう…そう思うと、おねは秀吉に抱かれるのが辛くなった。
しかし、軆は女としての喜びに火照っている。
「あぁ…もう、もう…やめてちょーでぇ…おみゃーさま…」
脚を閉じようとするおねに、秀吉がまた夜具から顔を出した。
「なんとした?」
「もう、十分でありゃーす。」
「まだ、感じ尽くしてにゃーがや?」
「もう、えーのです。」
「よーはない。……茶々のことか…?」
秀吉は瞬時におねの心を読み取る。
「そのような…」
「ならば、乱れればええでにゃーか。」
「恥ずかしいがなも。ええ年からげて。」
「おね~。」
「もうええではにゃーですか。」
「い・やじゃ。そなたが乱れるまでやめぬ。やっとぬくとうなっておるのに。」
おねの軆の温かさに、おねの女の火を秀吉は見てとっていた。
秀吉の手が泉を探り当て、小さな岩を揺り動かした。
「んぅ…」
おねが息をつめ、大きな吐息をつきながらも、グッと脚を固く閉じた。
「おね…。……。…そうじゃ。おみゃーの思う通り、茶々は見事に乱れる。まだ小娘と思うておったがの。十分に女子であった。」
秀吉は唐突に茶々の話を始めた。
「美しかった…」
黙って聞いているおねの胸が、キリキリと痛む。
すかさず秀吉は、妻を抱き締めた。
「おね、ものわかりのよい女子でのうてええ。悪いのは儂じゃ。もっと儂を罵れ。」
「おみゃーさま。」
「閨の中まで北政所でのうてええ。おみゃーは、儂のかわいいかわいい嫁女だがや。」
おねが頬を膨らませ、秀吉の胸を、握りこぶしでこづいた。
「藤吉郎どのの阿呆。」
「そうじゃ。」
「阿呆。」
「すまぬ。」
「阿呆~。」
秀吉の胸をどんどんと叩いたおねは、その胸でオンオンと泣いた。おねが自分の心をさらけ出せるのもまた、秀吉のもとであった。
おねの泣き声が少し落ち着いた頃、秀吉は、妻に口づけを落とす。
その薄い唇は、愛しい妻の首を這い、柔らかな二つの膨らみを丹念に這った。
おねの泣き声は、いつのまにか短い息に変わっている。
「あぁ…おみゃーさま…」
満足そうな声を聞いた秀吉は、即座におねの泉へと手を伸ばした。ポチリとした膨らみをグイと指で潰す。
「あぅっ…」
崩れるほどに柔らかな胸の膨らみをゆったりとやさしく味わいながら、秀吉は小さな実を力を込めてなぶる。
甘い息を繰り返していたおねの軆に電流が走った。ビクビクと軆が揺れる。
「あっ、あっ、やめて…やめてちょーでぇ!」
妻の言葉に、秀吉は唇を這わせるのをやめ、さらに力を込めて、実を揺らした。
「あーーっ! うぅぅっ…あぅ…あぅっ…」
秀吉は指を細かく動かしながら、満足そうに、おねの顔を見つめている。
「くぅっ、あぁ、あぁ、おみゃーさま、おみゃーさま…おみゃーさまっ!」
秀吉をつかんでいたおねの軆が大きくビクンと揺れ、強張った。
荒く甘い息を繰り返すおねの額に、秀吉は口づけた。
「そなたはまだまだ女じゃ。儂のなによりの、何よりの女だがや。」
それだけでおねは、秀吉が何を伝えたいかが分かった。
「おみゃーさまは、おねの旦那様。」
「そうじゃ。」
秀吉の頬に当てた愛しげな手は、ほんわりと温かかった。秀吉がその手に自分の手を絡ませる。
「手に負えぬ旦那様。」
おねがフフッと笑った。
「なんじゃと?」
目を剥いた秀吉に、おねは身を寄せる。
「愛しい愛しい旦那様。」
「おね。」
「お陰さまでぬくとうなりました。」
「あぁ。」
「おやすみなされませ。」
「明日もよろしく頼む。」
「はい。」
おねはあたたかな夜具の中でゆっくりと目を閉じた。
「おまえさま…」
「…ん?」
「ぬくうございます…」
「…うむ…」
秀吉は、妻にそっと身を寄せ、抱き締めた。
おねの穏やかな一言に、一人寝の寂しさが伝わる。「どこへも行かないでくれ」という言葉口に残したのであろう妻の優しさと心細さに、秀吉は心を震わせる。
「有り難き女子じゃ。」
目を潤ませた秀吉の腕の中からは、妻の柔らかな寝息が聞こえてくる。
おねに口づけ、その体を守るようにぴったりと体を寄せて、秀吉は眠りについた。
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