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わたくしの勝ちですわ1

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「やったー!! やったわ!!」

 わたくしの雄叫びと同時に、静かだった周りが一気にざわつきました。

「くっそー、駄目だったか~」
「見誤ったか…」
「まさかと思っていたのに…」

 と、4/5の人々が地団駄を踏み、

「きゃぁー!!」
「ロランダさまぁ!!」
 と、1/5(主に私の親衛隊)の歓声が上がります。

 ポカンとしているのは壇上のクプスリスト殿下とクラウディア嬢。

「お父様、ご覧になって? 私は婚約破棄されました。お約束通り、ヤアの地はいただきますわ!」

「ローラ…」

 お父様がクプスリスト殿下を一瞬睨んだあと、目をウロウロさせて私の名を呼びます。

「お・や・く・そ・くですわ。ね?」

 お父様の腕を取り、コテンと首をかしげてみせる。

「あっ、あぁ…。解った」

「願いをお聞き届けいただき、ありがとうございます」

 私は父に向かって優雅にカーテシーをした。

「皆さまも、見守ってくださって、ありがとうございました」

 感謝を込めて四方へもカーテシーをする。
 最後の礼を終えたとき、

「ちょっと待て!!」

 と、クプスリスト殿下の声がした。

 ん? なに?

 と見れば、顔を真っ赤にして、パクパクと口を動かしていますわ。さっきからそんな風になっていたのかしら?
 隣のクラウディア嬢は、逆に真っ青。殿下の礼服をギュッと掴んでいるけど、型崩れしなければいいわねぇ。
 皇家の第一礼装は高いのよ。
 男爵家の方はご存知ないかもしれませんが。

 クプスリスト殿下が誰に「待て」と言ったのか分かりませんから、とりあえず頭を下げて待ちます。
 目下の者から声はかけられませんもの。

 待つ…
 待つ…
 待つ…

 早くして!

「ロランダ様、こわーい」

 ん? クラウディア嬢は殺気を読めるのかしら? この状態で声を出すのは、貴族としてははしたないけど、人間としては正解かも。
 クプスリスト殿下が我に返ったみたいだしね。
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