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第五部(最終)
最終章 照葉、艶やかに息吹く 其の四
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◆◇◆
利勝が懐剣を届けている頃、秀忠は西の丸の庭をうろついていた。
柔らかな新芽の伸びた茶の木の前で立ち止まる。
秀忠は、大御所と秀頼が対面する日、この苗木を竹千代と植えた。
「ち…父上、椿にございまするか?」
緊張したように苗木を支えている竹千代が恐る恐る、父に尋ねた。
「いや。これは茶じゃ。」
「茶? あっ、あのお茶に、ございまするか?」
「そうじゃ。大姥は茶が入れるのがうまかったゆえの。」
苗木の回りの土を将軍自ら整える。弥生の風は暖かく、一緒に穴を掘った父子は汗をかいていた。
秀忠は懐から手拭いを出すと自分の汗を拭き、息子の汗を拭いてやる。竹千代が突然のことに目をパチパチさせた。
秀忠が父親らしく、頷いて微笑む。
「竹千代、そなたが見誤ったとおり、椿と茶はよう似ておる。茶もな、小さな椿のような白い花をつける。かわいいぞ。」
しゃがみこんで、父親は竹千代と同じ目線で茶の苗を見た。
「椿の実からも、茶の実からも油がとれる。 しかしの、椿は茶になれぬし、茶も椿にはなれぬ。いや、なる必要はないのじゃ。」
秀忠が、一旦言葉を切り、息子を見る。
「茶の葉は茶になる。椿の葉は、何になるか存じておるか?」
「……いえ。」
竹千代が不明を恥じてうつむいた。
(また叱られるやもしれぬ)。
秀忠が微笑み、しょげた息子の頭をぐりぐりと撫でる。
「母上によう似合う、美しい紫色を染め出すのに欠かせぬのじゃ。」
「そ、そうなのですか?」
「そうじゃ。」
珍しく己の顔をまっすぐ見た息子に、秀忠もまっすぐに見返した。
「よいか竹千代。木々にとて役割がある。人とて同じじゃ。一人一人の質を見抜き、その役割を与えてやる。それが、そなたの役割、務めとなろう。 心せよ。」
竹千代はどこかで同じような話を聞いたような気がしている。
「まだ難しいか。まぁよい。父の言うたこと、心に留めておけ。」
考え込むような竹千代の様子に、秀忠は笑って息子の肩を叩いた。
「はい…」
「明日、雨が降らなんだら、水をやらねばな。」
立ち上がった秀忠が独り言のように呟く。
「茶の花も食べられまするか?」
苗木を見ている父に、竹千代が声をかけた。
「さぁ。葉の天ぷらはうまいと父上が仰せであったがな。」
苗木の回りを見ながら、秀忠はぶっきらぼうに答える。
「じじ様が?」
「ああ、もう少し大きくなったら食べるか。」
竹千代の嬉しそうな声に、秀忠はほのかに苦笑した。
「あっ、大きな木になりますか?」
「いや。大きくはせぬ。茶は、一度植えたら動かせぬのじゃ。じゃゆえ、忠義の木ともいえる。」
秀忠の説明に、竹千代は感心した顔をしていた。
「お婆さまの木ですね。」
「そうじゃ。」
竹千代の笑顔に、秀忠も笑顔を返していた。
(ここで小さく育てよう。竹千代が将軍になる頃には、どれくらいの茶がとれるかの。)
秀忠はそう思ったことを思い出している。
「根付いたようじゃな。」
光が透ける柔らかな新芽をプチリとちぎり、秀忠は口に入れた。
静のえくぼの浮いた笑顔を思い出す。
利勝が「静が『承りましてございますと伝えてくれ』と」と怪訝な顔で言った。
私の名前にかけた思いも読み取ったか……。
「賢い女子じゃ。」
(妻が江でなければ、惹かれたやもしれぬ……)
幸松にも会うまい。
幸松には会わぬ。
いつか会うことがあるとすれば、江と共にじゃ。徳川の屋台骨を支えられるような武士になっておるときじゃ。将軍と御台所として徳川を託すのじゃ。
必ず江と共に。それが静との約束じゃ。
それが私の務め。
我が子として幸松には会わぬ。
会わぬ…。
秀忠はもう一枚、茶の新芽を摘み取ると、日の光にかざした。柔らかな新芽はきらめくように光を通す。陽の光をまとった葉にそっと唇を寄せ、そのまま口に入れた。
(幸松、幸せになれ。静、…幸せになってくれ。)
静も読み取れなかった秀忠の思いが、もうひとりの息子の名に込められていた。
ふっと息を吐くと、将軍は西の丸の散歩を続けた。
涼しげに色づいた紫陽花が美しい。
(花は季節になると咲くのじゃな……)
何が起ころうが、ただ黙って繰り返し咲き、実をつけ、落とし、また芽を出していく植物に畏敬を感じる。
(女子たちのようじゃ。)
江を、静を、母を、大姥を、そして、淀の方や娘たちを秀忠は思う。
『武士が戦うは、女子のためやも知れませぬな。ならば、天下を動かしているのは、女子ということになりますな。』
利勝の言葉は、存外、的を射ているのやも知れぬ。秀忠は、ふっと笑った。
(江に見せよう。)
秀忠は美しく空色に染まる直前の一枝をパチリと切り、妻への土産とした。
◆◇◆
ほどなく静は床から離れた。
まだお産の疲れがとれぬうちから、なにかと動きたがるので、じっとさせるため、すでに大姥局が武家の心得、乳母の心得などを次々と教え込んでいる。
見性院もときどき加わり、武田の教えなども静に授けた。雅やかな嗜みの段取りなども、老女たちが楽しそうに口にする。
他の部屋子達も幸松の世話を競うようにし、拝領屋敷には、今日も和やかな笑い声が絶えない。
そんなある日、久が静へ手篭一杯の山桃を届けた。
篭の持ち手に、文が結びつけられている。
静が手に取り、そっと開いてみた。
過ぎし日の
まつのうきねの
ぬればみて
しめゆひ惑ふ
つま問ひのみち
(嘉衛門さまの手跡…)
静はドキドキした。忘れもしない、嘉衛門の筆跡である。また、その和歌も恋歌であった。
過ぎ去った昔、あなたを待って、一人泣きながら眠った。求婚しようとあなたの元へ行く印を結んだ松の浮き根が濡れてしまって、印も切れて流され、道に迷ってたどり着けなくなってしまったことよ。
私のことを妻にしたいと思ってくださっていたのか。それができなかったというのか……。
(しかし、いまさら……)
そう思ったとき、静の目が文に釘付けになった。嘉衛門には珍しく、優美な散らし書きをしているその頭文字が静の目に映った。
「過」「ま」「ぬ」「し」「つ」
「すまぬしづ?」
(嘉衛門さま……)
静の心が、じんわりと揺れた。
(よかった。嘉衛門さまを憎まずに。)
そうだ。嘉衛門さまは総領息子として、自分のことより、いつも家をお考えであった。そうであった。
私のことを考えなかったのでも、冷たいのでもない。ただ、それよりもお家を大事にされたのじゃ。
そして、きっと上様も……。嘉衛門さまはそれを伝えようとしているのやも知れぬ。
感慨深げに一度目をつぶった静が、目を開けてささやかにえくぼを浮かべる。
(よかった。嘉衛門さまを恨まずに。)
山桃を一粒取り、口にした。
(甘い…。)
甘酸っぱさが爽やかな香りが体と心に染み渡る。
山桃の下で流した涙も、赤子を失うて流した涙も、爽やかな甘さに浄化される気がした。
(…殿方とは愛らしいものじゃな。)
静がフッと微笑む。赤子がホワァと泣いた。
「よしよし幸松さま。乳をあげましょう。」
手慣れた様子で、静は幸松を抱き上げる。乳を含ませながら、また一粒、山桃を口に運んだ。
ウクウクと乳を飲む子供の頬を静はつつく。
(……父上を恨まずに育ってくだされ……)
一心に乳を飲みながら、指切りでもするように幸松が静の指を握る。
夏のキラキラした光が母子を優しく包んでいた。
(私はなんと果報者じゃ。)
まだ目も見えない赤子が、ただ己を求めている。そのありがたさに静の目が潤んだ。
『静、笑ってろい。女は愛嬌ぞ』
柾吉の声が聞こえる。静はにっこりとえくぼを深めて微笑んだ。
「幸松さま、いずれ山桃を採りに行きましょうな。」
夏の風が青葉を揺らす。静の美しい子守唄が葉擦れに重なった。
満足そうに乳を飲み終え、眠りについた幸松に頬擦りすると、静は山桃の篭を手に取り、立ち上がっていった。
[最終章 照葉、艶やかに息吹く 了]
【照葉輝く~静物語 完】
*****
ご高覧、まことにまことに感謝申し上げまする。
長のお付き合い、いたみいりまする。
本編はこれで終了です。
最後にちょっとしたおまけの物語を入れます。
利勝が懐剣を届けている頃、秀忠は西の丸の庭をうろついていた。
柔らかな新芽の伸びた茶の木の前で立ち止まる。
秀忠は、大御所と秀頼が対面する日、この苗木を竹千代と植えた。
「ち…父上、椿にございまするか?」
緊張したように苗木を支えている竹千代が恐る恐る、父に尋ねた。
「いや。これは茶じゃ。」
「茶? あっ、あのお茶に、ございまするか?」
「そうじゃ。大姥は茶が入れるのがうまかったゆえの。」
苗木の回りの土を将軍自ら整える。弥生の風は暖かく、一緒に穴を掘った父子は汗をかいていた。
秀忠は懐から手拭いを出すと自分の汗を拭き、息子の汗を拭いてやる。竹千代が突然のことに目をパチパチさせた。
秀忠が父親らしく、頷いて微笑む。
「竹千代、そなたが見誤ったとおり、椿と茶はよう似ておる。茶もな、小さな椿のような白い花をつける。かわいいぞ。」
しゃがみこんで、父親は竹千代と同じ目線で茶の苗を見た。
「椿の実からも、茶の実からも油がとれる。 しかしの、椿は茶になれぬし、茶も椿にはなれぬ。いや、なる必要はないのじゃ。」
秀忠が、一旦言葉を切り、息子を見る。
「茶の葉は茶になる。椿の葉は、何になるか存じておるか?」
「……いえ。」
竹千代が不明を恥じてうつむいた。
(また叱られるやもしれぬ)。
秀忠が微笑み、しょげた息子の頭をぐりぐりと撫でる。
「母上によう似合う、美しい紫色を染め出すのに欠かせぬのじゃ。」
「そ、そうなのですか?」
「そうじゃ。」
珍しく己の顔をまっすぐ見た息子に、秀忠もまっすぐに見返した。
「よいか竹千代。木々にとて役割がある。人とて同じじゃ。一人一人の質を見抜き、その役割を与えてやる。それが、そなたの役割、務めとなろう。 心せよ。」
竹千代はどこかで同じような話を聞いたような気がしている。
「まだ難しいか。まぁよい。父の言うたこと、心に留めておけ。」
考え込むような竹千代の様子に、秀忠は笑って息子の肩を叩いた。
「はい…」
「明日、雨が降らなんだら、水をやらねばな。」
立ち上がった秀忠が独り言のように呟く。
「茶の花も食べられまするか?」
苗木を見ている父に、竹千代が声をかけた。
「さぁ。葉の天ぷらはうまいと父上が仰せであったがな。」
苗木の回りを見ながら、秀忠はぶっきらぼうに答える。
「じじ様が?」
「ああ、もう少し大きくなったら食べるか。」
竹千代の嬉しそうな声に、秀忠はほのかに苦笑した。
「あっ、大きな木になりますか?」
「いや。大きくはせぬ。茶は、一度植えたら動かせぬのじゃ。じゃゆえ、忠義の木ともいえる。」
秀忠の説明に、竹千代は感心した顔をしていた。
「お婆さまの木ですね。」
「そうじゃ。」
竹千代の笑顔に、秀忠も笑顔を返していた。
(ここで小さく育てよう。竹千代が将軍になる頃には、どれくらいの茶がとれるかの。)
秀忠はそう思ったことを思い出している。
「根付いたようじゃな。」
光が透ける柔らかな新芽をプチリとちぎり、秀忠は口に入れた。
静のえくぼの浮いた笑顔を思い出す。
利勝が「静が『承りましてございますと伝えてくれ』と」と怪訝な顔で言った。
私の名前にかけた思いも読み取ったか……。
「賢い女子じゃ。」
(妻が江でなければ、惹かれたやもしれぬ……)
幸松にも会うまい。
幸松には会わぬ。
いつか会うことがあるとすれば、江と共にじゃ。徳川の屋台骨を支えられるような武士になっておるときじゃ。将軍と御台所として徳川を託すのじゃ。
必ず江と共に。それが静との約束じゃ。
それが私の務め。
我が子として幸松には会わぬ。
会わぬ…。
秀忠はもう一枚、茶の新芽を摘み取ると、日の光にかざした。柔らかな新芽はきらめくように光を通す。陽の光をまとった葉にそっと唇を寄せ、そのまま口に入れた。
(幸松、幸せになれ。静、…幸せになってくれ。)
静も読み取れなかった秀忠の思いが、もうひとりの息子の名に込められていた。
ふっと息を吐くと、将軍は西の丸の散歩を続けた。
涼しげに色づいた紫陽花が美しい。
(花は季節になると咲くのじゃな……)
何が起ころうが、ただ黙って繰り返し咲き、実をつけ、落とし、また芽を出していく植物に畏敬を感じる。
(女子たちのようじゃ。)
江を、静を、母を、大姥を、そして、淀の方や娘たちを秀忠は思う。
『武士が戦うは、女子のためやも知れませぬな。ならば、天下を動かしているのは、女子ということになりますな。』
利勝の言葉は、存外、的を射ているのやも知れぬ。秀忠は、ふっと笑った。
(江に見せよう。)
秀忠は美しく空色に染まる直前の一枝をパチリと切り、妻への土産とした。
◆◇◆
ほどなく静は床から離れた。
まだお産の疲れがとれぬうちから、なにかと動きたがるので、じっとさせるため、すでに大姥局が武家の心得、乳母の心得などを次々と教え込んでいる。
見性院もときどき加わり、武田の教えなども静に授けた。雅やかな嗜みの段取りなども、老女たちが楽しそうに口にする。
他の部屋子達も幸松の世話を競うようにし、拝領屋敷には、今日も和やかな笑い声が絶えない。
そんなある日、久が静へ手篭一杯の山桃を届けた。
篭の持ち手に、文が結びつけられている。
静が手に取り、そっと開いてみた。
過ぎし日の
まつのうきねの
ぬればみて
しめゆひ惑ふ
つま問ひのみち
(嘉衛門さまの手跡…)
静はドキドキした。忘れもしない、嘉衛門の筆跡である。また、その和歌も恋歌であった。
過ぎ去った昔、あなたを待って、一人泣きながら眠った。求婚しようとあなたの元へ行く印を結んだ松の浮き根が濡れてしまって、印も切れて流され、道に迷ってたどり着けなくなってしまったことよ。
私のことを妻にしたいと思ってくださっていたのか。それができなかったというのか……。
(しかし、いまさら……)
そう思ったとき、静の目が文に釘付けになった。嘉衛門には珍しく、優美な散らし書きをしているその頭文字が静の目に映った。
「過」「ま」「ぬ」「し」「つ」
「すまぬしづ?」
(嘉衛門さま……)
静の心が、じんわりと揺れた。
(よかった。嘉衛門さまを憎まずに。)
そうだ。嘉衛門さまは総領息子として、自分のことより、いつも家をお考えであった。そうであった。
私のことを考えなかったのでも、冷たいのでもない。ただ、それよりもお家を大事にされたのじゃ。
そして、きっと上様も……。嘉衛門さまはそれを伝えようとしているのやも知れぬ。
感慨深げに一度目をつぶった静が、目を開けてささやかにえくぼを浮かべる。
(よかった。嘉衛門さまを恨まずに。)
山桃を一粒取り、口にした。
(甘い…。)
甘酸っぱさが爽やかな香りが体と心に染み渡る。
山桃の下で流した涙も、赤子を失うて流した涙も、爽やかな甘さに浄化される気がした。
(…殿方とは愛らしいものじゃな。)
静がフッと微笑む。赤子がホワァと泣いた。
「よしよし幸松さま。乳をあげましょう。」
手慣れた様子で、静は幸松を抱き上げる。乳を含ませながら、また一粒、山桃を口に運んだ。
ウクウクと乳を飲む子供の頬を静はつつく。
(……父上を恨まずに育ってくだされ……)
一心に乳を飲みながら、指切りでもするように幸松が静の指を握る。
夏のキラキラした光が母子を優しく包んでいた。
(私はなんと果報者じゃ。)
まだ目も見えない赤子が、ただ己を求めている。そのありがたさに静の目が潤んだ。
『静、笑ってろい。女は愛嬌ぞ』
柾吉の声が聞こえる。静はにっこりとえくぼを深めて微笑んだ。
「幸松さま、いずれ山桃を採りに行きましょうな。」
夏の風が青葉を揺らす。静の美しい子守唄が葉擦れに重なった。
満足そうに乳を飲み終え、眠りについた幸松に頬擦りすると、静は山桃の篭を手に取り、立ち上がっていった。
[最終章 照葉、艶やかに息吹く 了]
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ご高覧、まことにまことに感謝申し上げまする。
長のお付き合い、いたみいりまする。
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最後にちょっとしたおまけの物語を入れます。
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