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第一部
第九章 時雨(しぐれ)うちそそぐ 其の一
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大騒ぎの祝いの一日が暮れ、秀忠と江は、寝所でホッとしていた。
虫の音もひと頃の賑やかさはなく、冬の始まりを思わせる冷ややかな空気が、人恋しく感じさせる。
「冷えてきたな」
胡座をかいて本草書を繰っていた秀忠が、ひやりとした隙間風に肩をすくめ、夜具に脚を突っ込む。
「ほんに。」
夏に子どもたちから貰った貝殻を眺めていた江も、顔を上げて夫に同意した。
「疲れたであろう、早う休め。」
「あなたさまこそ、お疲れでございましょう。」
秀忠は江の体を、江は今日の宴の酔いがまだ残っている秀忠を、互いに案じる。
江は手に合った貝殻を小さな巾着に納め、自分の枕元に置く。
今日も一日、何事もなく過ぎた。
竹千代のことは気にかかるが、子どもたち全員が健やかなのはなにより有り難かった。
今日の祝いの席を思い出し、江は微笑む。
(完も母者か……)
松鶴君へのお祝いに江戸のおもちゃを贈ろうと小間物屋を呼んだときも、つい、小さな完姫が歓びそうなものを手に取り、民部卿に『若様ですよ』とたしなめられた。
(あの小さかった完が……。)
「義父上さまは、豊臣をいかがなさるおつもりでしょう。」
竹千代よりも、家康に気がかりな豊臣のことを尋ねられなかったのが、今日の江の不満である。
「さぁな。」
秀忠は相変わらず、本を見ながら上の空の返事である。
しかし江はそんな夫にも慣れていた。そして、実はちゃんと話を聞いているのも知っていた。
「今日はうまくはぐらかされてしまいました。豊臣が公家として生きてくれれば並び立つ道もあるとあなた様は仰せでした。そうなれば、豊臣と戦せずともよいのでありましょう?」
秀忠の方を向き、江は穏やかな世間話のように胸の内を吐露する。夫を追い詰めたくない想いと、豊臣を思う気持ちで、江は揺れていた。
「いや、方法はあると思うておる。ただな、」
本草書に目を落としたまま、秀忠が返事をする。
「ただ?」
「大坂城から出ていただかなければならぬ。」
本をパタリと閉じ、江の目を見つめて、ゆっくりと重々しい声で将軍は宣言した。
江が絶句する。口に手を当て、目を見開いたまま、しばらく動かなかった。
その姿に秀忠は心が痛む。妻の思うように徳川と豊臣を並べ立てるのは、すでにどう考えてもできぬのである。
「公家として生きるというのはそういうことじゃ。武家の頭領が二人いては天下は泰平にならぬ。」
秀忠は江にゆっくりと言いきかせた。民草が幸せな戦のない世、天下泰平のために己は将軍として働いている。子どもたちのためにも……。
夫の真剣な眼差しに、江はその想いを感じ取った。それでもなにかが腑に落ちない。
「しかし、大坂城から出ずとも……」
「公家に武力はいらぬ。よって城もいらぬ。大坂城は天下の城じゃ。出ていただかねば親父が納得すまい。」
江の顔は見なかったが、秀忠は気を奮い立たせるように整然と、ただまっすぐ前だけを見て伝えた。
江はドキドキしている。
確かに秀忠の言うとおりかもしれぬ。
しかし、あの城は太閤殿下が心血を注いで建てた城。姉上の女としての喜びも悲しみもあの城に詰まっている……。
「徳川を臣下と思っている豊臣が……いえ、姉上が……得心なさるでしょうか。」
「そこじゃ。頭が痛いのは。」
秀忠は大きな溜め息をつき、がっくりとうなだれた。
秀忠が負う重さを目の当たりにして、江は眉間に皺を寄せ、辛そうな顔をする。
豊臣に姉上がおらねば、夫はもっと楽に豊臣と向き合っているかもしれない。江は苦しそうに微笑んだ。
「あなたさまを信じておりまする。私が豊臣ゆかりであるばかりに、あなたさまに大きな荷を負わせてしまいます。」
「まことじゃな。」
間髪を入れず、秀忠は妻を見て恨めしそうに言う。と、今度は小さな溜め息で冊子を叩いた。
「申し訳ありませぬ。」
江が恐縮し、身を小さくして顔を下げる。夫が優しく声を上げて笑った。
「はは、戯れ言じゃ。そなたのせいではない。親父じゃ。そなたを嫁にもらったのも、千を嫁にやったのも、天下を望むのも……。いい迷惑じゃ。」
笑いながら言い始めた秀忠は、やはり最後に溜め息をついた。安堵した江の眉も、再び険しくなる。
「私が嫁に来たのは、いい迷惑なのですか?」
「そうは言うておらぬ。」
「そう言うておりまするっ。」
拗ねた様子をしたかと思うと、夫を責めるように早口で言い、気が昂ったのか、江はハラハラと涙を流す。
秀忠は妻がなぜ泣くのか解らず、渋い顔をした。
「そなたは近頃よう泣くのう。体が辛いのではないか?無理をするな。」
「姉上や千のことを案じておるのです。」
夫の思いやりを嬉しいと思いながら、江は袖で涙を抑える。
「子はみな健やかに育っておる。そなたにも達者でいて欲しい。……今日はもう休め。淀の方様たちのことはまた考えるゆえ。」
子どもたちの祝いが無事済んだ喜びからか、秀忠は珍しく、素直に優しい言葉をかけた。
「私にできることがあればお教えくださいますか?」
目をしばたたかせながら、濡れた目で江がお願いをする。
「ああ、教える。」
澄んだ瞳に吸い込まれまいと、秀忠は少しぶっきらぼうに、しかし優しく約束した。
江がやっと花のような笑顔を返した。
「あの……枕添いしてもよろしゅうございますか?」
「よいぞ。」
国松や松姫が時々一緒に眠るようになって、秀忠は少し容易くで己を制するようになっていた。またなにより、あの激しく拒まれた傷は大きかった。ただ、その傷を本当の形で癒やせるのも江しかいない。と秀忠は解っていた。
穏やかな笑みを浮かべて夜具を持ち上げ、江を誘う。はずかしげにソッと入り込んだ江は、嬉しそうに秀忠に寄り添った。
「暖こうございまする。」
「うむ。」
「おやすみなされませ。」
微笑んだ江は、ゆっくり目を閉じた。
秀忠は灯りを吹き消し、割れ物のように江を抱いて、秀忠も目を閉じる。
祝いの宴に疲れたのか、豊臣の話に疲れたのか、二人の寝息が早々と闇夜に溶けた。
◆◇◆
翌日は朝から時雨模様の空であった。そぼ降る雨が残り菊を濡らし、香りを立てる。
北窓はきっちりと目張りで塞がせたはずなのに、どこからか風が入ってくる。利勝がそれを防ぐために、衝立屏風を動かしていた。
「のう利勝、淀の方様はなにゆえ太閤殿下の側室になられたのであろう。仇と呼び、さらには随分年上の……」
今年の米の出来高に目を通しながら、秀忠は利勝に声をかける。
初めての主人からの艶めいた話に、(静のせいか……)と、利勝は首をすくめてニタリと笑った。
「そこが、男と、女の、妙、ではござりませぬか。」
ぶつぶつと区切りながら答えた利勝が、なにを想像したのか、うぷぷぷぷ、と笑う。
「茶化すな。」
秀忠が真顔で、書状から顔を上げた。
(え、そういう話ではないのか?それ以外になにがある?)
怪訝な顔をしながら、真面目に答えようと利勝は秀忠の机の前に座る。
「さぁ……優しかったのでございましょうな。」
真面目な顔を作って答えるが、知らずに、むふっと緩む。
(いかんいかん。)
利勝が顔をキリッと引き締め続けた。
「豊臣の者はみな、女子には優しゅうございまするゆえ。中でも殿下は。最たるものだったのでございましょう。」
真面目な顔で答え始めた利勝だが、言い終わると「むふっ、むふふっ。」と笑った。
「そちに訊いた私が愚かであった。さっさと恩賞用の米の計算をせよ。」
秀忠はゲンナリとし、利勝に書状を突きつけた。
再び静かになった中に、トンビの鳴き声が響く。
(雨が上がったか?)
秀忠が天を仰ぎ、首をぐるりと回した。
昨夜からしばしば、大阪城で対面した淀の方の姿が思い出される。
(淀の方様の気持ちを変えることはできぬのか、己の心を淀の方様に伝える術は……)
秀忠の心が、またぐるぐると迷っていた。
*****
【本草書】 植物図鑑
【得心する】 納得する
虫の音もひと頃の賑やかさはなく、冬の始まりを思わせる冷ややかな空気が、人恋しく感じさせる。
「冷えてきたな」
胡座をかいて本草書を繰っていた秀忠が、ひやりとした隙間風に肩をすくめ、夜具に脚を突っ込む。
「ほんに。」
夏に子どもたちから貰った貝殻を眺めていた江も、顔を上げて夫に同意した。
「疲れたであろう、早う休め。」
「あなたさまこそ、お疲れでございましょう。」
秀忠は江の体を、江は今日の宴の酔いがまだ残っている秀忠を、互いに案じる。
江は手に合った貝殻を小さな巾着に納め、自分の枕元に置く。
今日も一日、何事もなく過ぎた。
竹千代のことは気にかかるが、子どもたち全員が健やかなのはなにより有り難かった。
今日の祝いの席を思い出し、江は微笑む。
(完も母者か……)
松鶴君へのお祝いに江戸のおもちゃを贈ろうと小間物屋を呼んだときも、つい、小さな完姫が歓びそうなものを手に取り、民部卿に『若様ですよ』とたしなめられた。
(あの小さかった完が……。)
「義父上さまは、豊臣をいかがなさるおつもりでしょう。」
竹千代よりも、家康に気がかりな豊臣のことを尋ねられなかったのが、今日の江の不満である。
「さぁな。」
秀忠は相変わらず、本を見ながら上の空の返事である。
しかし江はそんな夫にも慣れていた。そして、実はちゃんと話を聞いているのも知っていた。
「今日はうまくはぐらかされてしまいました。豊臣が公家として生きてくれれば並び立つ道もあるとあなた様は仰せでした。そうなれば、豊臣と戦せずともよいのでありましょう?」
秀忠の方を向き、江は穏やかな世間話のように胸の内を吐露する。夫を追い詰めたくない想いと、豊臣を思う気持ちで、江は揺れていた。
「いや、方法はあると思うておる。ただな、」
本草書に目を落としたまま、秀忠が返事をする。
「ただ?」
「大坂城から出ていただかなければならぬ。」
本をパタリと閉じ、江の目を見つめて、ゆっくりと重々しい声で将軍は宣言した。
江が絶句する。口に手を当て、目を見開いたまま、しばらく動かなかった。
その姿に秀忠は心が痛む。妻の思うように徳川と豊臣を並べ立てるのは、すでにどう考えてもできぬのである。
「公家として生きるというのはそういうことじゃ。武家の頭領が二人いては天下は泰平にならぬ。」
秀忠は江にゆっくりと言いきかせた。民草が幸せな戦のない世、天下泰平のために己は将軍として働いている。子どもたちのためにも……。
夫の真剣な眼差しに、江はその想いを感じ取った。それでもなにかが腑に落ちない。
「しかし、大坂城から出ずとも……」
「公家に武力はいらぬ。よって城もいらぬ。大坂城は天下の城じゃ。出ていただかねば親父が納得すまい。」
江の顔は見なかったが、秀忠は気を奮い立たせるように整然と、ただまっすぐ前だけを見て伝えた。
江はドキドキしている。
確かに秀忠の言うとおりかもしれぬ。
しかし、あの城は太閤殿下が心血を注いで建てた城。姉上の女としての喜びも悲しみもあの城に詰まっている……。
「徳川を臣下と思っている豊臣が……いえ、姉上が……得心なさるでしょうか。」
「そこじゃ。頭が痛いのは。」
秀忠は大きな溜め息をつき、がっくりとうなだれた。
秀忠が負う重さを目の当たりにして、江は眉間に皺を寄せ、辛そうな顔をする。
豊臣に姉上がおらねば、夫はもっと楽に豊臣と向き合っているかもしれない。江は苦しそうに微笑んだ。
「あなたさまを信じておりまする。私が豊臣ゆかりであるばかりに、あなたさまに大きな荷を負わせてしまいます。」
「まことじゃな。」
間髪を入れず、秀忠は妻を見て恨めしそうに言う。と、今度は小さな溜め息で冊子を叩いた。
「申し訳ありませぬ。」
江が恐縮し、身を小さくして顔を下げる。夫が優しく声を上げて笑った。
「はは、戯れ言じゃ。そなたのせいではない。親父じゃ。そなたを嫁にもらったのも、千を嫁にやったのも、天下を望むのも……。いい迷惑じゃ。」
笑いながら言い始めた秀忠は、やはり最後に溜め息をついた。安堵した江の眉も、再び険しくなる。
「私が嫁に来たのは、いい迷惑なのですか?」
「そうは言うておらぬ。」
「そう言うておりまするっ。」
拗ねた様子をしたかと思うと、夫を責めるように早口で言い、気が昂ったのか、江はハラハラと涙を流す。
秀忠は妻がなぜ泣くのか解らず、渋い顔をした。
「そなたは近頃よう泣くのう。体が辛いのではないか?無理をするな。」
「姉上や千のことを案じておるのです。」
夫の思いやりを嬉しいと思いながら、江は袖で涙を抑える。
「子はみな健やかに育っておる。そなたにも達者でいて欲しい。……今日はもう休め。淀の方様たちのことはまた考えるゆえ。」
子どもたちの祝いが無事済んだ喜びからか、秀忠は珍しく、素直に優しい言葉をかけた。
「私にできることがあればお教えくださいますか?」
目をしばたたかせながら、濡れた目で江がお願いをする。
「ああ、教える。」
澄んだ瞳に吸い込まれまいと、秀忠は少しぶっきらぼうに、しかし優しく約束した。
江がやっと花のような笑顔を返した。
「あの……枕添いしてもよろしゅうございますか?」
「よいぞ。」
国松や松姫が時々一緒に眠るようになって、秀忠は少し容易くで己を制するようになっていた。またなにより、あの激しく拒まれた傷は大きかった。ただ、その傷を本当の形で癒やせるのも江しかいない。と秀忠は解っていた。
穏やかな笑みを浮かべて夜具を持ち上げ、江を誘う。はずかしげにソッと入り込んだ江は、嬉しそうに秀忠に寄り添った。
「暖こうございまする。」
「うむ。」
「おやすみなされませ。」
微笑んだ江は、ゆっくり目を閉じた。
秀忠は灯りを吹き消し、割れ物のように江を抱いて、秀忠も目を閉じる。
祝いの宴に疲れたのか、豊臣の話に疲れたのか、二人の寝息が早々と闇夜に溶けた。
◆◇◆
翌日は朝から時雨模様の空であった。そぼ降る雨が残り菊を濡らし、香りを立てる。
北窓はきっちりと目張りで塞がせたはずなのに、どこからか風が入ってくる。利勝がそれを防ぐために、衝立屏風を動かしていた。
「のう利勝、淀の方様はなにゆえ太閤殿下の側室になられたのであろう。仇と呼び、さらには随分年上の……」
今年の米の出来高に目を通しながら、秀忠は利勝に声をかける。
初めての主人からの艶めいた話に、(静のせいか……)と、利勝は首をすくめてニタリと笑った。
「そこが、男と、女の、妙、ではござりませぬか。」
ぶつぶつと区切りながら答えた利勝が、なにを想像したのか、うぷぷぷぷ、と笑う。
「茶化すな。」
秀忠が真顔で、書状から顔を上げた。
(え、そういう話ではないのか?それ以外になにがある?)
怪訝な顔をしながら、真面目に答えようと利勝は秀忠の机の前に座る。
「さぁ……優しかったのでございましょうな。」
真面目な顔を作って答えるが、知らずに、むふっと緩む。
(いかんいかん。)
利勝が顔をキリッと引き締め続けた。
「豊臣の者はみな、女子には優しゅうございまするゆえ。中でも殿下は。最たるものだったのでございましょう。」
真面目な顔で答え始めた利勝だが、言い終わると「むふっ、むふふっ。」と笑った。
「そちに訊いた私が愚かであった。さっさと恩賞用の米の計算をせよ。」
秀忠はゲンナリとし、利勝に書状を突きつけた。
再び静かになった中に、トンビの鳴き声が響く。
(雨が上がったか?)
秀忠が天を仰ぎ、首をぐるりと回した。
昨夜からしばしば、大阪城で対面した淀の方の姿が思い出される。
(淀の方様の気持ちを変えることはできぬのか、己の心を淀の方様に伝える術は……)
秀忠の心が、またぐるぐると迷っていた。
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