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本編
4話
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1学期の期末試験が迫ってきた。
僕は調べものをするため図書館に行ったとき、そこで困っているシャロン嬢を見かけた。
困っているところを放ってはおけずどうしたのかと聞くと、授業でわからないところがあったらしい。
彼女は、僕によければ放課後勉強を教えてほしいと頼んできたが、あいにく今日はメイリーンと
演劇を見に行く約束の日だ。
本気で試験勉強に入る前に少し息抜きに行きたいらしい。
さすがに婚約者との約束を破るわけにはいかない。
お願いと泣く彼女の姿に心が傷んだが、
彼女を 僕の側近に任せて 約束の場所に向かう。
あいつらも優秀だから勉強ぐらいなら
簡単に教えられるだろう。
約束の場所に着くと 先にメイリーンがいた。
「ごめん。待たせちゃったかな?」
「本当信じられませんわ。
王女たるこの私を待たせるだなんて、
皇太子殿下ともあろう方が紳士としてなっていませんわ。」
またか。
彼女の態度に慣れてきたとはいえ、
やはり気持ちのいいものではない。
しかも今回は、これでも約束の時間の10分前だ。
怒られる筋合いはないというのが本音だが
そういったところでまた怒り出すのは目に見えている。
「それは申し訳ないことをしたね。
次から気を付けるよ、じゃあ行こうか。」
そう言ってエスコートするために手を差し出したが、驚いた顔をしてなかなか手を乗せてこない。
嫌だったのかと思い手を引っ込めようとすると
「エスコートを途中でやめるなんて信じられませんわ。
しっかりとしてくださいまし!」
という叫び声に近い声とともに手を乗せられる。
エスコートをしてほしかったのか、
してほしくなかったのかサッパリ分からないが、
多分彼女の心情的に本心はエスコートなんてしてほしくないが、王女としてのプライドが婚約者と共に歩くのにエスコートしてもらっていないところを
周りに見られるのを許せないといったところだろう。
正直、くだらない。
いまいち行動がつかめないから、
彼女といるとどうしても疲れてしまう。
駄目だと分かっていてもこんな時に掴んでくるのは
シャロン嬢の笑顔だ。
婚約者といるときに他の女性のことなんて考えちゃだめだ。
そう自分に言い聞かせ、何事もないような顔で
彼女の手を引き馬車に乗り込んだ。
劇場につくと、そこは想像以上に混み合っていた。
今回見るのはメイリーンが強く要望した
恋愛の演劇だ。
どちらかというと庶民に人気のある
この演劇をなぜメイリーンが見たいと言ったのか謎だが、彼女は1度言い出したら意見をなかなか変えない。
特に僕も見たい演劇があるわけではなかったので、
彼女の要望通り 恋愛の演劇を見ることになった。
演劇を見終わったあと僕の感想は正直に言うとふーんという感じだった。
物語は大好きな婚約者の前ではどうしても素直になれない女性が周りにも好きな人にも誤解され
1人寂しく過ごしていた中、とあるきっかけで彼女の本心を知った婚約者が少しずつ彼女と中を深め合い無事結ばれるというストーリーだ。
なぜか、演劇の途中でメイリーンが泣いていたが、
彼女はそんで演劇で泣く性格だっただろうか?
どこに泣くポイントがあったのかは不明だが、
そこは女性だけが分かることというのもあるのだろう。
あまり深く考えずに、彼女を学園の寮まで送り届けその日は別れた。
僕は調べものをするため図書館に行ったとき、そこで困っているシャロン嬢を見かけた。
困っているところを放ってはおけずどうしたのかと聞くと、授業でわからないところがあったらしい。
彼女は、僕によければ放課後勉強を教えてほしいと頼んできたが、あいにく今日はメイリーンと
演劇を見に行く約束の日だ。
本気で試験勉強に入る前に少し息抜きに行きたいらしい。
さすがに婚約者との約束を破るわけにはいかない。
お願いと泣く彼女の姿に心が傷んだが、
彼女を 僕の側近に任せて 約束の場所に向かう。
あいつらも優秀だから勉強ぐらいなら
簡単に教えられるだろう。
約束の場所に着くと 先にメイリーンがいた。
「ごめん。待たせちゃったかな?」
「本当信じられませんわ。
王女たるこの私を待たせるだなんて、
皇太子殿下ともあろう方が紳士としてなっていませんわ。」
またか。
彼女の態度に慣れてきたとはいえ、
やはり気持ちのいいものではない。
しかも今回は、これでも約束の時間の10分前だ。
怒られる筋合いはないというのが本音だが
そういったところでまた怒り出すのは目に見えている。
「それは申し訳ないことをしたね。
次から気を付けるよ、じゃあ行こうか。」
そう言ってエスコートするために手を差し出したが、驚いた顔をしてなかなか手を乗せてこない。
嫌だったのかと思い手を引っ込めようとすると
「エスコートを途中でやめるなんて信じられませんわ。
しっかりとしてくださいまし!」
という叫び声に近い声とともに手を乗せられる。
エスコートをしてほしかったのか、
してほしくなかったのかサッパリ分からないが、
多分彼女の心情的に本心はエスコートなんてしてほしくないが、王女としてのプライドが婚約者と共に歩くのにエスコートしてもらっていないところを
周りに見られるのを許せないといったところだろう。
正直、くだらない。
いまいち行動がつかめないから、
彼女といるとどうしても疲れてしまう。
駄目だと分かっていてもこんな時に掴んでくるのは
シャロン嬢の笑顔だ。
婚約者といるときに他の女性のことなんて考えちゃだめだ。
そう自分に言い聞かせ、何事もないような顔で
彼女の手を引き馬車に乗り込んだ。
劇場につくと、そこは想像以上に混み合っていた。
今回見るのはメイリーンが強く要望した
恋愛の演劇だ。
どちらかというと庶民に人気のある
この演劇をなぜメイリーンが見たいと言ったのか謎だが、彼女は1度言い出したら意見をなかなか変えない。
特に僕も見たい演劇があるわけではなかったので、
彼女の要望通り 恋愛の演劇を見ることになった。
演劇を見終わったあと僕の感想は正直に言うとふーんという感じだった。
物語は大好きな婚約者の前ではどうしても素直になれない女性が周りにも好きな人にも誤解され
1人寂しく過ごしていた中、とあるきっかけで彼女の本心を知った婚約者が少しずつ彼女と中を深め合い無事結ばれるというストーリーだ。
なぜか、演劇の途中でメイリーンが泣いていたが、
彼女はそんで演劇で泣く性格だっただろうか?
どこに泣くポイントがあったのかは不明だが、
そこは女性だけが分かることというのもあるのだろう。
あまり深く考えずに、彼女を学園の寮まで送り届けその日は別れた。
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