現実主義な皇太子殿下の恋愛事情

アムール

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2話  メイリーン視点

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私の名前はメイリーン・ラディシア。
ラディシア王国の第一王女よ。

私には大好きで大好きで仕方がない人がいる。

そのお方とは、隣国カーネイル皇国の皇太子
ディオーネ・カーネイル様。

ディオーネ様は私達の婚約がお互いの国の友好を深める為と思っているみたいだけど、本当は違うの。

私があなたに一目惚れしてしまったから。
私達が5歳の時のことだからあなたは覚えていないかもしれないけど、あのあなたと話した少しの時間で私はあなたに恋に落ちた。

だから、私がお父様に何でもするからディオーネ様に婚約の打診をしてほしいと頼み込んだの。

私が普段あまり頼み事をしなかったのも良かったのか、条件付きでお父様はこの婚約を許可してくれた。

その条件というのが、今まで以上に勉強を
頑張ること。
簡単なことに感じるけど、量にして今までの2倍になるから、ディオーネ様とは婚約してもほとんど
会えないと思う。

それでも、将来彼と結ばれることができるなら、
当時そんなことは苦にならなかったの。

私が勉強を頑張っている姿を見て、お父様は
ディオーネ様に婚約の打診をしてくれた。

やがて、婚約は対外的にはまだ発表していないもよのほぼ確定になった。
それが、私が9歳のとき。

婚約がほぼ内定したと聞いたときは本当に
嬉しかったわ。

あなたに喜んでほしくて、あまり甘いものが好きではないと言われているあなたの為にあまり甘くないお菓子作りの練習を何度もしたわ。

紅茶が大の好物だと聞いたことがあるから、
かなり希少とされている茶葉を見つけ出して
私の個人のお金から出して少しだけ取り寄せたわ。
取り寄せた茶葉は本当に良い香りで何度か
お母様に取られそうになったけど死守したわ。

それに、あなたに褒めてほしくて1日中勉強をして色々な知識を手に入れたわ。

………なのに、何で私は好きな人の前だと素直に言えなかったのかしら。

あなたの為に、あなたに相応しい妃になるために
頑張っているのにあなたの前では素直になれず
ついつい気付いたら悪態をついてしまう。

違う…違うのよ。

でも、その言葉さえ伝えられない。

ディオーネ様には、かなり嫌われていると思うわ。

私でも初対面で「結婚してあげる。光栄に思いなさい」そう言ってくる人に好印象はいだけないだろうから。

ディオーネ様は優しいから何か言ってくることは無かったけど、毎回会うたびに悪態をついているもの。
内心はこの婚約を嫌がってるでしょうね。

でも、ディオーネ様は国のことを1番に考える方だから、この婚約を破棄されることはないと思いたい。

その証拠に学園に入学してからも度々悪態をついてしまう私に対しても適度に付き合ってくれるもの。
大丈夫、大丈夫。


◇◆◇

私達が学園に入学してから1年後。

とある令嬢が入学してきた。

とても令嬢とは思えない天真爛漫な性格で
少し…いえ、かなりお転婆な令嬢だったわ。

私も上級生として時々注意をするぐらいの関係。

入学してきた当時はそれぐらいしか意識してなかったの。

それから少しして、ディオーネ様と
お茶をしている時彼女の話が出てきた。

その日にあった出来事を話しているようで、
私に気を使っているのか一度しか話してこなかっけど彼女のことを話しているときの彼の雰囲気が
彼女を見つめる彼の切なそうな目が
全てを表していたわ。

(あぁ、ディオーネ様は彼女に恋に落ちてしまったのね。)

この時点で彼女に対して危機感は抱いたが、
だからといって何もできない。

ディオーネ様が彼女と話しているのを見かけると、
考えるよりも先にいつも怒ってしまうわ。
私には、ディオーネ様の交友関係に口出しする権利はないのに。
ディオーネ様が私なんてそっちのけで彼女と
過度なスキンシップをとっているのなら
正式に抗議しても許されるのだけど。

ディオーネ様の側近方は婚約者がいるのに
彼女に夢中みたいで過度なスキンシップも
時々しているみたい。

あの方がたの婚約者である私の友達が
そう悲しそうに話してくれたわ。

それに比べて、ディオーネ様は私を優先していてくださる。

きっと、ディオーネ様自身も自分のお心に悩んでいるのでしょう。
あの方は、王族としての意識が高いから…

(私は、どうするのがいいのかしら…)

私の悩みは、しばらくは解決できないだろう。




~~~~~~~~~~~

ツンデレって何でしたっけ?

これは、ツンシュン?いや、婚約者ストーカー?

始まってそうそうキャラ崩壊。どうしよう。
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