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城下町散策
ディアンからのプレゼント
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昼食を食べ終わり、カフェを出る。
結構お腹いっぱいになったけど、もう少しなら食べられそうだ。
(おやつに屋台でまた何か食べよう!
スイーツ系を見つけられたらいいな。)
今は、お姉様オススメの雑貨屋に向かっている最中。
ディアンは、城下町を色々と散策できればそれで良いと言っていたので、まずは雑貨屋に行くことになったのだ。
その雑貨屋がこの近くらしいのも理由の1つだけどね。
「ここね。」
歩くこと15分。雑貨屋についた。
こちらはカフェと違ってひっそりとした場所にあるというわけではなく、城下町のメインストリートにある建物だった。
店内もお客さんで溢れている。
年齢的には10代と思われる女子が多くて、今更ながら私とディアンには早かったのでは?と思う。
(まぁ、そうだよね。何で気づかなかったんだろう。お姉様オススメの雑貨屋ならお姉様の年頃の女の子に合わせた雑貨屋に決まってるよね。
私とディアンじゃ年齢層が違うよね。)
だけど、よく見ると小さな子供用と思われる商品も置いてあることが分かった。
よし、私とディアンはあっちを見てよう。
「お姉様、私達あっちを見てるね。」
「分かったわ。でも、お願いだから私の目の届かないところには行かないでね。」
「はーい。」
お姉様の承諾をもらい、そこに向かう。
近づいてみると、意外と多くの商品が置いてあった。
普通に可愛いアクセサリーもたくさん置いてある。
(あれ可愛い!!いや、待って。あの形って…)
その中の1つに私はとても目を引かれた。
周りからしたら多分なんてことのない淡い桃色の髪飾り。
でも、私にとっては違った。
(あの形って…桜だ!こっちの世界にはないはずなのに、初めてみた。)
前世の記憶をそこまで詳しく覚えているわけではないけど、桜という花が好きだったのはよく覚えている。
この世界に桜がないと知ったときはかなり悲しくもなった。
だからこそ、まさか桜柄の髪飾りがあるなんて思わなかった。
「見たことのない花の形ですね。ですがなんだか、とても綺麗です。」
「うん、そうだね。」
この柄の髪飾りは、多分今逃せばもう2度と見つからないと思う。
(買おう………って高っ!)
値札を見てみると、そこには18万という文字。
こう言っては悪いのだけど、この髪飾りは桜柄ではあるが物の品質的には高級品というわけではない。
良くも悪くも普通の髪飾りだ。
一般的な雑貨屋に置かれている髪飾りにしては、高すぎる。
ママが資金を出してくれているとはいえ、そんなにバンバン使っていいお金ではない。
自分で払うにも、私はまだ自分のお金を持っていない。
(どうしよう…欲しいけどちょっと高いな。)
「これが欲しいのですか?」
私がうんうん唸りながら悩んでいると、横からそう声をかけられた。
「悩んでいるところ。欲しいけど値段が高い気もするし、ママのお金そんなに使っちゃったら申し訳ないもん。
でも、欲しい…!」
駄目だ。自分ではとても決められそうにない。
「では、僕がその代金を払いましょう。」
「え?ごめんもう1回言って。」
「僕が代金を支払いますと言いました。大丈夫です、個人的なお金から払いますし、そこそこ持ってるんですよ、僕。」
「そういう問題じゃなくない?」
ディアンは何を言っているのだろう。
何で私の物をディアンがお金を払うってことになるのかな?
ママのお金を使うのが申し訳なくて悩んでいるのに、ディアンのお金を使うって私的には何も変わっていない。
「やっぱりディアンに払ってもらうなんて無理だよ。でも、気持ちはありがとう。」
(仕方ない、今回は諦めよう。また桜柄の物に出会えることをねが……)
「僕が払いたいのです!」
突然ディアンが大きな声を出した。
近くにいた人が何事かとこちらをチラチラと見てくる。
「どういうこと?」
「僕がルチアにこの髪飾りをプレゼントとして贈りたいのです。この前のあなたの誕生日パーティーの時、僕はあなたに何もプレゼントを贈れませんでした。
それに、そのことがなくてもルチアには何か贈りたいと思っていたので、僕のことを思って言っているのなら、逆にここは僕に払わせて下さい。」
そこまで言われ、私の誕生日パーティーで確かにディアンからだけプレゼントをもらってなかったことを思い出した。
初対面なので当たり前かと気にしてもいなかったけど、ディアンはずっと気にしていたのかな。
何だかそれはそれで申し訳ない。
それなら、ここはちょっと贈ってもらうものが高額な気もするけどディアンの意見を尊重するのが1番なのかもしれない。
「じゃあ、お願いしてもいいかな?」
私がそう言うと、ディアンは「はい」と返事をしてお姉様からお金を受け取り、早速お会計に行ってしまった。
後から聞いた話だけど、この時ディアンはお姉様がママから預かっていたお金の中にこっそりと自分のお金を入れていたらしい。
しばらくして、お会計を済ませたディアンが私のところに戻ってきた。
「どうぞ。だいぶ遅れてしまいましたが、僕からの誕生日プレゼントです。」
「本当にありがとうディアン。大切に使うね。」
「どういたしまして。」
そう言って笑ったディアンの顔は今までで1番なのではないかと思うほど眩しく輝いていた。
ドキドキ
何だろうこの胸の感じ。
何だかよく分からないけど、初めての感覚だ。
(そ、そうよ。ディアンが急にこんな笑顔になるから驚いちゃったのよ。うん。
流石王子様。ふいうちの笑顔でこの破壊力、ヤバイよ。親友なんだから、耐性つけなきゃ。)
そう思っていると胸の違和感が収まった気がした。
(やっぱり、急なキラキラ笑顔に驚いただけだったのね。
何だか初めての感覚だったから何かと思っちゃった。)
そこでお姉様が私達のところに来て
「終わったなら、次に行くわよ。」
と言ってきた。
私達が頷いたのを見て店を出ていくお姉様についていく時には、私は先程の胸の違和感を完全に忘れていた。
~~~~~~~~~~~~~
若干恋愛要素も進展?
でも、しばらくはぜんぜん恋愛要素は進展しないと思います。
恋愛の展開が早すぎる気がしたので、最後の部分直しました。
もうちょっとで城下町編終わります。
多分あと一話です(ヽ´ω`)
ディアンの精神年齢が高い気がするのはあまり気にしないでください(´Д⊂ヽ
何でも出来ちゃう系精神年齢だいぶ高め設定なのでm(__)m
結構お腹いっぱいになったけど、もう少しなら食べられそうだ。
(おやつに屋台でまた何か食べよう!
スイーツ系を見つけられたらいいな。)
今は、お姉様オススメの雑貨屋に向かっている最中。
ディアンは、城下町を色々と散策できればそれで良いと言っていたので、まずは雑貨屋に行くことになったのだ。
その雑貨屋がこの近くらしいのも理由の1つだけどね。
「ここね。」
歩くこと15分。雑貨屋についた。
こちらはカフェと違ってひっそりとした場所にあるというわけではなく、城下町のメインストリートにある建物だった。
店内もお客さんで溢れている。
年齢的には10代と思われる女子が多くて、今更ながら私とディアンには早かったのでは?と思う。
(まぁ、そうだよね。何で気づかなかったんだろう。お姉様オススメの雑貨屋ならお姉様の年頃の女の子に合わせた雑貨屋に決まってるよね。
私とディアンじゃ年齢層が違うよね。)
だけど、よく見ると小さな子供用と思われる商品も置いてあることが分かった。
よし、私とディアンはあっちを見てよう。
「お姉様、私達あっちを見てるね。」
「分かったわ。でも、お願いだから私の目の届かないところには行かないでね。」
「はーい。」
お姉様の承諾をもらい、そこに向かう。
近づいてみると、意外と多くの商品が置いてあった。
普通に可愛いアクセサリーもたくさん置いてある。
(あれ可愛い!!いや、待って。あの形って…)
その中の1つに私はとても目を引かれた。
周りからしたら多分なんてことのない淡い桃色の髪飾り。
でも、私にとっては違った。
(あの形って…桜だ!こっちの世界にはないはずなのに、初めてみた。)
前世の記憶をそこまで詳しく覚えているわけではないけど、桜という花が好きだったのはよく覚えている。
この世界に桜がないと知ったときはかなり悲しくもなった。
だからこそ、まさか桜柄の髪飾りがあるなんて思わなかった。
「見たことのない花の形ですね。ですがなんだか、とても綺麗です。」
「うん、そうだね。」
この柄の髪飾りは、多分今逃せばもう2度と見つからないと思う。
(買おう………って高っ!)
値札を見てみると、そこには18万という文字。
こう言っては悪いのだけど、この髪飾りは桜柄ではあるが物の品質的には高級品というわけではない。
良くも悪くも普通の髪飾りだ。
一般的な雑貨屋に置かれている髪飾りにしては、高すぎる。
ママが資金を出してくれているとはいえ、そんなにバンバン使っていいお金ではない。
自分で払うにも、私はまだ自分のお金を持っていない。
(どうしよう…欲しいけどちょっと高いな。)
「これが欲しいのですか?」
私がうんうん唸りながら悩んでいると、横からそう声をかけられた。
「悩んでいるところ。欲しいけど値段が高い気もするし、ママのお金そんなに使っちゃったら申し訳ないもん。
でも、欲しい…!」
駄目だ。自分ではとても決められそうにない。
「では、僕がその代金を払いましょう。」
「え?ごめんもう1回言って。」
「僕が代金を支払いますと言いました。大丈夫です、個人的なお金から払いますし、そこそこ持ってるんですよ、僕。」
「そういう問題じゃなくない?」
ディアンは何を言っているのだろう。
何で私の物をディアンがお金を払うってことになるのかな?
ママのお金を使うのが申し訳なくて悩んでいるのに、ディアンのお金を使うって私的には何も変わっていない。
「やっぱりディアンに払ってもらうなんて無理だよ。でも、気持ちはありがとう。」
(仕方ない、今回は諦めよう。また桜柄の物に出会えることをねが……)
「僕が払いたいのです!」
突然ディアンが大きな声を出した。
近くにいた人が何事かとこちらをチラチラと見てくる。
「どういうこと?」
「僕がルチアにこの髪飾りをプレゼントとして贈りたいのです。この前のあなたの誕生日パーティーの時、僕はあなたに何もプレゼントを贈れませんでした。
それに、そのことがなくてもルチアには何か贈りたいと思っていたので、僕のことを思って言っているのなら、逆にここは僕に払わせて下さい。」
そこまで言われ、私の誕生日パーティーで確かにディアンからだけプレゼントをもらってなかったことを思い出した。
初対面なので当たり前かと気にしてもいなかったけど、ディアンはずっと気にしていたのかな。
何だかそれはそれで申し訳ない。
それなら、ここはちょっと贈ってもらうものが高額な気もするけどディアンの意見を尊重するのが1番なのかもしれない。
「じゃあ、お願いしてもいいかな?」
私がそう言うと、ディアンは「はい」と返事をしてお姉様からお金を受け取り、早速お会計に行ってしまった。
後から聞いた話だけど、この時ディアンはお姉様がママから預かっていたお金の中にこっそりと自分のお金を入れていたらしい。
しばらくして、お会計を済ませたディアンが私のところに戻ってきた。
「どうぞ。だいぶ遅れてしまいましたが、僕からの誕生日プレゼントです。」
「本当にありがとうディアン。大切に使うね。」
「どういたしまして。」
そう言って笑ったディアンの顔は今までで1番なのではないかと思うほど眩しく輝いていた。
ドキドキ
何だろうこの胸の感じ。
何だかよく分からないけど、初めての感覚だ。
(そ、そうよ。ディアンが急にこんな笑顔になるから驚いちゃったのよ。うん。
流石王子様。ふいうちの笑顔でこの破壊力、ヤバイよ。親友なんだから、耐性つけなきゃ。)
そう思っていると胸の違和感が収まった気がした。
(やっぱり、急なキラキラ笑顔に驚いただけだったのね。
何だか初めての感覚だったから何かと思っちゃった。)
そこでお姉様が私達のところに来て
「終わったなら、次に行くわよ。」
と言ってきた。
私達が頷いたのを見て店を出ていくお姉様についていく時には、私は先程の胸の違和感を完全に忘れていた。
~~~~~~~~~~~~~
若干恋愛要素も進展?
でも、しばらくはぜんぜん恋愛要素は進展しないと思います。
恋愛の展開が早すぎる気がしたので、最後の部分直しました。
もうちょっとで城下町編終わります。
多分あと一話です(ヽ´ω`)
ディアンの精神年齢が高い気がするのはあまり気にしないでください(´Д⊂ヽ
何でも出来ちゃう系精神年齢だいぶ高め設定なのでm(__)m
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