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幼少期

王子………齢6歳にして、腹黒さがにじみ出る。

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あれから、私のパーティーが始まった。
本当に皆、身分などあまり気にせず楽しんでいる。
食べて、話して、食べて、飲んで、食べて食べて食べて。
うん、皆食べてばっかりだ。
勿論、私も楽しんでいるけど、今はちょっと緊張している。

なぜなら、大伯父様と直接話しておいでって、
お父様にいきなり大伯父様の所に連れて行かれている最中だからだ。

「お久しぶりです、伯父様。
最近あまりお姿をお見かけしませんでしたが、
お元気そうでなによりです。」

そっか、お父様にとっては伯父様ってことになるのか。 

「あぁ、ロイズか。久しぶりじゃのう。
お前も元気そうで何よりじゃ。
それで、そちらの子がお前の自慢の娘か?」

「ええ、そうですよ。マリン、ご挨拶を。」

そういって、私が心の準備をし終わる前に、
前に突き出すお父様。

あとで恨むぞ。

「さっ、先程も申し上げましたが……
始めまして、マリンです。
これからも、また機会がありましたらよろしくお願いしましゅ!」

(噛んじゃったあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)

「ほっほ、さっきも思ったがちと硬いのう。
家族なのだから、もっと気軽に接していいし、
なんならおじいちゃんと読んでくれてもいいぞ。」

「おじいちゃん?良いの!?」

「あぁ、勿論じゃ。」

良かった、とても良い人だった。
やっぱり、おじいちゃんと呼べる人がいるのは
私的にも嬉しい。

寂しかった訳ではないけど、やっぱり家族がたくさんほしいって思うのは仕方ないと思う。

しかし、さっきから思っていたが、おじいちゃん喋り方がジジ臭い。
まだ見た目は30代の、実年齢49歳らしいのに。

やっぱり影が薄いから、色々あったのかな。
悟っちゃったのかな。

まぁ、気にしても仕方ないからいいけど。

その後も他愛ない会話をしたが、おじいちゃんは
なんかユーモア溢れる人でとても楽しい人だった。
話していると盛り上がるし、たまに笑わせてくれるし。
国王としてはどうだったか分からないけど、
家族としては凄く良い人だと分かった。

「それでは、伯父様。
ここら辺で失礼します。今後もこのパーティーをお楽しみください。」

「勿論じゃ、また後でな。」

「はい。」

そう言ってお父様がまた私を片手で持ち上げて、おじいちゃんから離れていった。

「お父様、どうしたの?」

「あぁ、オーディスがお前を呼んでいてな。
自分の息子と会わせたいそうだ。」

「お、お、王子様と?」

「あぁ、そうだ。
まだ話したことないだろう?
王子はお前の1つ上の6歳だから、仲良くなれるといいな。」

確かに、私と同じ年頃の人に会うのは、お兄ちゃん以外初めてだけど!だけど!

さっきチラッと見たけど、お兄ちゃんに負けないぐらい、いや同じぐらいキラキラした容姿だったから!
深い紺のサラサラとしているストレートの髪に、
宝石のような金の瞳。
とてもふんわりとした優しそうな顔立ちだった。

あんなキラキラしたThe王子様と話すなんて、
乙女?として、恥ずかしい。

まぁ、パパとママの子供だから、優しい人だとは思う………………………けど。
優しいといいな。

「あら、ロイズにマリンちゃ~~~~~ん!
やっと来たのね。
今、私もティアナとそろそろ家の子たちを対面させようかと話していたところなの。」

お母様は、お父様からサッとしかし優しく私を取り上げて、腕の中に抱いてくれる。
私を取り上げられたときのお父様の顔といえば、
うん。
表現し難い表情だったよ。

お母様とママも、学園に通っている頃からの親友って言ってた。
この国にある魔法学園は他の国にはなくて、他国からもほとんどの王侯貴族が通いに来るんだって。
お母様も、隣国の人だけどこの国の魔法学園に通ったって言ってたしね。

「ほら、ご挨拶できる?」

あぁァァァァァァァァァァァ!!!

さっきのお父様の時もそうだけど、また心の準備をする暇なく王子の前に突き出された。

うわっ、眩しい!

(無理、この人に自分から挨拶は無理!)

内心大パニックを起こしていたからか、
動きがカチコチしたものになってしまった。
加えて、口を開いては閉じてを繰り返していたら、
ママが私の心を読み取ってくれたのか

「そうよね、いきなり挨拶しろと言われても困るわよね。
レオン先に挨拶しなさい。」

ママ、助かったけど助かったけど、私がいきなりの挨拶で困っているからって、自分の息子にいきなり挨拶しろと言ってどうする。

ブーメランの言葉になるよ、それ。

しかし、そんな心配は無用のように王子様は
「はい、母上。」と何でもないように返事して、
私の手の甲にキスした。

ん?

待って、今この人何した?

私の手の甲にキスしなかった?

もう一度言う。

私の手の甲にキスしたよね!?

いくらはとこだとしても、王太子様が他家の令嬢の
手の甲にいきなりキスしてどうするの!?

「始めまして、マリン嬢。
私はレオン・ディアン・ヴェルレート・ル・フォンニア・ワンス・リーゼリアと申します。
マリン嬢は、とてもお美しく、可愛らしいのですね。
年も近いですし、よろしくお願いします。」

そう言って、私に笑顔を向けてきた。
最初は私だって(かっこいい~)って思って頬を染めた。
お母様たちも「キャ~」ってなんか盛り上がってる。

王太子様も6歳とは思えない、素晴らしい挨拶だな。
流石王族って感じで、話し方も流暢だ。

でも、私は少しして、よ~く、よ~く彼の笑顔を見て思ってしまった。

王太子様の笑顔、なんか胡散臭いって。
今の、言葉絶対に本心ではない気がするって。









~~~~~~~~~~~~

こんにちは。アムールです。

お気に入り数400突破というのを見たときは、
思わず2度味してしまいました。

Hotランキングでも11位になれまして、
皆さんに感謝いっぱいです。

このような作品がそのように評価していただけているとは、未だに信じられません

が、

1日か2日に1話、時間がある日は数話、定期的に更新できるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします。



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