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第零章:始まるは春、終わるは学園生活

反省文:サザンカの場合

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 我思う、ごめんなさいと。
 いや、本当に悪いと思っています。マジで。
 入学式の初日から殴り合いの喧嘩、しかも女子と。
 これはどんな理由があったとしても許されないことである。
 一般的に男性の方が女性よりも筋力が強い傾向にある。これは性別の差による、筋肉のつきやすさの違いからだ。
 人間以外の動物に目を向けるとオスが狩りを行い、メスが居場所を守るといった例は少なくない。
 故に此処では便宜上、オスはメスを守る物だと仮定する。
 しかし俺が行った行動はどうだろうか。
 オスがメスを攻撃。本来行うべき行動と真逆の行動を取っているのだ。
 本来ならば、理性がない動物ですら守っている絶対のタブーを破った俺は死ぬべきなのだろう。
 だが今回は反省文の提出、一週間の謹慎のみで罪が赦されると言う。
 ならば謝るしかないだろう。
 ごめんなさないごめんなさいごめんなさい。
 ほら、何度も唱えている内に精神が崩壊していくだろう?
 あー、ほら。三塁手が見えてきた。それはサードか。
 さて。とまあこんな感じで反省文を書いてきたわけだが、ここまで読んで反省の色が見えたという人はほとんどいないだろう。
 当然だ。反省が何色をしているかなんて、世界中の誰も知らないのだから。強いて言うなら、シャー芯色? 黒色? まあ、正直どうでも良い。
 とにかく俺が言いたいのは、一切反省する気はないということだ。
 ところどころでふざけているのも、反省文の内容が支離滅裂なのも、一切反省する気がないからだ。
 だってそうだろう?
 俺は彼女と廊下ですれ違っただけなのに、いきなり家族を侮辱されたんだ。殴りかかるのも当然だ。
 しかし、暴力は理性を所持する動物としては最低の行為だ。何故ならば理性を放棄するのにも等しいからだ。
 感情に身を任せ、思うままに拳を振るう。
 これを獣畜生と呼ばずに何と呼ぼうか。
 俺は一切反省する気はない。
 しかし、俺が野生動物同然の行動を取ったのは紛れもない事実だ。
 故に俺は謝る。
 ごめんなさい、と。
 そして最後に一つだけ。
 あのゴリラお嬢様やべーな。
 普通にボコボコにされたわ。
 
 
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