愛をあなたへ

ゆきまる。

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「んっ、んん、」

「本当に可愛いね、ノエル、愛しているよ」

キスを繰り返しながらラッシュはそう囁く。

愛している?

何故?

愛しているってどう言うこと?

「あ、い、?」

「そう、愛してる。ノエルの事が大事なんだよ」

「だいじ、」

だんだんと意識がぼんやりとして来て、何も考えられずただ与えられる快感に溺れていく。


「ん、あっ!!?」

その時下半身に違和感を覚える。

ラッシュの頭を避け、そちらに目を向けると自分でさえ滅多に触らないソレ・・をネスが口に含んでいる光景が飛び込んできた。

「は、え、な、なに、して…?」

「ん?何とは口淫の事か?」

「こう、いん…?」

「お前にも善くなって貰わないと意味がないだろう?」

「え…?」

もうずっと理解できない状況が続いているが、さらに理解できない言葉を投げかけられる。

その言葉を理解しようと考えている間にもネスは俺に口淫を続けていた。



「ん、ひっ、な、何?!なんか、くる、」

「ん?ノエルもうイキそう?」

ふと、強い快感に朦朧としていた意識がハッキリとする。

初めて感じる違和感と快感。

「やめて、こわい、!」

「大丈夫、ノエル。大丈夫だよ」

ネスは口淫を止めてはくれず、ラッシュは優しく声を掛けてくる。

「や、あ!!」

その時、今までの快感とは比べ物にならないほどの強い快感が背中に走る。

そしてドクン、と心臓が跳ね、ネスの口に含まれているペニスから何かが出ている感覚。

(え…?何…今の…)

「ん…濃いな」

俺が出した何かを飲み込んだネスはそう言った。

「飲んだ…?」

「ん?あぁ」

それがなんだと言わんばかりのネスは更に俺の下半身に顔を埋め、なんと今度はペニスではなくその奥、後孔に舌を這わせてきた。

「あ、あ…っ!!!!!」


嫌だ。


「あれ?ノエルびっくりして萎えちゃった?ネス、それはやめてあげて」

「…そうか、では」

ラッシュがそう言うとネスは口を離して、どこから取り出したのか持っていた小瓶の中身を指に垂らしている。

「あっ!!?」

そしてその指は、先程舌を這わしていた俺の後孔に侵入してきた。

「い、いや!」

「大丈夫だよノエル、すぐ気持ち良くなるから」

ラッシュは俺の頭を抱え込み、あやすように声をかけ続けている。


「ーーーっ!!!」

「ここだな」

ある一点を掠めた瞬間に身体に電気が走ったような衝撃を受ける。

どこか楽しそうなネスはそこへの刺激を止めてはくれなかった。



「あ、ああ!!」

「そろそろ良いか…」

どれほど後孔を掻き回されていたのだろう…

(もう疲れた…)

もう眠ってしまおうかと思ったその時。

「え?」

ぐっ、と指とは違う質量の“何か”が後孔に侵入してくる。

嫌だ、

これは、

だって、



「ああああああああああ!!!」







愛しているって言ったくせに。




嘘つき。








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