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第一章 悪役令嬢と女神様
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さて、第一関門クリアなので、次の問題を考えることにする。
あ、その前に土下座の体勢をやめよう。ずっとシャルロットに頭を下げるのは、なんとなくプライドに傷がつく。
えーと、次に考えるのはシナリオ?まぁ、それは私が考えればいいか。あとは、絵をどうやって大量印刷するか、よね。漫画だし、文字と絵を一緒に印刷できた方がいいだろう。…この世界ってどのくらい印刷技術が進んでいるんだろう?活版印刷くらいはないと小説すら高級品になる。作るものは庶民でもちょっと贅沢すれば手が届く位安くしたいが、それは多分活版印刷がなければ不可能だ。無いから作る、なんて言ってもただの学生だった私にそんな知識はない。うろ覚えの記憶を頼りにそんな物は作れない。試行錯誤すら出来ないと思う。これは課題だ。あとでお父様に頼んで印刷工場的な所に見学させてもらおう。
次は……あ、紙!印刷はとりあえず出来たものとしても、そもそもの材料である紙が高ければ意味がない。この世界だと紙っていくら?うーん、これは金銭感覚で高いか安いか別れるだろうな。出来るなら庶民の住む下町に行って実態を調査したい。しかしこればっかりは心優しいお父様でも許してくれないだろう。下町というのは貴族が一番行こうとしない場所だからだ。なので誰かに調査を依頼して紙の値段、庶民の職業別の一ヶ月分の給料、パンの値段くらいを調べて貰うことにする。
…私って何も庶民のことを知らないんだろうな。主食が何なのかすら分からない。とりあえず貴族と同じパンを調べて貰おうかとも思っているけれど、どうなんだろう。パンとは別に主食の食べ物も調べてもらった方が良いだろうか。
あとは…?特に見当たらないし、思いついたら考えることにしよう。
そうなると、今できることは限られている。私のできる最優先事項はシナリオを書くことだ。そうと決まれば早速書こう。
初めての人にだから、あまり過激にはしてはいけない。前世の乙女ゲームと同じで登場人物同士がキスするのをゴールにしてシナリオは書こう。登場人物の設定は…私の好きな王子と騎士で良いわよね。書きやすいし。攻めは腹黒王子で受けは伸長が低いのが悩みのおバカ系騎士!…完全に私の好みになってる…。まぁ、良いわよね。私が作るBLがこの世界では初めてのBLだもの。つまり私がルールなのだ。何でもありである。さて、冒頭は出会いからかしらね…。
私はシャルロットの存在を忘れ、シナリオ作りに全力を注いだ。
次に私の意識が現実に戻ってきた頃には空はオレンジ色になっていた。
あ、その前に土下座の体勢をやめよう。ずっとシャルロットに頭を下げるのは、なんとなくプライドに傷がつく。
えーと、次に考えるのはシナリオ?まぁ、それは私が考えればいいか。あとは、絵をどうやって大量印刷するか、よね。漫画だし、文字と絵を一緒に印刷できた方がいいだろう。…この世界ってどのくらい印刷技術が進んでいるんだろう?活版印刷くらいはないと小説すら高級品になる。作るものは庶民でもちょっと贅沢すれば手が届く位安くしたいが、それは多分活版印刷がなければ不可能だ。無いから作る、なんて言ってもただの学生だった私にそんな知識はない。うろ覚えの記憶を頼りにそんな物は作れない。試行錯誤すら出来ないと思う。これは課題だ。あとでお父様に頼んで印刷工場的な所に見学させてもらおう。
次は……あ、紙!印刷はとりあえず出来たものとしても、そもそもの材料である紙が高ければ意味がない。この世界だと紙っていくら?うーん、これは金銭感覚で高いか安いか別れるだろうな。出来るなら庶民の住む下町に行って実態を調査したい。しかしこればっかりは心優しいお父様でも許してくれないだろう。下町というのは貴族が一番行こうとしない場所だからだ。なので誰かに調査を依頼して紙の値段、庶民の職業別の一ヶ月分の給料、パンの値段くらいを調べて貰うことにする。
…私って何も庶民のことを知らないんだろうな。主食が何なのかすら分からない。とりあえず貴族と同じパンを調べて貰おうかとも思っているけれど、どうなんだろう。パンとは別に主食の食べ物も調べてもらった方が良いだろうか。
あとは…?特に見当たらないし、思いついたら考えることにしよう。
そうなると、今できることは限られている。私のできる最優先事項はシナリオを書くことだ。そうと決まれば早速書こう。
初めての人にだから、あまり過激にはしてはいけない。前世の乙女ゲームと同じで登場人物同士がキスするのをゴールにしてシナリオは書こう。登場人物の設定は…私の好きな王子と騎士で良いわよね。書きやすいし。攻めは腹黒王子で受けは伸長が低いのが悩みのおバカ系騎士!…完全に私の好みになってる…。まぁ、良いわよね。私が作るBLがこの世界では初めてのBLだもの。つまり私がルールなのだ。何でもありである。さて、冒頭は出会いからかしらね…。
私はシャルロットの存在を忘れ、シナリオ作りに全力を注いだ。
次に私の意識が現実に戻ってきた頃には空はオレンジ色になっていた。
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