203 / 203
第4章
パーティー そして2人のこれから...
しおりを挟むナギア side
「本日は僕達の祝のパーティーに来て頂きありがとうございます!
宴のように自由に盛り上がり楽しんでいってください。
もし、酔っ払いとかのトラブルが発生しましたら私がすぐに対処致しますので、よろしくお願いします!」
まだ来ていない人や神がいるが、先に来た人たちを待たせるのも申し訳ないので始める事にした。
元々食堂として使おうとしていた場所は、パーティーの為の飾り付けで見ていて飽きない様な会場になっていた。
パーティーが始まると、魔道具の力で人型になったエメラルドさんが最初にやって来た。
「やっと、お主らは契を交わしあうのだな」
「色々問題があったので仕方ないですよ。
人の体はどうですか?エメラルドさん」
「うむ、最初は戸惑いがあったが、慣れてみると小さな場所にすんなり入れて便利なものよ」
「もし、人型が気に入ったのなら、人化するためのスキルを会得する手伝いしますよ」
「本当か!?とても助かるぞ。
では、我はまだ見ぬ料理を食べてくるぞ!」
エメラルドさんは子供のように目をキラキラさせながら料理の方へ行ってしまった。
「お前ってこんなに顔が広かったんだな」
「ウィラルさんやプリティスさん等のデアトリーナ国の冒険者が来た時は驚いたわ...」
「そういえば、竹中と双葉はデアトリーナの方に行ってたもんね。
デアトリーナ国は僕達にとって気配消さなくてもいい環境だったから、仲良くなった人が多かったんだよ」
「なるほどな...ナギア、本当に幸せになれよ」
「私達も帰ったら頑張っていくからナギア君も頑張ってね!」
「ありがとう。
...僕のお墓の掃除は任せたよ!」
「「今言うこと!?」」
二人とそんな風に談笑した後、竹中と双葉は久しぶりに出会うウィラルやプリティスの方へ向かった。
「とうとう我が子が結婚か...今思うと、いつ結婚してもおかしくなかったのに遅いくらいだな!」
「あなたと違って、ナギアは純粋かつ堅実で謙虚なのよ。誰かさんと違って獣じゃないの!」
「ナギア君、リアをよろしく頼みますね。
ほら、あなたからも言いなさい。自慢の娘の人生でとても大切なイベントよ」
「分かってる...娘を幸せにしてやってくれ。リアの父親として複雑な気分ではあるが、ナギア君なら任せられる」
「例え世界を敵に回したとしても、リアを守り抜き幸せにしてみせます!」
「ナギア君...神様達が『そういうのは止めてくれ』みたいな表情になってるよ!?」
お父さんとお母さん、リアのお父さんとお母さんと様々な話をしていると、後ろからネオナに服を引っ張られた。
「お兄ちゃん...リルリアお姉ちゃんと結婚しても、また遊んでくれるの?」
「大丈夫だよ。結婚しても大きく変わることはないから、いつでも遊びにおいで。
モチとプ二もネオナが来るのを楽しみに待ってるからね」
「うん!」
ネオナは今までと変わらないと分かると、不安そうな顔からいつもの明るい表情に戻った。
笑ってくれたことに安心していると、横からあの神様が突っ込んできた。
『ナギっち~!私も毎日遊びに行っても良いよね?...むぎゅ!?』
すっ飛んできたティアディザス様をリルリアは片手で受け止め流れるように飛んできた方向に投げ飛ばした。
ティアディザス様はすぐに空中で急停止したが、その表情は驚いていた。
「ティアディザス様~今は私達が主役なので、引っ込んでいてくれませんか?」
『くっ...前より防衛が強くなっている...だと!?』
「私達は日々成長しているのですよ。いつもと同じだと思っていると痛い目見ますよ?」
『うぅ...これだといつまで経っても追い抜けないじゃない!』
「あ、あの、そちらの子はいったい?」
両親達はリルリアとティアディザスが目の前で言い争う光景に理解が追い付かず、ナギアに訊ねた。
「神様の一人ですよ。いつもの事なので安心してください」
「え?...この子が!?
いつもの事って、リルリアちゃんも苦労してるのね~」
お母さんは何故かニヤニヤしながら、言い争う2人を眺めて言った。
しばらく、言い争いが続いた後、二人は試合をするためなのか外に出て行ってしまい、二人が試合することに感づいた人達は試合を見るため二人の後について行ってしまった。
...まぁ、時間止めてるから時間が勿体ないという事がないから良いか。試合会場と観客席を創っておくか。
「あはは...二人の試合を見てきてはどうですか?
本気ではやらないと思いますが、どれくらい強くなっているかわかると思いますよ」
「自分の娘と小さな女の子の試合と思うと複雑な気分になるわね...さっきのを見るとリアが優勢という事がわかるけど相手は神の一人...面白そうね」
「言い忘れてましたが、あの人含めてあそこで『何てことだ...』みたいな表情をしている人達を神と周りに言わないで下さいね」
「...とんでもない事を今口にしてるけど、大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ。知られない様な対策をしているので、村の人達や冒険者達に気づかれることはないです」
「そ、そうなのね」
リアのお母さんは苦笑いした後、お父さんと僕の家族を連れて試合を見に行くのだった。
その後、担任のミィー先生やジャホーイ先生、貴族のハクシャなどの学園の人達やギルマス、神様達と会話をしてパーティーを楽しんだ。
少し疲れた僕は休憩かねて、テラスに出て夜風に当たることにした。
「リア達はまだやってるみたいだけど、何故か勇者同士の試合も始まってたな。
...あっ、やっと来たんですね」
上空から気配を感じたので上を見上げると、月の神であるセレネ様と黒の和服姿が特徴的な少女が降りてきた。
『意外と距離があったことを忘れてたのよ...
あの距離を一瞬で移動できることだけで貴方の異常性がわかるわ』
「僕は普通ですよ。
...そちらの方は?」
『...』
『ほら、私の後ろに隠れてないで出なさい!』
『うにゅ!?』
少女はセレネ様に掴み上げられ、僕の前に出された。
「...」
『...』
「...あの、夜の神様ですか?」
『!?...うむ』
「前世では僕に加護を与えて下さりありがとうございます。
この世界に転生する前にこのことを知った時、僕は一人じゃなかったんだ...と過去の辛い記憶が和らぎました。
ずっとお礼を言いたかったので、今日のパーティーに来て下さり本当にありがとうございます」
僕は今まで言えなかった感謝の言葉を伝えると、夜の神様は始めに驚いた表情をしていたが、話し終った時には少し照れてるいるのか顔が赤くなっていた。
『...ニュクス』
「名前ですね。覚えました」
『うん...』
『貴方達を見ていると飽きないわね~
それと、リルリアちゃんが来たわよ』
セレネ様は僕とニュクス様のやり取りが面白かったらしく、ニヤリと笑いながらリアが来たことを教えてくれた。
「...ナギア君、その人は誰?」
「前に言った夜の神 ニュクス様だよ。
やっと会えたから、今まで言えなかったお礼を言っていたんだ」
「あっ...なるほど、少し勘違いしちゃいました」
リアは僕の話を聞き状況を把握すると、何故か放っていた不吉なオーラが四散した。
「では、パーティーはまだまだ続けるので楽しんでいって下さい!」
『ありがとう、沢山楽しませてもらうわね。そして、二人とも結婚おめでとう』
『...招待ありがとう。
私も二人のこの先の未来が幸福が舞い降りることを願います...』
「「ありがとうございます」」
セレネ様とニュクス様の二人は他の神達にも挨拶する為、室内に入るのだった。
「皆すごい盛り上がってるね。ナギア君、魔力の方は大丈夫?世界の時を止めてるなら相当魔力消費してるよね?」
「うん、大丈夫だよ。世界のシステムを少し解析したからか、思ったより消費が少なく自然回復だけで余裕を持ててるよ~」
「やっぱりナギア君は凄いね」
僕達のパーティー会場以外は時を止めているからか、試合をしている方向からの歓声はよく聞こえた。
ときどき「ナギアさんに比べれば怖くない!」とか聞こえてくるが、それは気のせいだろう...気のせいだと思いたい。
「勇者達も強くなったね。帰還ゲートの方はどう?」
「思ってたより早く完成することができたよ。
時を止める魔法を使いながらの作業を考えて約1年かかると思っていたけど、さっき言ったシステム解析したおかげで効率が上がって完成したんだ。
でも、勇者達はまだエスポワにいたいと思っているから、始めに言った通りに還す予定だよ」
「完成して良かったよ」
「ねぇ...リア、勇者達が還ったらゆっくり暮らそう。もしくは、まったり旅とかね。
今までも静かに暮らしてきたけど、問題事が沢山あったからゆっくりできてなかった気がするんだ。
リアを知らないうちに傷つけていたこともあるだろうから、その分も長く一緒にいよう」
「もぅ...いつも一緒にいるのにね!
じゃあ、エスポワを隅々まで旅しよう。転移は禁止でスクリード村からのスタートでね」
リアは一瞬驚いた表情を見せた後、目の端に涙を溜めながら笑顔で頷いた。
「きゅぴ...」
「もきゅ...」
「おいで、お前らも僕らの大事な家族なんだから気を遣わなくていいよ」
「きゅぴー!!!」
「もきゅー!!!」
室内からチラッと顔を出していたモチとプ二に手を広げ「おいで」と呼びかけるとすごい勢いで飛びついてきた。
「さぁ、まだまだパーティーはこれからだから行こう!」
「うん!」
ナギアはリルリアの手を引っ張りパーティーを大切な人と大切な仲間と楽しむため、皆の場所に向かうのだった。
======================
どうも!こんにちは
最終回...?です!
最終回はどういう終わり方が良いのか分からず、こんな感じになってしまいましたね。
これからは、番外編とずっと書けていない閑話、助けてナギア君を書いていくと思います。
(※不定期更新になるので、月に1度見て「何話か更新されてるじゃん。ラッキー」くらいで読んで頂ければ良いなと思っています)
番外編でこんな話を書いてほしいなどありましたら、ご遠慮なくおっしゃって下さい!
内容にもよりますが、書けそうなものは書いていくつもりです(^^)
(順番がバラバラになってしまって、読みづらくなってしまったらすみません)
ここまで読んで下さり
ありがとうございました!
3
お気に入りに追加
9,441
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(586件)
あなたにおすすめの小説
異世界でのんびり暮らしたい!?
日向墨虎
ファンタジー
前世は孫もいるおばちゃんが剣と魔法の異世界に転生した。しかも男の子。侯爵家の三男として成長していく。家族や周りの人たちが大好きでとても大切に思っている。家族も彼を溺愛している。なんにでも興味を持ち、改造したり創造したり、貴族社会の陰謀や事件に巻き込まれたりとやたらと忙しい。学校で仲間ができたり、冒険したりと本人はゆっくり暮らしたいのに・・・無理なのかなぁ?
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
昔の作品にツッコミ入れても意味ないかもしれんが、ステータスにMPあるのに魔法使うのに魔力消費するとプロローグで神様が説明してるな....奇抜な設定なのか作者の知識不足なのか誤植なのか知らんけど。
ギルマスみんなの前で圧倒した後に
「あまり目立ちたくないので」
は意味わからん笑
ゴリアンパワー
良いと思わせる名前