193 / 203
第4章
勝負に関するメール
しおりを挟む白羅 side
ナギアさんがプロポーズをしているであろう期間に、僕達はイソーギス国に集まりクラスメイト全員と、集まってくれたとある人達と連携の修行や装備の確保など、ナギアさんとの勝負に向けての準備を行っていた。
何故、イソーギス国に集まるかというと勇者達の多く獣国の方に行っているのもあるが、イソーギス国の学園に[どんな強力な魔法でも耐える]という結界を用いた大きな訓練場が出来たからだ。
クラスメイトの誰かが、その訓練場で修行したいと言うとことで、その学園の学園長であり、イソーギス国のギルマスでもあるウボトゥアさんに「使わせてください」と頼み込みんだそうだ。結果、「授業で使う時以外ならいつでも使っても良い」と快く了承してくれたらしい。
...どんな強力な魔法でも耐えるという結界...ナギアさんが関わっているような気がするのは気のせいかな?
約1ヶ月間の間、僕達の持つチート能力やスキルを使って連携や相性の良い組み合わせなどを考えたりした。
僕がこの【エスポワ】に来る前からゲームや漫画、アニメをあまり触れなかったこともあるのか、皆の出す意見や提案などの量にはとても驚いた。
「どうしてこの組み合わせを?」と聞いたりすると秒間髪で答えてくるので、僕は2度目の衝撃を受けた。
そんなこんなで皆と修行をしている時にナギアさんからのメールが届いたのだった。
「あっ...とうとう来たよ」
「本当ですね...」
「上手く皆に合わせられるか不安だよ...」
「大丈夫よ!最後にナギアさんと戦った時よりも、私達は何倍も強くなっている!......と思う」
「そこは、言い切ってよ!?」
「『僕を倒せ!』じゃなければ勝機はあるよ!
...もしそれだったら、やれることだけの事はやって負けよう。そして、ナギアさん達を盛大に祝おう!」
「くぅ~頼む!
私達でも勝機のある勝負でお願いします!」
何故か盛り上がりをみせるクラスメイト達を横に僕はナギアさんからのメールを開いた。
『
勇者達へ
勝負内容を発表しにきたよ~
勇者達の事だから今頃修行をして、この発表を楽しみにして待っていたのでしょうね。
ちなみに、今回は最後にメールした時から勇者達が何をしているのかを把握しないように、この1ヶ月間は情報収集用の影達は解除してたんだ。
だから、意表を突くようなことをしてくるのを楽しみにしているね!
では、
勝負内容は『ナギアとの試合』です。
ですが、普通の試合だと僕が勝つ確率が高くなってしまうので、僕に対する縛りルールを追加します。
(あっ、もし最初から全力でかかってこい!というのなら、会った時に言って下さい)
追加する縛りは
・レベルを下げる魔道具の着用
・武器の持ち込み禁止(作るの可)
・指定された空間以外の空間に逃げるの禁止
・相手を操ったり洗脳すること禁止
・影を生成すること禁止
・強力な魔法の使用禁止
を付けようと考えてますが、他に付けろというのがありましたら、言って下さい。
それでは、
下記のURLで試合場所に転移できるので、準備が出来たら押してください。
ナギアより
』
...あぁ、何処からツッコミを入れればいいのか困る。
僕達のしている事が分からないように、影を解除したということは、今までの僕達の行動は全て見られていたという事なのか...
ナギアさんの事だから、あり得るとは思ってたけど、このメールで確信したと思う。
縛りの追加はこちらにとってはとても嬉しい事だ。
ナギアさんが自分自身に既に追加している縛りルールを見ると、改めてナギアさんが化け物じみている事がわかる。
何度もこの感覚を味わっているのに毎回慣れない...いや、慣れては駄目なんだ。
レベルを下げる魔道具とはどういう物なのだろうか?
前にナギアさんが自分のステータスが全てエラーだと言っていたから、レベルは桁がおかしいほど高いのだろう。
そこから下げるといったらどれだけ下げて貰えるのだろうか?
...出来れば300以内まで下げてもらえれば勝機があるんだけどね。
武器の持ち込み禁止というのは何となく分かるけど、ナギアさんにとっては特に問題ない縛りだろう。
素手で剣を粉々にする事も可能だし、魔力操作で各属性の剣を創ることもできる。
...ここは、あの作戦が上手く行けば対策ができるな。
指定された空間以外の空間に逃げるの禁止というのは、そのままの意味だろう。
ナギアさんのことだからそんな事はしないだろうけど、出来てしまうから一応縛りとして追加したのだろう。
空間って普通に受け入れてきたけど、よく考えると一体なんなのかわからなくなってくる...止めよう。
相手を操ったり洗脳すること禁止...うん、これは禁止ですね。
そんな事されたら勝ち目どころか勝負にならないですね。
影を生成すること禁止というは、本当に嬉しいことだ。
ナギアさんの代表的な魔法の一つの闇魔法から創られる影は本人と見破る事が出来ないし、様々な能力を追加が可能というところがチートだ。
数でこちらが有利と言っていれば、影を沢山生成されて数に押されて負けるというのもあり得る。
強力な魔法の使用禁止...流石に魔法1発で終わらせる事はないと思う。
ナギアさんは試合をする時、必ず先手を譲り相手の技やスキルを見てから倒す所がある。
今回の勝負でも必ず僕達の技を見てから動くと予想している為、いくつか作戦は用意してある。
確実に決めていかなければ...
そして最後...
URLを押せば転移出来るって信じられないような事が書いてある!?
確かに下の方にURLが青く表示されているけど、どんな技術がこのスマホに組み込まれているのか、分からなすぎて動揺を隠せない。
「み、みんな準備は出来た?」
「お、おう。このURLを押せば試合の場所に転移出来るって、未来より未来な技術だよな...」
「お前...気持ちは分かるが、日本語おかしくなってきてるぞ」
「ワンクリック転移...」
「そこ!詐欺みたいに言うな」
「じゃあ、準備出来たみたいだから行こうか。
あっ、このスマホというのを持っていない方は、持っている人の手をとってください。
多分、それで一緒に転移できます。
では、行きましょう!」
この時の為に僕達は様々な事を試したり、試合に役立ちそうな魔道具も集めてきた。
後はやれる事を全力でやるだけだ。
僕達はナギアさんのメールから転移するのだった...
======================
どうも、すみません。
昨日は更新出来なくてすみません。
いつも1500~2000字を目安に書いているので
昨日の分の文字数を今日と明日に追加するように書きます。
(1500字以内の話もありますが、それはすみません)
URLやリンクをタッチするだけで転移...
そんなのがあったら、
家から会社、学校、ゲーセン、その他への移動が楽になりますね~
(絶対そんな技術は出来ないと思いますがねw)
11
お気に入りに追加
9,466
あなたにおすすめの小説

異世界でのんびり暮らしたい!?
日向墨虎
ファンタジー
前世は孫もいるおばちゃんが剣と魔法の異世界に転生した。しかも男の子。侯爵家の三男として成長していく。家族や周りの人たちが大好きでとても大切に思っている。家族も彼を溺愛している。なんにでも興味を持ち、改造したり創造したり、貴族社会の陰謀や事件に巻き込まれたりとやたらと忙しい。学校で仲間ができたり、冒険したりと本人はゆっくり暮らしたいのに・・・無理なのかなぁ?

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる