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第4章
ナギアの作ったスマホ
しおりを挟む竹中 side
「お疲れ様でした。
とりあえず、SSランク程度の魔物なら余裕で倒せるくらいまで強くなったと思うけど、異世界では何が起こるか分からないから、しっかり気をつけるんだよ。
それと、収納用魔道具に勉強道具もいれたから、暇を見つけたら勉強するように!
帰る前に簡単な試験やるから、それで酷い点だったら...分かるよね?
収納用魔道具には緊急用に使えるやつもあれば、便利な魔道具も作って入れてあるから、後で確認して役立ててね」
6ヵ月間という感覚を味わった長い1日の修行が終わり、俺達はナギアの修行から解放された。
ナギアの修行を受けたおかげで、今では他の勇者達のどんな攻撃でも防げるまでに成長したし、自分の魔力を7割以上も消費して出せてた魔法も何十回連発しても余裕な程魔力も増えた。
勉学の方もナギアのスパルタに何時間も続く授業は、俺達の勉強に対するやる気を強引に上げてくるので、ぶっ続けで勉強しまくった。
正直、難関な大学とか余裕で百点取れると思えるほど勉強した。
どの内容が教科書の何ページ何行目にあるかを全て覚えているし、応用勉強と言いながらナギアが地球にある大学の資料や専門学校の教科書、検定類を3桁いく量まで頭に叩き込まれたから、もう何も怖くない...
「あっ、忘れるところだった。
みんなにコレを渡しとくよ」
ナギアはふと何かを思い出すと、俺達の手元にスマートフォンに似た電子端末を出現させた。
「みんなスマホの使い方も忘れてそうだから、これで思い出してね。
機能としては
・ブルーライトカット
・充電は魔力で可
・防水機能
・クリーン
・魔法攻撃無効
・破壊無効
・デザイン変更可
...その他色々と機能を付けたスマホだよ。
基本的なスマホの機能は同じだから、連絡取り合うことも出来るし、電波は常に良好。
やりたいゲームや欲しい機能とかの要望があるなら、質問コーナーというアプリから送ってくれれば作るからね」
「ナギア...これってどうやって作ったんだ?
プログラムとか出来たのか?」
「いや~プログラムについても勉強してみたんだけど、言語が沢山あって面倒くさくなったから、自分がわかりやすい言語を作ったんだよ。
まぁ、ちょっとイメージを機械に組み込むだけの作業だから簡単だよ」
俺はナギアが作ったスマホについて、聞いてみると予想以上の答えが帰ってきた。
ダメだ...
何度ナギアがありえない事を俺達の前でやって見せてきても、慣れずに毎回驚いてしまう。
俺達はナギアの説明に呆れながらも、他のクラスメイトと連絡先を交換を始めると、ナギアがすごい機能を教えてくれた。
このスマホの驚くべき所は話しかけるだけで全て行ってくれることだ...そう、全てだ。
普通のスマホなら
「〇時に起こして」と言えば「〇時にアラームを設定します」と返されて設定されるが、ナギアのスマホの場合、
「起こして」と言うだけで「時間は〇時くらいに起こすのが丁度いいですね。近くに魔物の気配もないのですが、結界を展開しつつ回復効果を持つ香りを発生させます。
何か問題が起こった場合起こしますので、ゆっくりお休みください」と言った後、様々な機能が発動されるそうなのだ。
試しに「連絡先の登録をお願い」と頼んだ結果、
「近くにいるあなたのクラスメイトの連絡先を自動で登録しました。
お気に入り設定として、『双葉 葵』の連絡先を先頭に置きました。
説明として、暗く名前が表示されている場合、その人は現在、連絡をとることが出来ない状態を指します。逆に名前がの欄が暗くなければ連絡が可能となります。
現在、全てのクラスメイトの方と連絡が可能です」
というふうに返された。
...色々ツッコミたい所はあるが、この連絡が出来るか出来ないかで名前の文字を暗くする機能は、所有者の気持ちを読み取ることで、「今は連絡したくない」と考えれば、相手のスマホからは名前が暗く表示されるそうなのだ。
本当にナギアは凄いものを作ってくる...
「それじゃあ、事前に行きたいと言っていた場所に行けるように『扉』を作ったから、準備でき次第行ってらっしゃい」
ナギアは一つの扉を出現させている間に俺達は最後に荷物整理を行い、ナギアの前に全員並んだ。
突然の行動に目を丸くするナギアは、察したのかニヤついた。
「ナギアさん、僕達を見捨てずにここまで鍛えてくださり、ありがとうございます!
僕達はもっと広い視野を持ち、この異世界を楽しもうと思います」
「うん!頑張ってね。
勇者達の旅がかげがえのない大切な思い出となる様に祈ってるよ」
白羅がみんなの代表でナギアにお礼をいうと、ナギアは今まで見せたことないような優しい笑顔で喋った。
...そんな笑顔も出来たんだな。
「じゃあ、帰還ゲートが出来たらスマホに連絡するね~」
「わかりました。
あっ!結婚式やるのでしたら絶対呼んだくださいね!
僕達は貴方の弟子として祝いたいです!」
「え?...まだ、プロポーズもしてないよ?」
「じゃあ、しましょう!
今ここにリルリアさんがいないという事は本体は別の場所にいるのですよね?」
「あっバレてたのね。
ちょっとイソーギス国の学園に呼ばれてたから行っているよ」
「なら、プロポーズしましょうよ!」
「なんで、そうなるかな?
ただ見たいだけじゃないの?」
「見たいです!
みんなも見たいよね!」
何故かクラスメイトの1人がナギアとリルリアの話題に変わり「プロポーズ」しようという流れになってきた。
そのせいで、恋愛話など好きな女子達もナギアの背中を押す様に話し始めた。
正直、ナギアのプロポーズする所を観てみたいな。
「あー、もう...分かったよ!
今度プロポーズするよ...だけど、その映像を見たいなら、試合で僕を一歩でも動かせたら見せても良いよ...
それ以上は譲らないからね!
一ヶ月後にまた連絡するから、さっさと好きな場所に行って!」
ナギア...ナギアの影は真っ赤になっているであろう顔を隠しながら、シッシッと手を振って俺達を扉に入れと言ってきた。
俺達は絶対に試合でナギアを一歩でも動かしてやると決意し、連絡を取り合いながらそれぞれの行きたかった場所に行くのだった...
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