死んだのに異世界に転生しました！

第4章

白羅達のコンボ

白羅 side

ナギアさんに｢修行の成果を出す時｣と言われた僕達はメリルが吹き飛んでいった壁穴を見つめ気合を入れ直した。


『絶対に許さないぞぉ！』

遠くから大きな怒声と共にすごい勢いでメリルがすっ飛んで来た。

｢お前の相手は僕達だ！｣

『邪魔だ！』

メリルが手に魔力をためて振りかざすと炎の波が僕達の方に押し寄せてきた。

｢任せて！｣

峰内が一歩前に出ると炎の波に向かって風の刃を複数飛ばした。すると、炎の波は風の刃によって所々掻き消されて原型を留めることが出来ずに四散した。

｢みんなの能力を上げるよ！｣
｢私もかけます！｣

双葉と一梨は僕達にステータス上昇系の魔法や能力を発動してくれたお陰で力が漲ってきたので、急いでメリルの後を追うように追撃を始めた。

｢はぁ！｣

『！？...くぅ...』

本気で剣で斬りかかるとメリルは振り返り剣で受け止めるが、双葉や一梨のお陰で能力上昇している白羅の力に驚き、真横に吹き飛ばされた。

｢まだ行くよ！｣

『ぐはぁ！...あぁ！』

｢えい！佐倉！｣

メリルが吹き飛ばされる事を予想していた月坂は先回りしてメリルに短剣2本突き刺して止めると、上空に斬り上げて佐倉の方へ蹴り飛ばした。

｢(フレイムロック)と(アイス)｣

佐倉は飛んできたメリルを燃える岩で受け止めた。そして、メリルを包み込むように燃える岩を操作して閉じ込めると、その岩を一瞬で凍らせた。
佐倉は僕達の中で1番魔力操作に長けている。そして、ナギアさんの修行で初級魔法の威力の出し方や組み合わせのコツを教えてもらった事で様々な事が出来るようになっていた。

｢白羅君！｣

｢わかった！ はあぁぁぁ！！！｣

僕は魔力を剣に込め、凍らされた岩ごと真っ二つに切り裂いた。
ナギアさんの指導のもと聖魔剣技の技を改良した一撃なので、Sランク魔物でも一撃で倒せる威力を持っている。

いつもならこれで終わっただろと思いたいが、相手は悪魔だ......これくらいじゃ倒れないかもしれない。


『あ......ぁぁあ...ゆ、ゆるさ...ん』

真っ二つに割った岩を警戒していると、頭以外身体が半分になったメリルが大量の血を流しながら岩から出てきた。

追い込まれた敵や魔物は何をしてくるかが分からないから絶対に注意することとナギアさんに教わった事があるが、まさに、この状況を指しているのだろう。

『アアァァアアァァァ！！！』

瞬間、メリルの目の前に白い球体が出現すると徐々に大きくなり始めた。

｢！？...まずい！あの攻撃を止めさせるんだ！｣

佐倉達は大きくなり続ける白い球体を四散させるために魔法を放ったりするが、白い球体に吸収されるように飲み込まれてしまった。

｢それが駄目なら本体だ！｣

僕はすぐメリルの後ろに回り込み首を跳ねた......しかし、白い球体は四散することは無かった。

｢ナギアが言っていたのはこの事なのか...
完全にあいつの手のひらで踊っているみたいだな...｣

竹中が焦り始めた僕達の前に出ると、足元に魔法陣を展開し始めた。

そうか、竹中の能力は守護神と結界魔法だったね。
ナギアさんがこっちに残したのもメリルの強力な技を防ぐためだったのか...

｢行くぞ！『守護の壁』｣

竹中は僕達を守るように半球体型の壁を生成した瞬間外から凄い爆発音が響いてきた。


｢この魔法、一定時間解除出来ないから、その穴を通って出よう｣

爆発音が収まった後、竹中が指をさした反対側の方に空いた穴を通って出ると、ナギアさんの張った結界を張っている場所が分かるように部屋の一部が無くなっていた。

｢終わった...か...｣

｢うん、お疲れ様～｣

メリルの姿や気配もなくなり僕達一息つきながら床に座り転げると、ナギアさん達がやって来た。

｢良いコンボが決まってたね！
相手の予想外の力で吹き飛ばし、怯んでいる隙に相手の体力をごっそり持っていく...更に仲間の方に蹴り飛ばした後、燃えた岩で焼くように閉じ込め、一気に冷やす。最後に体温調整に間に合わない敵を岩ごと真っ二つ！
聖魔剣技の属性を剣に上乗せしたから、悪魔には大ダメージだったね～

竹中達もありがとう。
悪魔の最後の一撃は魔力の他に自分の魂をエネルギーに変えて発動してたんだ。
だから、あの壁を作ってもらえなかったら、白羅君達でも耐えられなかったよ。

...さぁ！後処理を始めないとね｣


ナギアさんは1通り僕達のした事を褒めてくれた後、すぐに後処理の準備を始めだした。

ナギアさんが言っていた｢魂をエネルギーに変えていた｣という事なら、僕がメリルの首を飛ばしたのにも関わらず魔法が止まらなかったのが納得できる。
あくまで推測だが、僕が行動を起こした時には既にメリルの魂はエネルギー化しており、そのエネルギーを得た白い球体はエネルギーと一緒に入った意志によって大きくなり続けたのだろう...

僕達はナギアさんの手伝いをするため、城の壊れた部分を修復し始めたナギアの元に駆け寄るのだった...




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どうも！こんにちは

oh......
過去の戦闘と被り過ぎるのは嫌だから、何かないかと考えたが全く浮かびませんでした(^^;
書きたい感じにもっていけるようになりたいですね。

次は後片付けですね～