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第4章
ギルマス達と説明
しおりを挟むナギア・ハールトークとリルリア・アルファティスが指名手配されてから2日程が経過した。
2人がナータリャクラ国の王様を殺し指名手配となった事は人族の大陸に広まり、ナギア達を知らない冒険者達は賞金目的で2人を探し回ったり、情報を集めたりしていた。
その中、マルアンダ国 冒険者ギルドの会議室に各国のギルドマスターが集まった。
「これから会議を始める。今回の題は分かっていると思うが、『ナギア・ハールトークとリルリア・アルファティスの王族殺し』の件だ」
「ナギア達が王族を殺すような奴ではないぞ?
ナータリャクラ国の何かの企みではないかの?」
「全くだ!あいつがそんな事をするはずが無い」
会議が始まると同時に、イソーギス国のギルマス ウボトゥアとデアトリーナ国のギルマス ゼルフィスがナギア達を擁護する様に発言した。
「私もそう思いますわ。あの子達の実力ならバレること無く暗殺すら出来るはずです。
そして、争い事が苦手なあの子達にとってメリットがないもの」
ナータリャクラ国のギルマス グリディーナもナギア達はやっていないと言った。
「まぁ、待て。誰もナギア達が犯人だとは言っていない。
確かにあいつらがその気になれば大陸ごと吹き飛ばす事も可能だろう。
今回の件は国側が怪しいとは私も思っている」
「そうですね。私達がこうやって集まりやすくしてくれたのも、ナギアさんの力ですし考えられませんね」
「ギルド側としては何とかして上げたいところだが、何かいいアイデアはないだろうか?」
「国からの依頼は断ることは難しいから、2人が無罪という証拠を見つけなくてはならない。しかし、証拠を見つけるには城に侵入して探すしかないので不可能ですね」
ギルマス達の考えは国側に問題があり、ナギア達の犯行ではないと結論になった。
そして、どうしたらナギア達の無罪を証明できるかを考え始めた。
「国側に問題があるとしたら、こちらから動く事も難しいですね。下手に行動に出れば、国側に攻めてこられるかもしれないですしね」
「中々浮かばんな!」
「いっその事、ナギア君も呼んで見るのはどうじゃ?」
「しかし、何処にいるのか...」
「呼びましたか?」
「そうだよな...何処にいるか分かりませんもんね」
「おーい、いるよ~」
「...来たわね」
「「「「...はぁ!?」」」」
ナギアが何処にいるか話し始めた直後、会議室の部屋の端からナギアとリルリアが現れた事に、ギルマス達は驚き呆れた表情をした。
「いや~呼ばれた気がしたので来ました」
「こんにちは」
「貴方達は本当に神出鬼没ですね。
聞きたい事があるのだけど、分かるわよね?」
「はい、さっきまで他の国の王様にも説明してきたところです。
僕達が見た事をお話します」
ナギアは会議室の机の上に、ナータリャクラ国の城のホログラムを作り出してから説明を始めた。
「異世界から勇者が召喚された事を知った僕は、ナータリャクラ国について調べた結果、宰相の野望が関係していました。
どうやら宰相は世界征服をしたいが為に、勇者達を召喚するメリットを、殺されてしまった王様に伝えて召喚を行ったそうです。
特に何も起こってない時期に異世界から勇者達を無断で呼び出していたのは、こういう事だったのです。
召喚し終わった後に、宰相は城の地下で勇者達の召喚陣を解析したり、何かしているようだったので直接見てきました。
地下にあったのは研究施設で、何やら人型の何かを作っているようでした。
その後に、何故か王様殺しとして指名手配されてしまいましたね」
「質問なのだけど、ナギア君なら直接見に行かなくても、見る事が可能じゃないの?」
「地下にだけ色々な結界が何重にも張ってあったので、影だと掻き消されてしまうんですよ。僕達が行った時も結構大変でしたね」
「まさか、そんな事のためだけに勇者達を召喚したのか...愚かじゃの」
「一応止めようとしたのですが、考え方を変えることは出来ませんでしたね。
勇者達にも色々術式が施されていたので、危険そうなのは解除しておきました。ですが、まだとれてない術式もあるかもしれないので、警戒は必要ですね」
相変わらずのナギアに驚きよりも溜息しか出ないギルマス達は、現状のナータリャクラ国の城内を知る事が出来たのでナギア達に礼を言った。
「ナギア君とリルリアさん、問題が解決するまで指名手配という大変な状況になってしまいましたが、私達に出来ることがあったら言ってくださいね」
「ありがとうございます。ですが、今は大丈夫ですよ。いつも街歩く時は気配を消していたのでバレませんし、生活している場所が滅失の大陸なので襲われる事もありません。
僕の心配よりも勇者達の方を優先してあげてください。
こちらも命の危険が迫ってたら助けに入りますが、異世界という知らない世界を旅をするのは不安だと思いますしね」
「わかりました。
2人とも、気を付けて下さいね」
「「はい!」」
指名手配というのにも関わらず、全く気にしていない2人にギルマス達は驚いていた。
話が終わったナギア達は会議室から転移でいなくなるのだった...
======================
どうも!こんにちは
これで周辺の人物に事情が伝わりましたね。
次回は白羅君達を書くと思います。
2日経ったということは、それなりに強くなっているでしょうね~
(まず、出てこれるのかな?)
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