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第4章
次元の違う強さ
しおりを挟む現役魔王 デハル side
やはりナギア・ハールトークという人物は恐ろしい程の力を持っておるな。
幻術魔法や初見殺しの技が全く効かない。挙句の果てには、後ろに回り込まれ蹴り飛ばされてしまった。
蹴り飛ばされた時、我は村を一つ滅ぼせる程の魔法をも防ぎきることの出来る魔法を発動したが、ナギアに何かされたのか魔法は一瞬で掻き消された。
勝てない事は会った時からわかっていたが、息子のデスタがナギアの事をよく話していた為、その強さを実際に見てみたかった。
しかし、その強さは我の予想を大きく上回ったていた。
我から見てナギアはまだ力の1割も出していないだろう。
...ナギアなら我の全力の力を出しても大丈夫だろう。
「いくぞ!ナギアよ!!!」
変わらぬ笑顔のナギアに我が普段から抑えていた魔力を解放すると少し驚いた表情をした。
「まずは、お主を弱体化してやろう」
「うわっ...半分以上下がったかな?」
「そこまでわかるのは流石だな。だが、気付いてからでは遅い!」
我は弱ったナギアに向けて、闇と炎と雷を使った千近くの球体を生成し放った。
倒せはしないが、この数の混合魔法を捌くとなると疲労はするだろう。
これだけでは足りないと思い、各球体がナギアを襲うタイミングを見計らって更に拘束系の魔法を何重にも発動すると、ナギアは抵抗もなく拘束されるが、表情に変化があった。
「あっ...やばいかな?」
「警戒しなかったお主のミスだな」
焦りの言葉を出すナギアに千近くの球体が襲うと、一つ一つの玉が着弾する事に各属性の柱が立った。
ナギアが焦っていたのは、我の拘束の魔法の効果が原因だ。
・ステータスダウン系
・魔法封じ
・体力吸収
・魔力吸収
・魔法ダメージ増加
・呪い付与
・五感封じ
......と沢山の効果を縛った相手に与える拘束魔法だ。
普通の人族なら鎖に捕まったら数秒で死ぬような効果を持つ拘束魔法を沢山何重にも使うのは始めてだが相手は化物以上の存在だ。正直、これで倒せる気がしない。
全ての球体が着弾し終わり土煙が辺りを覆ったので、我はナギアの状態を確認しようとした。
瞬間、首元に刃が添えられた。
いつの間にかいたナギアが後から笑顔で刃を持ちながら立っていたのだ。
「2度も後ろをとられるか...
一つ聞きたいのだが、どうやってあの状況を脱した?」
「デハルさんの拘束魔法を全て解析して、それに合わせたスキルを取得したりして脱しましたよ。
[魔法封じ]をされた時は焦りましたが、外に放出する事が出来ないだけで助かりましたね。
完全に封じられたら危なかったです」
「あの状況からスキルを取得とは...
お主のことだ、魔法全て封じても手があるのだろ?」
「...ありますよ。ですが、1vs1の闘いで卑怯な気がするので使いたくないのですよ」
「お主自身の能力なら卑怯などとは思わんよ。
闘いの敗者ではあるが、その方法を教えてくれないか?」
「良いですよ。
元々作ってある闇魔法の影を身代わりにするのと、身体に影響があるかもしれないですが、強引に魔法を発動させるというのも手ですね」
「影は何となくわかったが強引に発動させる事が出来るのか?」
「あの拘束魔法は効果が早くて分かりづらいですが侵食型でした。そして、自分の耐性スキルで少しだけ魔法を発動できる時間があるので、その隙に一気に魔法や魔力などを放出するだけです。
魔法封じの侵食中にやるので、体への負担は大きいですけどね」
「...なるほど」
やはり、ナギア・ハールトークの実力は化物以上だった。
拘束魔法が侵食型と言っていたが、誰も侵食型とは思わないだろう。
侵食の効果が早い?...いや違う、ナギアの感じる速度が異常なのだ。
ナギアの発言を別の事に例えるならば、光が体を反射する前に反射できないようにすると意味の分からないことを言っているのと同じだ。
ナギアの説明から強さの次元が違う事がよく分かった。
我のとっておきの拘束魔法や幻術魔法、高威力の魔法も簡単に破り、目に見えぬ速度で後ろに回り込まれる......人族嫌いの魔国が人族に攻め込まない理由を十分理解した。
「では、みんなの所に戻りましょう」
ナギアは始めと変わらない笑顔で観客席で見ていたデスタ達の場所に戻っていくのだった。
「...デスタの友で本当に良かった」
我はナギアの後ろ姿を見ながらそう呟くのだった...
======================
どうも!こんにちは
今日で今年最後ですね...
本当に1年をあっという間に感じます。
来年もよろしくお願いします!
閑話...間に合いませんでしたm(_ _)m
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