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第4章
久しぶりの米
しおりを挟む白羅 side
モチとプニの散歩を始めて何時間か経過した。
日は沈み始め空が綺麗なオレンジ色に染まった光景は、疲れきった僕達の心を癒してくれた。
「もきゅ!」
「きゅぴ!」
散歩を始めた時と変わらず元気な2匹の後を付いていくと大きく開けた場所に出た。
そこには、大きめの家が一軒建っていた。
モチとプニはその家に向かうように進んでいくと、家の中から1人の少年が出てきた。
...僕達に『散歩』というお題を出したナギアだ。
「おかえり
夕食が出来たから入ってどうぞ。
多分喜んでくれると思うよ」
ナギアはそう言いながら、僕達に何かするように指を軽く振った。
「え?」
気が付くと、魔物の攻撃でボロボロとなった装備や服が、新品同様に綺麗になっていた。
さっきまで落ちていた気持ちも楽になり、まるで快適な朝を迎えた時のように気分が晴れやかだった。
「ん?勝手に装備を直してしまってごめんね。
なんか見ていて痛々しかったから、回復魔法もしといたんだ」
「あ、ありがとうございます」
クゥ~ゥゥ...
僕達はナギアにお礼を言った瞬間、回復してもらって安心したのか、お腹から辺りに響くような音が鳴った。
「ぷっ、皆お腹空いてるみたいだし早く上がってどうぞ」
大きな音を鳴らし恥ずかしく感じている僕達に、ナギアに早く上がるようにと言われ、ナギアの家にお邪魔することとなった。
「初めまして私はリルリアと申します。よろしくお願いします。 席を用意しといたから座っちゃってください」
「ありがとうございます」
薄桃色の髪をした少女が僕達に席に座るように言った。初めて見た時と同じ服装で、その上にエプロンをしていた。
佐倉達はリルリアの可愛らしい容姿に驚いて、一瞬言葉を失っていた。
僕と月坂は1度会ったことがあり驚きはしなかったが、この人は可愛い容姿の裏腹にナギアと同じくらい強いと感じてる。
リルリアの殺気を受けた時に、身体中の血が引いていく感覚は今でも忘れられない。
ナギアの家は日本の家を思い出させるような内装をしており、ここが異世界という事を忘れさせてくれるような安心感があった。
僕達は椅子に座り、目の前に並べられた料理の数々に驚くのだった。
「これって...米ですか?」
「そうだよ。この世界では広まってなかったから、探して育て輸出してるんだよ。
デアトリーナ国やイソーギス国、ナハティスタン国には広まりつつあるよ」
ナギアの説明に感心しながら、僕達は目の前に出されたご飯を口に運んだ。
久しぶりに食べた米の味は箸が止まらない程、とても美味しかった。
一緒に出された肉料理や魚料理は、白米との相性が良く僕達はナギア達の前なのに関わらず勢いよく食べるのだった。
ナギア side
「「「「「ご馳走様でした!」」」」」
久しぶりに白米を食べたのか、勇者達はいい食べっぷりを見せてくれた。
料理を作った側としては、美味しそうに食べてもらえるというのは嬉しいことだ。
「ナギアさん、質問しても良いですか?」
「良いよ」
「この家の外見や内装、料理や米...
ナギアさんは私達がいた国、日本を知ってますか?」
佐倉は食事を済ませると、ナギアに質問をしてきた。
その質問の内容にナギアは思わず笑みを浮かべた。
「やっぱり、そう予想するよね。
僕は日本を知ってるよ」
「!?...では私達のように召喚されたのですか?.........それとも転生ですか?」
佐倉はナギアが日本を知っていると言った瞬間、食いつくように召喚されたのか聞いてきたが、ナギアが反応を示さなかったので、声量を下げて転生したのか聞いてきた。
「いろいろあって転生したんだよ。だから、勇者召喚されて日本人が来たと知った時はびっくりしたね」
「そうだったんですか...
ナギアさんは、どうしてそんなに強いのですか?」
従魔やドーイ達の話、滅失の大陸に住んでいることから強いと判断したのか、ナギアにそんな質問をした。
「生まれた時からずっと修行をしてたんだ。
弱ければ何も守れない...だから、強くなる為に努力したんだ。
先に言っとくよ。
この世界はレベルも大事だが、それ以上に能力やスキルを上手く使えるかが重要だよ」
ナギアの回答に佐倉は納得した表情を浮かべた後、別の質問もしてきた。
「ナギアさんから見て、ナータリャクラ国をどう思いますか?」
「良い国とは言い難いかな。勇者を召喚したのも世界征服が目的みたいだし...」
「ちょっと待って下さい!
あの人達は魔族や主からの脅威を倒してもらう為に勇者召喚したんですよ!」
勇者達は勇者召喚の理由が世界征服と聞いて驚いていた。ナギアの言葉に納得出来なかったのか白羅は突然立ち上がり言った。
「白羅君、主に今日会ったでしょ?
討伐しなきゃいけないような感じだったかい?」
「...とても恐ろしい力を感じた。
あれが、国の人たちに襲いかかったらと思うと怖い...」
「あっ...うん。確かにそれは怖いけど、何もしなければ襲ってこないし話も通じるから大丈夫だよ」
「でも、襲ってこないとは限らないだろ!?」
「白羅君がそう言うのだったら、僕が人族と敵対する可能性もあると言っているのと同じだよ?
種族が違くて力を持っていたら討伐だったり排除しなきゃいけないの?違うよね?どう接していくかが大切なんじゃないの?」
「......でも、」
「白羅君は種族が違う人たちの事も考えないとダメだよ。
...ということで特別ゲストを呼んでおいたよ~」
「え?」
ピンポーン!
なかなか伝えたい事が伝えられないナギアは特別ゲストを呼んだと言うと、タイミングよく家のチャイムが鳴らされるのだった...
======================
どうも!こんにちは
お気に入り数が5000超えました!
ここまで増えるとは思ってませんでした(^^;
本当にありがとうございます!
さぁ誰が来たのでしょうね。
(正直に言いますと誰に来てもらうか今も迷ってますね。
明日書いている時に決めてしまいます!)
閑話の方は...
今日サボってしまいましたね...すみません!
今年中には出したいです!
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