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第4章
ナギアの噂
しおりを挟む「勇者殿!魔族の方はどうなりましたか!?
魔物の気配も無いのですが?」
「えっと、ナギアさんが倒してしました...」
「ナ、ナギア!?」
竹中がべべレイフ兵士長の問いに答えると、べべレイフ兵士長は驚いた表情をしながらナギアの方を向いた。
「ということは、隣の方はリルリアさんですね...
この度、魔族の軍を倒して頂きありがとうございます!
ぜひ、城に来ていただけないでしょうか?
お礼も兼ねて食事でもいかがでしょう?」
「出来れば行きたくないのですが...」
「兵士長の誘いを断るというのか!!!
どうやって魔族を倒したかは知らんが、目上の者の言う事を聞くのは礼儀だろ!」
べべレイフ兵士長が連れてきた兵士の1人がナギアの態度が気に入らなかったのか怒鳴ってきたが、すぐにべべレイフ兵士長が止めた。
「お前は馬鹿なのか!?
相手はSSSランク冒険者のナギア・ハールトークだぞ!
お前は噂すらも耳にした事がないのか!?」
「そんなの数年前に流行った噂じゃないですか。どうせ、どこかのコネでランクを上げてもらっただけの子供ですよ。
実際、今目の前で見ても覇気すら感じないし、そこら辺の子供と変わらない事がハッキリわかります!」
「お前は冒険者ナギアの噂をどこまで聞いたのだ?
知った噂の内容によっては嘘も紛れてるかも知れない」
1人の兵士は自分の聞いたナギアの噂を兵士長に話し始めた。
・SSランクの魔物と1万の魔物の大群を3歳の時に1人で討伐
・数多くの盗賊団を1人で全員生け捕り
・人の住むことの出来ない滅失の大陸に住んでいる
・主を飼い慣らしている
・従魔がSSS並の強さのスライム
・国一つを潰した
.........と、自分の聞いた噂をどんどん話した。
「......他には、我が国の指名依頼をほとんど断ったと聞いています!
本当かどうかは分かりませんが、この少年にそんな実力があるとは思えません!」
「...と噂がありますが、本当ですか?」
話を一通り聞き終えたべべレイフ兵士長は、噂が本当なのか確かめるべくナギア本人に聞いてきた。
「え!?そこで振るんですか...
訂正させて下さい。国一つは潰してませんが、攻めてきた国を追い返した事はありますよ。
あと、主の方は飼い慣らしてはいません。よく話す程度です」
「「「「「.........」」」」」
「...だそうだ。わかったか?」
「う、嘘かも知れません!
だったら、実力を証明してください!」
兵士の言葉に、後ろにいる兵士達も「実力を見せろー!」と喚き始め、べべレイフ兵士長は申し訳なさそうな表情をしながらナギアを見つめた。
「うわぁ...面倒臭い(わかりました~証明しましょう!)」
「ナギア君、考えている事と言っていることが逆になっているよ!?」
「冒険者風情が......!?」
兵士達がナギアの言葉に剣を抜こうとした瞬間、べべレイフ兵士長が連れてきた千近くの兵士達が全員地面に張り付いた。
「これで良いよね?
あっ...もっと強める?それとも、空を飛んでフリーフォールして見る?
きっとスリルがあって楽しいよ」
「『聖魔旋風斬り』」
パシッ!!!
「なっ!?」
兵士達が苦しそうな表情に耐えられなかったのか、白羅はナギアを後から斬ろうとした。しかし、ナギアは白羅の方を見ないで人差し指と親指で白羅の剣を止めてしまった。
殺すつもりは最初からないので本気で技を放ってないが、自分の技を簡単に止められたことに白羅は驚いた。
「うーん、声を出さない修行をした方が良いよ。
それだと、今から技使うから!って言っているのと同じだしね。
それと、手加減してくれたとは言え魔力操作をもうちょっと鍛えた方が良い。剣に纏われていた魔力に乱れを感じたから、それを直せば、威力が上がるよ~」
「っち、余計なお世話だ!」
「兵士長さん、僕らはやっぱりお断りさせて頂きます。
じゃあ、ドーイさん達は明日修行ね~」
「あっ!待ってください」
べべレイフ兵士長の静止の言葉を無視し、ナギアとリルリアはバイバイと手を振りながらその場から姿を消した。
「行ってしまいましたか...
勇者殿、国に帰って報告しましょう」
「兵士長はナギアさんの事をどこまで知っているのですか?」
唖然する兵士達が元に戻そうとする兵士長に竹中は質問をした。
「私が兵士長になる数年前、滅失の大陸に腕試しをしに行ったんだ。
実力もそこら辺の冒険者に負ける気がしないし、Aランクの魔物も1人で倒せたから余裕だと思った...しかし、滅失の大陸の魔物は化け物揃いだった。
見た目から予測の出来ない攻撃をする魔物や殺られそうになると爆発する魔物など、様々なS以上の魔物がいたんだ。
そんな魔物達に囲まれて駄目だと思った時、ナギアとリルリアが現れた。
あの2人は、その魔物達を一瞬で切り裂いた後、私を国まで転移で帰してくれたんだ。
あいつらは強さの次元が違う。だから、絶対敵に回しては駄目だ」
べべレイフ兵士長の話を聞いたのか、周りの兵士達の顔が青ざめていた。
「ドーイさん
明日にナギアさんと会うんですよね?」
「...はい。修行してきます......生きて帰ってこれるか、わかりませんがね。ははは...」
「僕もついて行っていいですか?」
「私も行きたいです」
いつもより気持ちが沈んでいるドーイに竹中と双葉はついていきたいというと、ドーイは驚いたような顔をした後、首を縦に振った。
「わかりました。では、明日の朝9時頃に冒険者ギルドに来てください」
「「はい」」
竹中と双葉はナギアが死んでしまった友達なのか、確かめるべくドーイ達について行こうと思うのだった...
======================
どうも!こんにちは
本当は勇者召喚が遅れた理由を書いて終わる予定でしたが、
思ったより長くなったのと次回の最後に回した方がいい気がしたので、明日書くことにします。
(書けなかったらすみません!)
Twitterの連携って出来たんですね...
この前、気が付きました(^^;
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