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第4章

ナギア達のこれまで...

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ナギア side

「(やっぱり竹中と双葉は僕の事を気づいているのかな?
最初の方からずっと見てるから、怪しんではいるんだろうな~)」


滅失の大陸に住み始めてから5年間、色々な事があった。

滅失の大陸に住んでいる事が偉い人達の一部に広がってしまった事で、様々な国が資源を渡せと言ってきた。
イソーギス国やデアトリーナ国、ナハティスタン国(旧フルガファダイア帝国)は、貿易をしようと提案してくるのに対して、資源が欲しいと言った他の国らは「人族なのだから当然私達の物だ。寄越せ!」と言ってきた。

ナギア達にとって滅失の大陸にある草や鉱石は、そこまで価値はない。だが、相手の態度が気に入らないので丁寧に断った後、貿易をしようと提案した3国と貿易を始めた。

貿易といってもやり方を知らないので、時々滅失の大陸の[上魔力草]や鉱石の類を送り、貿易国からは植物の種や調味料となるものを貰った。
何故、植物の種と調味料かというと、食卓を豊かにするためだ。

食事を豊かにする事はナギア達にとっては大切な事と、それ以外に欲しい物が思いつかなかったのが貿易内容の理由だ。

3国と貿易を始めた事を知った資源を欲しがる国々は、自国の兵士と高ランク冒険者を連れて滅失の大陸に攻めてきた。
高ランク冒険者であるが子供であるナギア達が滅失の大陸に住めるという事は、昔と違い危険ではなくなったと判断したらしく、森を開拓しながら入ってきたのでナギアはそれぞれの国に帰らせた(転移させた)。

「森を壊されてしまうと、エメラルドさんが怒って暴れるかもしれない」という理由でもあるが、せっかくある自然を壊したくないという理由もあるのだ。

攻めてきても送り返すというのを20回ほど繰り返すと攻めては来なくなったが、あまりのしつこさに途中でエメラルドさんがブチ切れて人族を滅ぼそうとしたが、リルリアが大人しくさせてくれた。


他には、ある神様の1人が間違って災害の種を振り撒いてしまったので、メシルフィアネ様に頼まれてナギアとリルリアは、エスポワに住む人々に災害が気付かれないように対処する事になったことだ。

災害の内容は国一つを飲み込む程の巨大竜巻や魔物の大量発生だったが、魔物の質と量が多かった...
一番弱い魔物のランクがSランクであり、一番上は主よりは弱いがSSSランクであろう魔物が万単位であちこちに現れた。
予め出現場所をメシルフィアネ様に予測してもらっていたので、一瞬で終わらせることが出来た。
そして巨大竜巻の方は、出現と同時にリルリアが風魔法で四散させてくれたので解決した。

後から気付いた事だが、災害の種を撒いた神様の加護がステータスに表記されていた。

後は変な依頼や戦争に参加しろという指名依頼があったがナギア達は全部断ったぐらいだ。


ナギアはそんな事を思い出しながら、勇者達と話を続けるのだった。





竹中 side

突然俺達の前に少年と少女が現れたと思ったら、少年は死にかけのドーイさん達を一瞬で回復させると、男の魔族を圧倒的な実力で倒し帰してしまった。

「「...似てる」」

少年の姿が地球にいた時に俺達を庇って死んだ友達にそっくりだと俺と葵は思った。

少年は魔族がいなくなったことを確認した後、自己紹介をしてくれたが、ナギア・ハールトークというらしく、死んだ友達の名前に似ているため更に驚いてしまった。

「あと、こっちが...」

「リルリア・アルファティスといいます。
よろしくお願いします」

俺と葵が驚いていると、少年と一緒に現れた薄桃色の髪色をした美少女が挨拶をした。

「師匠...助けて下さり
ありがとうございます!」

「1回死んでも大丈夫なアイテム渡したから
何とかなると思ってたんだけどな~

...明日ちょっと鍛え直そうか!
勇者様も今日は疲れただろうから休むといいよ」

ドーイさん達の顔が青ざめガクガクと震え始め、目の端に涙を浮かべていた。
竹中は「僕達も修行させてもらえないかな?」と一瞬思ったが、先に気になる事を聞こうと思いナギアに話しかけようとした。

「ナギアさんって...」
「お前は何で魔族を逃がしたんだ!」

竹中が質問しようとしたら、突然白羅がナギアの胸ぐらを掴み怒鳴り出した。

「ナギア君から離れて...」

「リア、大丈夫だから何もしないでね。
魔族を逃した理由は殺しても意味無いからだよ。
今回逃がした事で簡単には人族を攻められない事を知らしめたんだ。
それに、魔族の友達が頑張っているのに、人族が魔族を殺したら怒りを買ってしまうしね」

「おかしいだろ!村の人達はあの魔族のせいで沢山犠牲者が出たかもしれないんだぞ!
それなのに、あの魔族に罪を償わせずに...お前は!!!」

白羅がナギアの顔面を殴り飛ばそうとした瞬間、物凄い殺気が俺達を襲った。

「リア?」

「あっ...つい殺気出しちゃった。ごめんなさい」

「......えーと、白羅君だっけ?」

「...なぜ僕の名前を?」

「君は一つ勘違いしてるから言うけど、今回の襲撃で犠牲者はいないよ。ちゃんと守ったから大丈夫だ。
そういえば、残りの魔物も討伐しなきゃね。
お願いしてもいい?」

「わかった............終わったよ」

「ありがとう、リア」

「「「「「は?」」」」」

ナギアが犠牲者がいないという言葉に驚いたが、
残りの魔物達の討伐をお願いされたリルリアという少女が、何もしていないのに終わったと言ったことが意味不明だった。

「勇者様達...師匠たちの言うことは本当です。
信じれないような事をやってしまうのが、私達の師匠です...」

ドーイの言葉にも驚きながら、俺はもう1度ナギアに気になる事を聞こうとした瞬間、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「勇者殿!ご無事ですか!!!」

沢山の兵と冒険者を連れたべべレイフ兵士長が、こちらに向かってくるのだった...




======================
どうも!こんにちは

お気に入り数が4500越えました!
ありがとうございます!


ナギア sideとかの一人称の時どう書いていたか忘れてしまいました...

一人称と三人称を混ぜると
読み手を混乱させるということで
三人称で、どうやって自分の書きたい書き方が出来るか模索中です。
(何か掴めそうで掴めない)


ナギアの年齢は現在16歳ぐらいですね!

あれ?勇者召喚って速くて2年では?と思う方がいると思います。
次回理由を書きたいと思います。
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感想 586

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