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第3章

騎士団の出撃

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「民よ!我々は悪魔を庇おうとするデアトリーナ国、イソーギス国の2ヶ国を許せん!過去に我々から全てを奪い破壊の限りを尽くしたあの悪魔の存在を忘れるな!
我が国は民の為、未来の平和の為、2ヶ国を相手に戦争を仕掛ける!
民よ!我々の正義を信じ祈っていてくれ!
必ず勝ってみせよう!!!」

王の演説で、フルガファダイア帝国の街の人達は大きな歓声を上げた。

民に見送られながら出発する兵は約10万。
騎士は一等兵以上からが出撃する事となった。
ある程度鍛えられた兵を集め、10万も用意できるのは、フルガファダイア帝国がそれだけの大国だということである。

「騎士達よ!!!
もし黒髪黒目の子供を見つけ倒したら白金貨10枚与えよう!
まずはデアトリーナ国を落とす!

途中にスクリード村があるがそこも攻め落とせ!
戦いで敵国の民を捕まえた場合、捕まえた者の好きにして良い!
必ず勝つぞ!!!」

王は騎士達の士気を高めデアトリーナ国方面へ騎士を前進させるのだった。




騎士団長 side

王に騎士達の指揮を任された私は、デアトリーナ国に向け進んでいた。
デアトリーナ国まではそれなりに遠い。
騎士の半分以上が馬に乗っており残りは馬車に乗っているが、多人数のため早く着いたとしても3週間以上はかかるだろう。
なので、途中で食べられる魔物を狩ったり、植物などは採取するように命じた。
食料は十分にあるが、もしもの時のために取っておくことは大切だろう。
食料は王と同じ位置の隊の中心に置くことで、王も食料も守れるという効率を重視し、私も何かあった時にすぐに対応出来るように中心から隊を見渡していた。
すると、1人の騎士が馬を走らせてこちらにやって来た。

「団長!山道が土砂崩れにより道が塞がっております!」

「ならば迂回して目的地を目指そう。騎士達の体力はなるべく温存したいしな」

「そ、それが、先に迂回出来るルートを見つけ、そちらも知らせようと思いましたら....どの道も土砂で道が塞がっていました!」

何故だ....敵国に情報が漏れていたのか?それとも単なる偶然なのか?
ここは既に敵国が時間稼ぎとしてやったと考えた方が良いな。

「最短ルートの土砂を撤去してから進め」

「はっ!」

土砂を魔法で撤去していき、約20分で終わり騎士達は進み始めた。



「....おかしい..」

フルガファダイア帝国を出発してから1週間経過するが予定よりも大幅に遅れている。
理由は..

「騎士団長!大変です!」

「今度は何だ?」

「前方よりスライムの大群が現れました!数は100以上!」

「はぁ....蹴散らし次第前進だ」

「はっ!」

そう、何かしらの魔物が来たりするのだ。
1日数回は道が大木や岩石、土砂などで塞がれており、毎日魔物が100単で押し寄せてくる。
魔物はそこまで強くはないが数が多いため、とても面倒臭い。
夜中には強力な魔物がやって来るが、一通り暴れた後に去っていく。
やってこない日は、魔物大きな雄叫びが響き渡り睡眠すら出来ない状態だ。
王はその雄叫びにブチ切れて、睡眠の場所に防音の結界を張る魔道具を取り出していた。

「従魔使いがいると考えているが、こんな数の魔物契約している者など聞いたことがない.....あの黒髪の仕業か?
....考えても仕方ないか、今は前進するしかないからな。
ん?....雨か、ちょうど水も減ってきた事だし雨水を貯めておかせるか」

騎士団長は騎士に雨水を貯めるように命令をし、デアトリーナ国より先に着くスクリード村という所に着いた時の事を考えるのだった。

雨はスクリード村に着く1日前まで、騎士達の場所だけ振り続けるのだった....





とある一等兵 side

道を塞ぐ土砂や大木等を撤去したり、雑魚な魔物共を蹴散らしたりしながら、やっとスクリード村が見えるところまでやって来た。

俺は二等兵に落とされかけたが、ディアス分隊長に必死に頭を下げたら許してもらえた。

「ゲヘヘ、あの女を捕まえてたっぷり遊んでやるぜ!」

俺は目当ての餓鬼を国へ持っていくため、前にこの村に来たことがあった。
その時に出会った、餓鬼の母親はとても俺好みな容姿をしていた事を今でも覚えている。
あの時は突然の魔法にビビっちまったが、今回は最強と言われる上位階級の騎士がいる。
王が捕まえた敵国の民は捕まえた人が好きにしていいと言っていたから、俺にとっては超ラッキーだぜ!

ヤベェ..今から考えただけでも涎が止まらねぇぜ。
夫にしか興味がないと言っていたが、その夫の前で犯し泣き叫ぶ様を見るのも良いな!

「全軍!スクリード村に進撃せよ!!!」

おっし!
団長様からの合図だ!行くぜぇ!

俺は馬車から降り全速力で村に入ろうとすると、見えない何かに弾かれた。

「何だよこれは!!」

俺を含めた村に突撃しようとした騎士達は戸惑いの声を上げ、見えない壁に攻撃を始めた。

「ぎゃあぁぁあああぁぁぁ!!!!」

突然右奥側にいた騎士の方から叫び声が聞こえ、声の方向に目を向けて俺は絶望した...

「ギシャアアァァァ!!!」

炎に包まれた巨大な龍がこちらに迫ってきていたのだ。

「に、逃げろ!....!?」

急いで逃げようとするが動かない事に気づき、足元を見ると下半身が全て凍りついていた。

「あぁぁ....うわぁぁぁ!!!」

信じられない光景に俺は叫び声を上げた。
氷を割ろうと剣で殴りつけると、勢いよく氷は砕け散り俺の下半身も同時に散った。

上半身を支えるものが無くなり地面に転がった俺が最後に目にしたのは、騎士を飲み込みなが迫り来る炎の龍の姿だった....




======================
どうも!こんにちは

あの騎士を出す機会を作れました!
そして、星になってしまいましたね..

ちょっとした補足として
王様も一緒に来ているのは民へのアピールが大きいです!
王様がいるという事で強い騎士達も出撃しましたね...(^^)


「2国」を「2ヶ国」と書けば良かったと思っているので書き直させて貰いますm(_ _)m
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