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第2章

化物との戦闘

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依頼を受けたナギアは残像を出す練習を止め、貫こうとしてくる触手を1つ掴み空中に引き上げた。

「グガアァァァァ!!!」

「うわぁ....実際に見るとかなり..うん..」

探知スキルで見た時は肉団子というイメージが強かったが、実際見て見ると確かに白い肉団子だがナギアの頭の中では触手が生えているせいで、毛の生えたミートボールにしか見えなかった。

とりあえず地面に叩きつけて回りに被害が出ないように結界に閉じ込めるが、触手が一瞬で結界を破ってしまった。

「ナギア君!一応怪我人とかを治療して安全な場所に置いてきたよ....うわぁ、何あれ?」

「ギルマスの話によるとブラッドらしいよ...今は完全に巨大な肉団子。あっ、でも気を付けてね。あの触手の威力は僕の結界を一瞬で破壊する威力があるよ」

「そうなんだ....やっぱり魔力量が凄いしね....うわ!」

リルリアは元ブラッドを観察していると触手が貫こうと襲いかかって来たことに驚きながらも避けた。

「ギルマス!化物を森の方に移動させるので、森に立ち入らないように呼びかけといて下さい!...行くよ!リア」

「わかったのじゃ!気をつけるのじゃぞ!」

ナギアとリルリアはギルマスに笑顔で手を振り、化物と一緒にその場から消えてしまった。

「ふぅ...危ないとか言いながら全然危なく見えないのはわしの目がおかしいからか?...無事で帰ってきてくれ..」

ギルマスは荒れた街の中1人で2人の子供の無事を祈るのだった。


ナギアとリルリアは化物と一緒に自分たちが住む森の小屋近くに転移した。
小屋の中には特に必要なものもないし、戦いで吹き飛んだりしてもまた作り直せば良いと考えているので壊されても問題ではなかった。

「強めに魔法撃ち込むからリアは少し離れててね~」

「うん」

ナギアは化物を大人しくさせるために闇魔法で縛り上げると、上空に太陽のように熱く明るい大玉を生成していく。

「『スモール・サン』」


化物に上から大玉を落とし着弾すると激しい爆発を起こしながら周りの木々が吹き飛ばしていった。
飛ばされずにすんだ木々は暑さで燃えだすが、リルリアが水魔法で消火してくれたので被害は抑えられた。

「ウグァァァガアァァァ!!!ゴロォァォスゥア!!!」

爆煙の中からそんな叫び声が聞こえ、煙が突然の突風で勢いく晴れた。
そこには大きな翼を生やした肉団子が現れた。
ナギアの魔法が効いたのか所々焦げた跡がついておりダメージは受けたようだった。

ナギアはその姿を見て
ゲームとかで一定ダメージを与えることで第二形態に姿を変えパワーアップするというボスを思い出していた。

「次は私がやるね!」

リルリアは新しい魔法とかを試したかったのかナギアが返事する前に手に魔力を込め始めた。

「『ブリザード・ジャッジメント』」

化物の周りに吹雪が発生し始めた。吹雪は化物の周りを囲むように大きな竜巻と変わり、氷の粒などが化物を切り裂いたり貫通したりと化物は痛みからか叫び声を上げていた。

リアって結構怖い魔法使うんだな..
吹雪の中に氷の粒もしっかり入れて削るように倒そうとするなんて...怒らせないようにしなきゃ..

「ナギア君が私を怒らせるなんて、相当な事しない限り大丈夫だよ?」

リルリアは魔法を放ちながらこちらに笑顔を向けて答えるが目が笑っていなかった。

「ほ、ほら!集中してあいつを倒すよ!『ストーン・ストーム』『フレイム・ストーム』『グラビティー・ダウン』」

ナギアは話を逸らすようにリルリアの『ブリザード・ジャッジメント』の竜巻に合わせるように岩の竜巻、炎の竜巻、そして、化物を重力魔法で押しつぶす魔法を放った。

1分間で魔法を止めて化物を倒したか確認すると2人は魔法の威力を少し上げすぎたのか化物の姿はなく代わりに地面に大穴が空いていた。

「..まだ、生きてるね」

「どうする?魔力纏った剣で斬りまくる?」

「そうだね、再生能力が高いから全力でやるよ」

リアはナギアに作ってもらったアダマンタイトの剣を取り出し魔力を込める。
その横でナギアは適当に作った二つの剣を取り出した。

一つ目は精神体を攻撃出来るようにした剣
二つ目は細胞の再生を阻害する剣だ。
この二つはナギアのチート能力《想像強化》をフル活用して作ったものだ。

ナギアはこの剣はまだ試作品なので、いつか良い剣を作りたいと思っていた。

「行くよ!」

「うん!」

大穴に入っていくと微量な魔力の塊が少しずつ周りの魔力を取り込み回復しようとしていた。
見える所まで近づくと巨大な翼の生えた肉団子はぐちゃぐちゃに崩れて今にも死にそうな感じだった。

「グギャァガァァァァ....」

2人は化物がこちらを捉えきれていないうちに剣で斬り始めた。

高ランク冒険者ですら目で捉えることが出来ない速さの剣技に化物は何も出来ずに細かくされていった。
リルリアの魔力を大量に込めた一撃は化物の体を一気に切り裂き、ナギアの剣で回復も出来ずに化物は断末魔を上げながら死んでいった。

2人は圧倒的な実力で化物を倒し依頼を達成した。
...そんな2人を見ていた元凶は口元に笑みを浮べながら完全に気配を消すのだった....




======================
どうも!こんにちは

戦闘になると毎回文章を気をつけても
駄目になってしまいますね..
成長出来ればいいんですがね...はい.

ブラッドに
もっとやれるだろ!って思いながら
話を考え書いていたのですが、
ナギア達の強さや所持スキルの考えたら
頑張る前に殺られちゃいますね..

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