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第2章
使い捨ての玩具
しおりを挟むブラッド side
「....んっ?ここは?..」
ジャラン..
体を動かそうとすると手足を鎖に繋がれていて動けなかった。
首にも何かを嵌められているようで、いつもより体がだるく感じた。
「俺は確かあの丈夫な餓鬼を殴ったり斬ったりしてて...一瞬で景色が変わって意識が無くなったんだっけ」
今の状況に至るまでを思い出して行くが、ナギアと戦っていた事にだんだんと違和感を感じ始めた。
「まさか、俺が見ていたのは幻術の類なのか?....クソォ!通りで何度斬っても殴っても立ち向かって来れるわけだ!
さっさとこの鎖を解いてあの顔をぐちゃぐちゃにしてやる!....うがぁぁぁあぁぁ!!!」
ブラッドは鎖を引き千切ろうとした事で奴隷首輪が反応してブラッドに電撃を与えた。
奴隷首輪は嵌めた者が主の命令に背いた場合、死なない程度の強力な電撃を放出するのだ。
「はぁ..はぁ..この首についてる物のせいか、問題行動をしたらさっきのがくるのか...だったら吸収と魔力変換で..」
ブラッドがスキルを使った事に反応して首輪から電撃が放たれるがブラッドは電撃を吸収しているので痛みは感じなかった。
電撃を体に纏いながら手足を繋いでいる鎖を力任せに外していく。
「あとは首輪だけ...は?壊れねぇんだけど」
ブラッドが首輪を壊そうとすると電撃がなくなった。しかし、止まった瞬間に首輪が大きくなり上半身を覆い下半身も覆っていき、ブラッドは芋虫状態になった。
「ふざけんなよ!何だよこれは!」
「気が付いてたようじゃな。ブラッド、貴様は連続殺人事件の容疑者として明日裁判にかけられる。
証拠や納得させる物などは沢山見つけた。お前は絶対逃がさんからの!」
牢で罪人が起きて暴れていると兵から聞いたギルマスは急いで駆けつけたのだ。
牢の中で芋虫状況になっているブラッドにギルマスはお前の悪事はここまでじゃ!と言うが頭の中では違うことを考えていた。
奴隷首輪にあんな機能は無かったはずじゃが?まさか、ナギア君があの時に何かしたのじゃな!あの数秒でこんな細工をするとは将来が想像つかのじゃ。まぁ、この細工のお陰でブラッドは逃げ出すことが出来ないから良しとするかの..
「明日まで大人しくしているのじゃな」
「クソが!これを解けよ!!..おい待やがれぇ!!!」
ギルマスは見張りの兵に一言いい何処かに行ってしまった。残されたブラッドは謎の首輪を外すために解析したりして脱出方法を探した。
自身の奪ってきたスキルを用いて首輪の効果を消そうとするが何も変化なし。
物理的に壊そうとしても傷一つつかなかった。
ブラッドはナギア達の従魔を相手にする時に使おうと取っておいたアイテムを取り出した。
ダンジョンで手に入れていたアイテムで、効果は1度だけ固定ダメージ3万与えるというアイテムを使用する。しかし、ナギアの付けた破壊無効の効果の前では無意味だった。
ブラッドは破れ為す術がないと諦めて眠りにつくのだった。
『やぁ、久しぶり~。
随分無様な格好だねー。ウケるよ~』
あっ..この空間は確か俺がこの世界に来る前にいた空間か...やっぱりいたか..
白く何も無い空間に灰色の人の形をした靄は俺を馬鹿にするように笑っていた。
「何だよ..自称神じゃねぇか。この状況をどうにかしてくれねぇかな?あんた神なんだろ?」
『えぇ~。強くなりやすいチート与えたのに、愚かで怠惰な君が悪い。神だからといって何でも頼っちゃ駄目だよ~』
「チッ....仕方ねぇだろ!あんな奴がいるとは思わなかったんだからよ!」
『あの子は面白いよね~。ずっと見ていたいけど気づかれる可能性が高いから遊び道具に出来ないよ~』
「へぇー、お前がそんな事言う程なんだな。そんな奴に勝てるわけねぇわ。
はい、無理ゲー」
『仕方ないな~
これで最後だよ?僕の大大大サービスだ!
君に新たに力を与えるけど代償が大きいよ?
それでも良いかい?』
「あぁ良いぜ!あの糞餓鬼をぐちゃぐちゃにしてぇからな!」
『うん!分かった!
この力は1度使うと1週間持つけど、反動で数日力が落ちるから使い所を見極めてね~
じゃあ、頑張って~!』
白い空間からブラッドはいなくなり、静寂が支配する空間で自称神はケタケタ笑っていた。
『あの玩具は思ったよりつまらなかったな~
でも、最後は派手に散ってくれそうだね!
..魂が代償だなんて思わなかったのかな~?
まぁ、暴れ回って彼の実力を少しでも見れたら良いな~
あー
張り切って力を注ぎ過ぎたから疲れたー
ゆっくり鑑賞しながら休むか~』
そう言うと自称神は空間から消えた。
この事を知らないブラッドは復讐が出来ることが嬉しく、牢屋の中で1人で笑っているのだった....
======================
どうも!こんにちは
本当はブラッドが牢屋に閉じこめられ処刑される予定だったのですが、今後の展開(3章?)を考えたら復讐させる方が都合が良いと判断し変えました!
(本当に計画性がないですよね....)
まぁ、ブラッドさんを少しでも活躍させたいというのもありますね(^^;
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