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第2章

闘技大会 9

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ナギアとリルリアの試合が終わり2人はFクラスで休憩していた。
試合の反省や雑談などして休憩しているとミー先生が様子を見に来たのでミー先生も話に加わって試合の事などを話した。

話の内容はどうしてそこまで強いのかや、試合で2人が使った魔法の事について聞かれたので、答えられるものだけ2人は答えた。

ナギアは会場にひっそり置いておいた影の視覚を共有し闘技場のフィールドを見るとブラッドがちょうど相手に黒い炎の岩を放ったところだった。

着弾すると轟音が響き教室の方まで振動が来た。

「今の何?闘技場の方から魔力を感じたけど?」

「ブラッドが魔法を放ったみたいだよ~ 多分決着はついたと思うからブラッドの勝利だね」

「やっぱりあの人優勝しちゃったんだね..」

「....2人の会話は本当に凄いですね..魔力を感じるって..
しかも、ナギア君は試合状況を把握してるなんて..」

「先生も修行しまくれば良いんですよ!」
「ナギア君の修行は地獄を見ますが、それ相応の実力も手に入りますよ....地獄ですが..」

「..え、遠慮しておくわ」

リルリアの絶望感漂わせる雰囲気に恐れミー先生は遠慮した。

ミー先生は試合に遅れないようにと言われ教室を去っていき、残されたナギアとリルリアは試合の時間になるまで遊んだりするのだった。



『お待たせ致しました!学園祭最終日 闘技大会 従魔の部門 決勝戦です!
まず、生徒の部門で優勝したナギア選手のスライムと生徒の部門で準優勝したリルリア選手のトビウサギの試合だ!
この2人の生徒の決勝戦を見た者はわかると思いますが、私たちの予想の斜め上を振り切る程の戦いでした。
従魔の部門でも凄い事が起こると思います!
私はとてもテンションが上がってまいりました!』

ミッチーさんはいつも元気な声だが、今はさっきよりも元気いっぱいだった。

ナギアとリルリアは既にモチとプニをフィールドに上がらせ準備万端だ。

「モチ頑張ってね!」

「プニ相手に翻弄されないように気をつけてね」

「もきゅ!」「きゅぴ!」

『さぁ!準備も出来たようなので試合を始めたいと思います!
試合開始!!!』





ブラッド side

「あの2人が優勝したのか..ステータスはそこまで強くねぇのによく勝てたもんだ」

ナギアとリルリアはステータスを偽装しているためブラッドには本当のステータスを知ることは無かった。

実況者の掛け声で試合が始まった。
試合開始と同時にトビウサギは水色の魔力か何かを放ちながらスライム突っ込んでいった....とてつもない速さだ、これがトビウサギなのか?
素早さだけ見たらあの島の魔物といい勝負が出来そうだな。

トビウサギはスライムを片耳で叩き潰そうと振り下ろすとスライムは一瞬で後ろに回り込むように躱したトビウサギが振り下ろした場所にはクレーターができ衝撃波が発生した。

「嘘だろ....俺の魔法をぶち込んでもヒビすら入らなかったんだぞ?
スライムもあの動きはなんだよ..化け物じゃねぇか」

ブラッドは試合をしている2匹が気になりステータスを覗こうとすると何故かステータスが表示されなかった.....は!?見れないとか初めてなんだけど?あの魔物は何なんだよ!

実はモチとプニもステータスを偽装や鑑定が出来ないように仕組んでいるのだ。ナギアとリルリアも同じことは出来るが、偽装されたステータスを見せているのは見せない事で怪しまれないようにするためだ。

「きゅぴ~」

スライムは何処から発声しているのか、楽しそうに鳴きながら複数の属性魔法を飛ばした。
....同時にほぼ全属性を操るなんておかしいだろ!..上位ランクの魔物ぐらいしか魔法使ってるの見たことねぇよ!

ブラッドは内心でツッコミんでいると、トビウサギは氷壁を展開して攻撃を防いでいた。更に驚いたことは、その属性魔法すべて氷壁で防いだ後、氷壁をスライム目掛けて殴り飛ばしたのだ。

スライムに無数に氷石が襲うが、何故かスライムには氷石は一つも当たらなかった..

「いったい何が起きているんだ?..でもいい獲物だな。リスクは高いがそれ以上に俺が強くなれそうだ..さて、どうやって奪うかな?..」

試合は魔法の撃ち合いが激しさを増していくがお互いに倒しきれないと判断したのか、動きに変化が見られ始めた。

スライムはぷるぷる震え始めると2匹に分裂した...そして2匹は複雑な動きをしながらトビウサギに接近していく...トビウサギは氷を耳に纏い接近してきた片方のスライムを殴り飛ばすと、スライムは力を逃がしきれなかったのか、凍りつきながら吹き飛んでいった。
その間に近づいたスライムはトビウサギの体を締め付けるように絡みつき燃え始めた..

反応するのが疲れてきたわ....何でスライムが燃えるんだよ!
トビウサギも何で燃えてるスライムに絡みつかれているの殺られねぇだよ..おかしいだろ!

トビウサギは燃えるスライムを体から引き離そうと風を纏ったり水を纏ったりとありえないような事で引き離そうとしていたのだ。

気がつけば凍りついて吹き飛んでいったスライムも帰ってきて自分のスライムごとトビウサギを触手のようなもので切り裂いた....

最後は案外呆気なかったなと思いながら帰ろうとすると観客達が戸惑い始めた....

「なんだ?」

フィールドを見ると切り裂かれたら筈のトビウサギはスライムを上空に殴り飛ばし凍らせて砕いたのだ。

「は!?何が起こったんだよ!」

ブラッドがちょうど見ていない間に起こったことは、切り裂かれたトビウサギは氷の偽物で本体はスライムのスキをついて攻撃を始めたそうだ。
スライムは分身を作り逃げ道を探そうとするが、作った分身は一瞬で氷漬けにされ砕かれだ。

『しょ、勝者!リルリア選手のトビウサギだぁ!!!』

一瞬の出来事にブラッド以外の観客達や実況者も呆然としていたが、実況者の勝利宣言で会場は歓声に包まれるのだった....




======================
どうも!こんにちは

最初はナギア視点で書いていたのですが、
他の人からの視点じゃないと
モチとプニの凄さが2割しか出せないので
ブラッド視点に変えました!
これでも、強さを表現しきれないですね..
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