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第2章

入学試験

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あれから数日が経ち何も変わらない日常が続いた..少し変わったといえば2人の距離感が縮まった事だろう。

「おはよう~」

「ふぁ~..おはよう..ナギア君」

一緒のベッドで起きた2人は顔を洗いご飯を食べて支度をする..今日は入学試験の日なのだ。

「じゃあ試験を受けに行こうか」

「絶対合格しようね!」

うーん、絶対合格出来ると思うんだけどな..
まぁ何が起こるかわからないから油断しちゃいけないね。

ナギアとリルリアは試験会場でもある学校に向かうのだった。



「着いたね」

「うわぁ~上から見た時も大きいと感じたけど、近くで見ると凄い大きいね!」

学校に到着するとリアは学校の大きさに興奮気味だった。この学校の大きさはイソーギス国の城と同じくらい大きく学校の敷地内には、訓練場・室内訓練場・校舎・宿舎・闘技場・研究室などあり設備が充実しているのだ。

看板の案内に従い試験会場に向かうと外の訓練場に着いた。2人は早くに来ているため人はまだ数人しかいなかった..
しばらく待っていると人もどんどん増えていき、入学希望の子供が千人程集まった。

「これから入学試験を行う!試験の内容は、お前達の魔法か武術のどちらかをこの魔道具で測定する!」

試験官の男性が見せたのは1つの魔導具だった。
この魔道具は与えられた衝撃を数値化してくれるものらしい。

「ではお前達は並んで試験を受けるように!」

試験官の言葉の後、ナギアとリルリアは前の方にいたので前の方に並ぶ..

「おい!邪魔だぞ平民!」

後ろの方からどしどしと歩く身なりの良い少年達が列を無視し歩いてきた。

「おい!道を空けろよ平民風情が!」
「俺達貴族を優先することは当たり前の事だぞ」

「へぇー傲慢な貴族様ですね~。どうぞー」
「..ナギア君、落ち着こ?」

貴族の態度にニコニコしながら対応しながらナギアは貴族達に道を譲った。

「おい!テメェ!気に食わない顔しやがって..死刑だ!」

貴族集団の1人が理不尽な理由で火魔法を撃ってきた....こうゆう貴族は本当に嫌いだわ..

ナギアは飛んできた火魔法を手で払って四散させると周りで見ていた人は驚いていた。

「あの~今から試験受けるんで邪魔しないで下さい」

ナギアは試験を受けるため魔道具の方に移動しようとすると

「平民の癖に生意気だ!死ね!」

今度は貴族達全員が魔法を撃ってきたのでナギアは周りにバレないように空間魔法にしまった。

消えた魔法に呆然としてしまった貴族達はまた詠唱を始めた。

「お前達!何をやっている!..これは貴族のお方では御座いませんか....何があったのでしょうか?」

あっ....これはダメなやつだ..

「この平民が俺達に道を譲らない!しかも、俺達の魔法を消したんだ!生意気な平民だよ!」

「それはそれは失礼しました。では貴族様はお先こちらで試験をお受けください。..そこのお前!貴族様に列を譲らないとは何事だ!」

試験官の男はナギアに対して怒鳴ってきた。

「何を言っているんですか?
この学校は貴族や平民、種族は平等と聞いていますがいつから貴族優先の学校になったのですか?」

「ぐっ..う、うるさい!お前は1番後ろに並んでいろ!」

ナギアは大人しく後ろに向かって歩きだした..後から貴族の笑い声が聞こえたが気にしないことにした。

「リアまで後ろに並ばなくて良かったんだよ?」

「いいの!私はナギア君と一緒に受けるの!..それに試験官の態度も嫌だったもん..」

ナギアが後ろに並ぶ時リルリアも一緒に後ろに並んでくれたのだ。

2人が後ろに並んでから約3時間....

「次!..先に女の方からだ」

「頑張ってね~見てる限りリアが全力でやっても大丈夫だと思うよ」

「そうなの?じゃあ全力でやるね!」

魔道具の前で屈伸をして気合充分リアは氷の槍を生成し回転させると風魔法で更に加速させ放つと激しい音ともに土煙が上がった..そして魔道具には『+9999』と表記された。
リルリアは表記された数字を見たあと唖然とする試験官の男に近づきナギアに聞こえないように言った。

「あの子と一緒のクラスにしなかったら、あれよりも強いのを貴方に撃ちますからね?」

試験官は青くなった顔を縦に振った。

「つ、次!」

「わかりました。質問なんですがこの魔道具が壊れても弁償しろと言われませんよね?」

「は?何を言っているんだ?この魔道具がお前に壊せるわけないだろ!早くやれ!」

「後悔しても知りませんからね~」

ナギアは魔道具の周りにだけ結界を張った。
ビー玉サイズの丸い火魔法に自分の魔力半分程込め魔道具に放つと轟音とともに火柱が上がった..
火柱が消えると魔道具のあった場所は何も無くなっていた。

「では、僕達はまた結果発表の時に来ますね~」

「........」

放心状態の試験官の男を置いて2人は帰った。



「....クソが!舐めた態度とりやがって!」

試験官の悔しそうな声は誰にも聞かれず訓練場に響いた..その後魔道具の破損(焼失)で男は弁償するため給料が半減するのだった..



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