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第2章
告白
しおりを挟む盗賊を捕まえた次の日..
ナギアとリルリアはリルリアの昇格試験の結果を聞くためにギルドに向かった。
「こんにちは~昇格試験の結果を聞きに来たのですけど?」
「え!?..あ、ナギア君たちですか..ちょっと待っててください」
ナギアとリルリアは毎回ギルドに入る時気配を消しているため、突然声をかけられた受付嬢は驚いていた。
しばらくして受付嬢が戻ってくるとギルマスの部屋に行くように言われ、行ってみるとギルマスは書類の山と戦っていた。
「ナギア君とリルリアちゃんか..今回は試験官を代わりにやってくれてありがとう。わしの常識が砕け散ったような試合じゃったよ..リルリアちゃんは今回の試合で実力を判断しSSSランクとする。ナギア君の次に出た最年少SSSランカーじゃな....既に他のギルマスには伝えて同意は得たのじゃが、デアトリーナ国以外のギルマスは当たり前じゃが驚いていたのぉ」
「私にそんなに実力があるでしょうか?」
「なぜお主らは謙遜するのか分からぬがあの試合を見てれば適正じゃよ。また試験官が休んでしまったら頼もうかのぉ」
「あまりやりたくないです」
「どうしようもないときだけじゃ。そういえば、盗賊のグループを2つも捕らえてくれたらしいのぉ..礼を言わせてもらうぞ」
ギルマスから報酬の金貨3枚を受け取った後、2人は受付でギルドカードを更新してギルドを出た。
「じゃあナギア君!お出かけしよ~」
「良いよ!行こうか....あれ?どうしたの?」
「..手繋いでいい?」
「は、はい..良いですよ」
リルリアの可愛らしいお願いにナギアは戸惑いすぎて敬語で返答してしまう。
ナギアはリルリアの手を繋ぎ最初に訪れた場所は雑貨屋さんだ....正直どこに行けば良いのか分からずリルリアと一緒に店をまわることにしたのだ。
「雑貨屋さんか~」
「色々な物が置いてある所といったら雑貨屋さんかなと思ったんだ~」
しばらく一緒に見ているとリルリアは銀色の指輪を手に取っていた。
「それ、欲しいの?」
「ふぇ!?プレゼントしてくれるの?」
「欲しいなら良いよ~」
ナギアはリルリアから銀色の指輪を受け取り店主の場所に持っていく。
「おやまぁ!可愛らしいカップルだこと。銀色の指輪を買うんだね~それならもう一つサービスして上げるよ」
店主のおばちゃんはナギアとリルリアを見てカップルだと思ったらしく指輪一つの代金で2つ手に入れることが出来た..
この指輪の値段は銀貨2枚(日本円で2万)と少し高く感じたがナギアとリルリアは冒険者として稼いでいるため、余裕で払えた。
「はい、何か増えちゃったね」
「片方はナギア君が持っててよ」
「え?..リアが嫌じゃなければ良いよ..」
さっき雑貨屋のおばちゃんにカップルと言われナギアとリルリアはお互いの顔を見るのが恥ずかしくなっていた。
「次は少し早いけど昼食にしようか!」
近くにあった定食屋があったので2人は店に入ると店員がやって来た。
「いらっしゃいませ~、君たちはちゃんとお金持っているかい?」
「大丈夫です。お金はちゃんと持ってます」
女性の店員は2人を見て怪しむような顔をしていたが、お金を持っていることが分かるとすぐ営業スマイルに戻った。
やっぱり子供2人が店に入ればお金持っているか怪しむよね。
「はい!それなら大丈夫です!席はどうしますか?個室なども御座いますが?」
「個室でお願いします!」
店員の言葉にリアはナギアより先に答えた。
「ふふふ、2名様ご案内~」
何故か嬉しそうな店員の案内で個室に着くと「料理が来るまでしばらくお待ちください」と言われた。
この定食屋は日によって出てくる料理が違うらしく、メニュー表などは無いらしい。
しばらくリアと話ながら料理を待っていると女性店員が料理を運んできた。
「お待たせ致しました!今日の料理はレッドトンボアの火炙り丼です!」
トンボアとは豚のような生き物であり、レッドトンボアはトンボアが赤くなったような生き物の事だ。
ご飯の上には1口サイズに切られたお肉が乗っていて、程よく油が垂れていて肉のいい匂いがした。
「「いただきます」」
うまい。前世のコンビニ弁当を思い出す~
ナギアは前世はコンビニ弁当をよく食べていたため表現がこれしか無かった..
昼食を食べ終わり2人は街を出た。
「ナギア君、次は何処に行こうとしてるの?」
「街はある程度見て回っちゃったから、景色のいい場所でも探そうかなって思ったんだ~」
「へ~、すぐ見つかるの?」
「うん!リアは高いところとか大丈夫?」
「へ?..大丈夫だと思うよ」
「じゃあじっとしててね~」
ナギアは自分の体とリルリアの体を重力魔法で持ち上げ空高くまで浮かせていく..
「うわ~魔法で持ち上げられるって何か不思議な気持ちになるね~」
リアは浮かび上がる感覚に喜んでいた。
イソーギス国全体を見渡せる高さまで上がったあと結界魔法で足場を作る..足場が透明なのがリアにとって違和感を感じたらしいので幻術魔法で足場を黒色にした。
「すごい!こんなにイソーギス国は大きいんだね!」
「僕もこうやって見るのは初めてなんだ~ それにしても、この世界って本当に広いね!この高さなら獣人さんの住む国も見えると思ったけど、全然見えないや」
高度は測ってないが国の中で歩いている人が豆粒より小さくなるほどの高さまで来ているのに、国と国との境目が見えないのだ。
ナギアは無限収納から飲み物や適当に作ったお菓子を取り出しリルリアと景色を楽しんだ。
「ナギア君、また演奏とか歌とか歌ってよ..また聴きたいんだ」
「良いよ~、景色に合うような曲でも吹くね」
ナギアは神具をフルートにし感動して泣いてしまうアニメの曲を吹き始めた。
フルートもナギアが少しだけ触れたことのある楽器の一つだ。想像強化と演奏スキルのお陰でうろ覚えな曲でもしっかり演奏出来るのだ。
「やっぱりナギア君の演奏は心に響くね~」
リアは景色と音楽を楽しんだ。
演奏が終わるとリアは寂しそうな表情をしていたがすぐに笑顔になり言った。
「ナギア君!今日はお願いを聞いてくれてありがとう。この景色や曲もまた見せてくれると嬉しいな~」
「うん!わかった!また一緒にこの景色見ようね」
ナギアは地面に降りるため結界魔法の高度を落とし始めていると後からリアが抱きついて来た..
「..私、ナギア君の事が好きです..」
「うぇ!?」
ナギアは驚き過ぎて結界魔法を解いてしまい2人は落ちていった..
ナギアがパニック状態になっている事を察したリルリアは風魔法でナギアと自分の落下速度を落としていき、ゆっくり地面に降り立った。
「..急に落としちゃってごめんね、あと風魔法で助けてくれてありがとう」
「私の方こそごめんね..驚かせちゃって」
え~と落ち着け..今僕はリアから告白されて驚いて空から落ちた..あれ?告白されたの?...え?
「混乱してるみたいだからもう1度言うよ..
ナギア君の事が好きです..ずっと一緒にいても良いですか?」
リアの目は断られないか不安なのか目が潤んでいた。
「本当に僕なんかでいいの?世の中には僕より良い人なんて沢山いるよ?」
「ナギア君がいいんです」
「..僕と一緒になったら一生傍にいる事を強要しちゃうよ?」
「とても嬉しいことだよ」
リアはナギアの試すような言葉に笑顔で答える。その笑顔にナギアは知らずに涙が流れていた。
「ナギア君大丈夫!?そんなに嫌だった?」
「あれ?..あっ僕泣いてるんだ....人に好きと言ってもらえた事が嬉しくて涙出ちゃったよ..あはは......ありがとう。こんな僕で良いならずっと一緒にいてください」
「うん!」
リアに心配されて自分が泣いている事に気づいたナギアはリアの気持ちを受け入れた。
前世で恋人など出来た事のなかったナギアは生まれ変わって初めて恋人が出来るのだった......
〇〇〇 side
「やっと!結ばれたわね!良かったわ~」
「ふふふ、嬉しそうだな!ラブアニーラ」
「そりゃあそうよ!あんなに小さい子なのに1人の男の子のためにひたすら努力している子の恋が実ったのよ。あの子の夢に出て「学校に入る前に告白しないと他の女の子に取られるぞー」って助言したら上手くいってくれたわ..
あのナギアという男の子は強敵だったわ..私の加護が付いているあの子に抱きつかれても落ちなかったのよ..魅了耐性程度なら問題なく効くはずなのにね」
「ナギアは凄く強くなってるからね。私はナギアと戦ってみたいぜ!」
「ファルティーナもナギア君を気に入っているのね」
「ナギアは神の間では結構有名になっていると思うよ。でも今はメシルフィアネ様が悪神を警戒してこの世界の神以外には知られないようにしてるみたいだよ」
「へぇ~メシルフィアネ様もナギアを気にしてるんだね」
「あの2人は見てて面白いからな!..だが最近不審な奴も現れたり争いの予兆があるから、あの2人が心配たな」
「やっぱり魔族の方が動き出してるのかしら....でも何故かしら?あそこまで本気で動き出すようなことはなかった筈なのに..」
「深いところは私らには分からねぇ..上に任せるかその流れに任せるしかないな」
2人はの女神はお茶をしながら話を続けるのだった....
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どうも!こんにちは
昨日お気に入りに数が1200超えました!
ありがとうございます!
読みづらいところなど沢山ありますが
これからもよろしくお願いします!
とうとう結ばれましたね!
もっと感動的に書きたいですが
私にそんな文章力はありませんでした..はい
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