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第2章

出発

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出発当日ナギアの家族とリルリアの家族がお見送りをしてくれた。

学校に通う事をリルリアのお父さんは初めはリルリアの事が心配で反対したが、実力を見せたところ「……あっ大丈夫だわ」と了承してくれた。
ナギアの両親は最初から賛成してくれたが妹のネオナは反対していた……妹は2歳になったばかりだが簡単な言葉をもう喋り始めているのだ。

「お兄ちゃん!行っちゃやだ!」

「大丈夫だよ、ネオナ。たまに帰ってくるからお父さんとお母さんを頼んだよ」

「本当に?また会える?」

「あぁ、会えるよ。じゃあ僕からお守りをあげるよ」

ナギアはネオナと両親、そしてリルリアの家族に小さな巾着袋を渡した。

「この中には結晶が入っているよ。HP自動回復と耐性系、それと1日に1回だけ即死無効の効果を付けといたよ~」

「お兄ちゃん!ありがとう!」

「相変わらずナギアには驚かされるな..」
「いつもの事じゃない~私達の可愛いナギアは凄いのよ~」

「私達も受け取っていいんかね~」
「貰えるもんは貰っとこうぜ!」

「あっ..もし何か村に起こった時これを使って!」

ナギアはエメラルドグリーン色の丸い水晶を両親に渡した。

「これは..凄い魔力入ってるみたいだけど何なの?」

「これはこの村を覆うくらいの結界を張れる道具だよ~魔力を込めると村に結界が張られ村に敵意を持ったものは入れないように作った。効果は発動したら1週間しか持たないから気をつけてね!」

「ありがとう。使う日がないと良いんだけどね~」

「念の為だよ。それじゃあ僕達はそろそろ出発します」

「リア、頑張って来るんだよ!」

「お母さん!私もっと頑張るね!」

「2人とも体調管理に気をつけるんだぞ!」

「あぁ、分かってるよ。じゃあ行ってきます!」

「「「「「行ってらっしゃい!」」」」」

こうしてナギアとリルリアはイソーギス国に向けて旅たった……



「デアトリーナ国はよらないでそのまま向かおうか。冒険者ギルドには挨拶したもんね。」

「うん、分かった」

「リア、イソーギス国に着くまでに《感知》系のスキルを取得しようか……って言ってもリアはもう取得出来るはずだから、取得したら練度を上げようか」

「うん。頑張るよ!」

ナギアとリルリアは修行しながら森を突っ切って行った……
日が沈み出してきたのでナギアは《探知》使い近くに村がないか探すと歩いて30分程の所に村を確認した。

「リア、もうすぐ日が沈むから近くの村に急ごうか。村に着くまでは《身体強化》をキープね!じゃあ行こう」

「はーい」

ナギアは簡単に言うが《身体強化》をキープすることは普通の人には難しい事なのだ。
1回の戦闘はそこまで時間はかからず短期戦なので、キープするという疲れるような事は殆どの冒険者はしない。《身体強化》を一時的にしか使わない人が多いのだ。

2人は村に着き宿屋を探していると村の女性に声をかけられた。

「君達、この村の子じゃないよね?どこから来たんだい?」

「はい、僕達はスクリード村から来ました。少し聞きたいのですが宿屋はこの村にありますか?」

「スクリードか..よくここまで来れたね。宿屋ならうちが宿屋やってるが、君達お金はあるのかい?」

そうですよね~こんな子供が2人が宿に泊めてと言っても金がないように見えて当然だよね..

「大丈夫です。お金はちゃんと持っているので」

「そうかい、じゃあうちに行こうか!私の名前はウルーダだ。短い間だがよろしく!」

「ナギアと言います。よろしくお願いします」
「リルリアです……お願いします」

自己紹介を終え3人で宿に向かった。
宿屋は少し小さめで借りれる部屋は2階に3部屋しかないようだ。1階に食堂があり1日三食付きで大銅貨2枚らしいがウルーダさんのサービスで大銅貨1枚と銅貨4枚のところ大銅貨1枚にして貰い濡らしたタオルも付けてくれた。

この世界では風呂はあまり広まってなく貴族などがよく使うそうだ。ナギアの家ではナギアが作った事で毎日入れるようになりナギアの家族は喜んでいた。
高級宿屋なら風呂付きもあるそうだ。

「部屋は1人部屋で良いよな?」

「いや1人部屋を……「大丈夫です!」....え?」

あれ?……リルリアさん?..

「まぁ今他の冒険者や客が部屋使っているから一部屋しかないんだけどな。これが部屋鍵だよ..鍵に書いてある番号の部屋がそうだからね。1時間後に夕食が出来るから1時間後に下りておいで」

あっはい……そういう事は始めに言ってください……何でリルリアは小さくガッツポーズしてるんだろう?..なんか可愛いな..

ナギアとリルリアは部屋に行き1時間の間、遊んだり修行をしながら夕食の時間を待つのだった……


1時間が経ち1階の食堂に下りると他のお客さんはまだ下りて来ていないようで誰もいなかった。

「お?ちょうど出来たところだよ」

ウルーダさんはそう言うとスープとパン、肉料理を運んできた。

うん、スープはカボチャスープみたいだね~
パンは..硬い..子供には辛いがスープに付ければ少し柔らかくなるので付けて食べる。
肉料理は料理してくれている人が親切なのか、1口サイズにカットされていた……ありがてぇ..

ナギアとリルリアが夕食を食べていると他の客も下りてきた..

「おい!何故ガキがここにいるんだ!」

はい出たー面倒臭い奴ーーー

ナギアとリルリアはこうゆう経験は何度もあっているので慣れている。

ナギアは男に催眠術をイメージして魔力を飛ばすと

「こんなガキと飯が食えるか……あれ?俺は何で怒ってたんだっけ?…まぁいいか、飯を食おう..」

ふふふ、計画通り……『ピコン♪』..あっ久しぶり聞いた。

《催眠魔法を覚えました!》

後からウルーダさんが男の声に飛んで来たが何も起こってない事を不思議に思いながら奥に消えていった。

ナギアとリルリアは食事を終え部屋に戻るのだった。





======================
どうも!こんにちは

感想などで長文とか大丈夫ですよ!
(ビックリしますが)
感想とかで返信返そうと思うのですが
自分の返信がネタバレとかになりそうなので止めてます..
すみませんm(_ _)m

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感想 586

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