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第1章

修行開始

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昨日の夜は楽しかったな~

演奏をし終わったことで宴の終了の合図となった。酔いつぶれていない人で後片付けをし、眠ってしまった者は家族に回収されたり布を掛けて放置されたりしていた。

ナギアはいつも通り修行をしてから朝食をとってからリルリアと合流した。

「おはよう、リア。お母さんにデアトリーナ国とかに行くって行った?」

「うん!ナギア君がいる所なら何処へ行っても大丈夫って言われたよ~」

「え?..そうなのか!それじゃあ1回門番さんに会ってから冒険者ギルドに行こうか」

ナギアはリルリアと一緒に門に転移する。リルリアは転移で国に入る許可を得ていないため1度門兵に許可を貰わなければいけない。
2人は門に着くと何時もの門番さんがいた。

「おう!噂のナギア君が来たと思ったらガールフレンド連れてきたよw」

まさか、いきなり茶化されるとは思わなかった。

「違いますよ!この子は僕の弟子ですので、一緒に冒険者ギルドに直接転移する許可を貰いたいのです!」

「へぇ~女の子の方は顔が赤くなってるように見えるぜニヤニヤ
とりあえず許可は出そう。そのくらいの年なら身分証明出来るものもねぇもんな。」

許可は取れたが門番さんに言われリルリアを見ると顔が真っ赤だった。

「だ、大丈夫!?リア!」

「……うん、大丈夫だよ......えへへ」

「良かった..具合悪くなったら言ってね!」

「うん!わかった~」

門番さんに許可を貰ったあと2人は冒険者ギルドに転移した。

冒険者ギルドに入ると酒場の方は相変わらず五月蝿かった。

「あっナギア君だよー!!」
「本当だ!しかも女の子連れてるわよ!」
「まさか、3歳の奴に先を越されるとわ..」
「実力もなww」
「持ち帰りたい……」

そんな声が酒場の方から聞こえるとプリティスさんがやって来た。見た目が筋肉の塊で怖いのかリルリアはナギアの後ろに隠れてしまった。

「おう!ナギア!ギルドにそんな女の子連れて来て大丈夫なのか?まぁ、絡まれたりしてもお前が何とかしそうだけどな!」

「大丈夫ですよ、僕の弟子なので!今日は訓練場の方である人達を鍛えるんです。」

「あぁ盗賊に捕まってた奴らだな、ギルド内でも帰る場所がないと噂になってたな。てか、お前か?盗賊団『ケルベロス』を捕縛したのは?」

へぇー、ギルドの酒場とかで情報が得れるとか小説では良くあったが本当に情報が集まるんだな~

「盗賊団を捕縛とは凄いですね~いったい誰がやったんでしょうかね!」

「ふっ、お前の試合を見たものは全員ナギアがやったと確信してるぜ!既にこの国ではナギアの名前は結構知られてるんじゃねぇか?..まぁこれからも頑張れよ!嬢ちゃんも頑張って強くなれよ!」

「..ありがとう!」

プリティスの応援の言葉に驚いたリルリアはすぐにお礼を言った。

マジか……結構名前知られてきてるのか..でも!人の噂はいつも変な方向に行く事が多いから「見た目は筋肉マッチョな大男」とか流れたりして、姿を覚えられなければ大丈夫だろう!


訓練場に行ってみると捕まった人達が思い思いに剣などの武器を振るっていた。

「おはようございます!」

「あっおはようございます!ご指導の方よろしくお願いします!」

「「「「「「「「「お願いします!!!」」」」」」」」」

「そんな堅い喋り方しなくて良いですよ。先にリア、2週間一緒に修行する人達に挨拶して」

「私はナギア君の弟子のリルリアと申します。..よろしくお願いします!」

僕達はそれぞれ自己紹介をした。男の人達の名前はドーイさん、フヌアさん、バーコルさん、ビリブさん
老男の2人の名前はバルージカシアさん、クーゼマナさん
女性の人達の名前はムンさん、ミョーナさん、サヘーナさん、ナナサシアさんというらしい。

うん!覚えられないから最初の2文字だけで呼ぶことにしよう!

ナギアは始めにリルリアと同じように《魔力操作》を覚えさせるため魔力を感じさせる。今回は人数も多いため《魔力糸》で繋げて送った。
バルさんとクーゼさんはすぐに取得が出来たが他の人が覚えられなかったのでイメージを頭に送り覚えることが出来た。その時にナギアは《感覚共有》のスキルを覚えることができた。

《感覚共有》のスキルは凄かった……ナギアが《思考超加速》を使用しながら《情報処理》のスキルで相手の脳に負担をかけないように整理しながら 魔法などのイメージを送り込んだ事で皆すぐにスキルを覚えることが出来た。
しかし、相性があるのか覚えられない魔法や武器系のスキルがあった。その辺りは仕方ないので覚えられた魔法や剣術などを伸ばさせる事にした……




ドーイ side

こんにちは、私の名前はドーイと申します。盗賊団に捕まっていた時など皆をまとめる役をやってました。

私達はこのまま奴隷として売られ死ぬ程辛い目に遭うんだと思ってました。そんな時、小さな男の子が連れてこられました..盗賊との会話を聞くと森に迷って道を聞きに此処に来てしまったらしい。泣き崩れる男の子に大丈夫か聞くとすぐに態度が変わり大丈夫と答えました……あれ?…意外と元気なんだけど……

それからは有り得ない事が起こりました。
男の子は訳のわからない事を言ったあと傷が治り、気づけば部屋の中だった筈なのに私達は外に立っていました。

いろいろ聞きたい事があったが男の子は歩いて行ってしまうので、後をついて行くしかありませんでした。
歩き始めてすぐに門が見えました..あっ街だ....盗賊達から逃げられたんだ……

男の子はすぐに何処かに行ってしまった。門兵の人が言うには残りの盗賊達を捕まえに行ったらしい……無茶だ!子供が盗賊にかなうはずがない!と思っていたら既に50人程捕まえたらしく、その盗賊達はとても大人しくしているらしい……あっそうなんですか………

門兵さんに指示に従いボロボロの服を着替えた。帰れる者は帰っていき、残ったのは私含めた10人だった。門兵さんは冒険者ギルドに僕達を送りギルマスの部屋に案内された。

「お前らか、ナギアが助けた捕虜は」

「あの、そのナギア君はいったい何者何ですか?」

私はあの男の子が何者なのか気になってしまいギルドマスターに聞いた。

「あいつは昨日俺との試合で勝ってSSSランクになった3歳児だ、笑えるだろ?」

「はい?……え?」

「今回の盗賊団を捕縛は王様から指名依頼でナギアの初クエストだ。まぁ、強い奴だよ」

あの男の子が..ナギア君がそんなに強い子だったんだ..

「今回はお前らの帰る場所がない件だったな..ナギアに強くしてもらって冒険者になれば宿とかとって生きていけるがどうする?」

「ナギア君が僕らを鍛えてくれるでしょうか?」

「うーん、多分大丈夫だ!俺に任せとけ!」

それからすぐにナギア君が来て私達は鍛えて貰うことになった。……ギルマスは意外と凄い人なんだと思いました。


次の日、ナギア君がリルリアという可愛らしい女の子を連れてきた。どうやら言っていた弟子らしい。

ナギア君の修行は私達が想像していたものとは違った。ナギア君が私達の頭の中に魔法や武器系のスキルを流してくる……習っていない筈なのに武器の振り方や属性魔法の使い方がわかったが、使えない属性魔法や扱えないスキルもあった。私は剣術と風魔法と光魔法が扱えてスキルも取得することが出来たが他は上手く出来なかった。

ナギア君は私達に無理に覚える必要は無いといい、取得出来たものを重点的に強くすると言った。


その日から1週間はナギア君の鬼のような修行が始まった。


ナギア君は小さい魔物から大きな魔物、小さい人から大きな人の影を作り実戦に似せた形で修行を始めた。影は速かったり遅かったり重い攻撃だったり軽い攻撃だったりと色んなタイプを相手にした。怪我をしたり疲れたりするとナギア君は回復魔法で治して続けた……回復魔法は確か怪我だけな筈なのに……ナギア君だからか..

魔法の特訓も魔力をナギア君に分けてもらっているため好きなだけ撃てる……ナギア君の魔力は底なしだと思った瞬間だった。戦闘中にやっていたため動きながら無詠唱で撃つことが出来るようになった。

ここまで来てビックリした事は小さなリルリアちゃんも凄く強い……いや、強くなっているという事でした。
リルリアちゃんを私達が見てわかった事はナギア君の事が好きといことだ。しかし、ナギア君は気づいていないらしい。ナギア君は鈍感なのかも知れないですね。

こうして私達の地獄1週間が終わった……


「皆さん1週間お疲れ様です!では、明日からは影を複数にして対集団戦と大型魔物を想定した修行をしましょう!」



私達の地獄はこれからのようだった……




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