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結
第十五話 忘れえぬ日々 Ⅲ
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「ほらよ、団長から追加のお仕事だ。明日中に処理しとけ、だとさ」
アランが腰を曲げ、持っていた四つの封筒をローテーブルの上に置く。
その封筒の扱い方は、入室時の乱暴な振る舞いからは想像もつかないほど丁寧で、近くにあるオーリィードのカップは揺れも倒れもせず、残していた中身が溢れることもなかった。
呆気に取られた顔で立ち尽くすオーリィードを、頭を上げたアランが鼻で嘲笑う。
あんたに払う敬意なんざ無ぇんだよ、とでも言いたげに。
「あ、ああ、団長の所に行ってたのか。手間を掛けさせたな。ありがとう」
けれど、オーリィードが気にしていたのは自分と書類への態度の違いなどではなく、オーリィード宛の仕事を、しかも伝言まで添えてきっちり自分に届けてくれた事実だった。
アランを含めたシュバイツァー隊のメンバーもそうだが、団員達が向けるオーリィードへの敵意の源には、出世を阻まれた恨みと同じかそれ以上に、自分達の仕事に対する愛着と誇りがある。
中には、誇りを持っているからこそ、経験不足で若輩者のオーリィードが上に立つなんて許せない、と考えている団員も居るだろう。
案外そちらのほうが、出世云々で恨んでいる団員より多いかも知れない。
彼らのそうした心情はオーリィードも察していたし、実際に毎日観察しているシュバイツァー隊のメンバーは、全員が真面目に働いていた。
『オーリィードが直接関わらなければ』、だが。
巡回中のオーリィードを見かけるたび不機嫌な様子でささやき合う姿も、もはや日常風景だ。
だから、アランがオーリィード宛の仕事を普通に届けてくれたのは、少々意外でもあり、嬉しくもある。
どんなに疎ましく思っても、規律違反で反抗心を示しても、隊長としての仕事はさせてくれるんだな、と。
「『ありがとう』?」
「ここまで持ってきてくれたからな」
軽く屈んだオーリィードが積まれた封筒をまとめて持ち上げ、隊長専用の机の上に移し変える。
シュバイツァー隊の控え室には、燭台はおろかロウソクの一本も無い。
夕方以降になると、室内が暗すぎて文字の判別も難しくなってしまう。
陽光が射し込んでいる間に目を通しておかなければと、一番上の封筒から書類の束を取り出し、椅子に座って、適当にめくりながら内容を確認。
どうやらこの束は、次の実技試験に関する告知が主体らしい。
実施日や注意事項を記した紙が数種類、十枚ずつまとめられている。
もうそんな時期かと、憎たらしい銀髪男の顔を目蓋の裏に思い浮かべ……咄嗟に頭を振って雑念を追い払う。
そこに突然アランの腕が伸びてきて、オーリィードの手元から書類を一枚掠め取った。
気付くと、机の端に浅く腰掛けていたアランが、摘まみ上げた書類を掲げ見ている。
「アラン。机は椅子でもソファーでもない。下りろ」
書類はメンバー全員に配る物だからそのまま持っていっても構わないが、浅くとはいえ机の上に臀部を乗せるのは行儀が悪い。
しかも上司の目の前で、上司の机にそれをやるとは。
陰口を叩くのとは訳が違う、明らかな不敬行為をたしなめるが。
「王城内の訓練場にて、宮廷騎士団の団員は日程をずらして全員参加、ね。あんたの場合、指揮官が集まる休憩室が会場だよなあ、たいちょー殿?」
アランは書類をぴらぴら揺らしながら身を乗り出し、オーリィードに顔を寄せてケタケタと笑った。
ローテーブルにカップとソーサーを戻したティアンがわざとらしく大きなため息を吐いて警告するのもお構いなしで、悪意に満ちた言葉を連ねる。
「いや、指揮官だけじゃねえのか。人事とか政務部が関わってくるもんな」
「! やめろ、アラン」
「もしかして、大臣全員とも仲良くヤッてんの?」
「アラン!」
「すげえな、二十人は余裕で越えてんじゃん。疲れ知らずで羨ましい限り」
「アラン・フェリオ・フィールレイク!!」
勢いよく立ち上がったオーリィードが、書類の束を机の上に叩き付けて、アランを威嚇する。
「……そこまでにしておけ。それ以上は、私だけでなく国王陛下や議会への侮辱にもなってしまう。隊長の私はもちろん、私を隊長に抜擢した団長でも庇えなくなるぞ。宮廷騎士にまで勝ち上がってきた自分に誇りがあるなら、今一度己の言動を見直せ」
これまで何を言われても無視を決め込んでいたオーリィードが反撃した。それが意外なのだろう。
ほんの少し身を退いたアランが、翡翠色の目を丸くして、オーリィードの怒気を孕んだ顔をじっと見つめる。
オーリィードも、アランの顔から目を逸らさず、まっすぐ見つめ返した。
「…………前例が少ない立場を獲得したっつー名誉が欲しいだけだろうが。偉そうに説教すんじゃねえよ」
「私が地位や名声や名誉を望んでいることは否定しない」
「ああ?」
「私にはどうしても叶えたい夢がある。その為に必要だから名誉は欲しい」
「はっ! 本性を現しやがったな、女狐」
「だが、それの何が悪い? 地位や名声や名誉を望んでいるのは、お前達も同じだ。手段もお前達と同じ」
「一緒にすんな! 俺らはあんたみたいな女とは違う!」
「ならば、お前達のような騎士をまとめる人間達が、私のような女を相手にする筈もない。違うか?」
「っ!」
一瞬怯んだアランの手が、机の上で重なっている封筒にぶつかった。
「幸い、ここには私とティアンとお前しか居ない。今回の暴言は無かった。以後、本心はどうであれ言葉は選べ。良いな? 解ったら、宮殿の外へ出て一旦頭を冷やしてこい」
話は終わりだと、オーリィードが椅子に座ろうとした、その時。
バランスを崩した封筒が、オーリィードの足元に中身をぶちまけた。
引っ掛かりが少ない上質な紙を使っているからか、ちょっとした衝撃でも派手に散らばるらしい。
慌てたオーリィードとアランが、それらを拾おうと同時に腕を伸ばし。
「……なんだこれ。封筒と、便せん?」
「あっ!」
事務的で味気ない書類の中では異質な、誰が見ても私的に使われる物だと一目で判る薄黄色のレターセットを、アランが拾い上げる。
三十枚程度のレターセットは白い紙帯に包まれ。
その紙帯には、団長の筆跡で『今月分』と刻まれていた。
「……ッ」
顔を真っ赤に染めたオーリィードが、まじまじと見入っていたアランからレターセットを奪い取り、自分の背中に隠す。
直後、しまった、と言わんばかりに青ざめた。
「…………へえ…………?」
「アラン、おやめなさい。それは」
「黙れ、クソ兄貴」
「アラン」
「居るんだな、あんたみたいな女を相手にする奴」
「違っ……、これは!」
「うるせえよ。きゃんきゃん喚くな、女狐」
唇を歪めて静かに笑うアランに気圧され、オーリィードが一歩退く。
彼女の前に滑り込んだティアンが見たアランの目は、怒りで燃えていた。
「あんたもしょせん、あの国王陛下の縁者ってコトか」
「おやめなさい、アラン」
ティアンが闘気をぶつけて諌めようとしても、アランの口は止まらない。
「生まれが散々でも、育ちが育ちだからしゃーねえか? なあ?」
「アラン!」
「遊び場を間違えてんじゃねえぞ、たいちょー殿……いや、『お嬢サマ』」
「……っ」
「! 隊長! 駄目です、挑発に乗らないで!」
サーラの騎士を目指していたオーリィードにとって、アランの言葉は最大最悪の侮辱だった。
怒りに堪えかねたオーリィードが瞬間的に強烈な殺気を放ち……抑える。
ここは、国王が住んでいる宮殿の一階。
騎士同士の私闘は、当然ながら懲罰の対象となる。
良くて減給、悪くて罷免。
どっちにしても、オーリィードの悪評は拡がるばかりだ。
だから、歯を食い縛り、レターセットを握り締めて、なんとか耐えた。
「……ああ、そうだな。私はお嬢様だ。たった五年かそこらの経験しかない未熟者だよ。それでも、お前達に譲ってやれるものは無い」
地を這う低音で唸りながら、持っていたレターセットを机に置き、足元に散らばっている書類を集め始める。
ほっと息を吐いたティアンも、オーリィードと一緒になって屈み、拾う。
目蓋を限界まで開いたアランは、しばらくの間無言で二人を見下ろし。
「はっ……そうかよ!」
舌打ちしてから、乱暴な足取りで控え室を後にした。
アランが腰を曲げ、持っていた四つの封筒をローテーブルの上に置く。
その封筒の扱い方は、入室時の乱暴な振る舞いからは想像もつかないほど丁寧で、近くにあるオーリィードのカップは揺れも倒れもせず、残していた中身が溢れることもなかった。
呆気に取られた顔で立ち尽くすオーリィードを、頭を上げたアランが鼻で嘲笑う。
あんたに払う敬意なんざ無ぇんだよ、とでも言いたげに。
「あ、ああ、団長の所に行ってたのか。手間を掛けさせたな。ありがとう」
けれど、オーリィードが気にしていたのは自分と書類への態度の違いなどではなく、オーリィード宛の仕事を、しかも伝言まで添えてきっちり自分に届けてくれた事実だった。
アランを含めたシュバイツァー隊のメンバーもそうだが、団員達が向けるオーリィードへの敵意の源には、出世を阻まれた恨みと同じかそれ以上に、自分達の仕事に対する愛着と誇りがある。
中には、誇りを持っているからこそ、経験不足で若輩者のオーリィードが上に立つなんて許せない、と考えている団員も居るだろう。
案外そちらのほうが、出世云々で恨んでいる団員より多いかも知れない。
彼らのそうした心情はオーリィードも察していたし、実際に毎日観察しているシュバイツァー隊のメンバーは、全員が真面目に働いていた。
『オーリィードが直接関わらなければ』、だが。
巡回中のオーリィードを見かけるたび不機嫌な様子でささやき合う姿も、もはや日常風景だ。
だから、アランがオーリィード宛の仕事を普通に届けてくれたのは、少々意外でもあり、嬉しくもある。
どんなに疎ましく思っても、規律違反で反抗心を示しても、隊長としての仕事はさせてくれるんだな、と。
「『ありがとう』?」
「ここまで持ってきてくれたからな」
軽く屈んだオーリィードが積まれた封筒をまとめて持ち上げ、隊長専用の机の上に移し変える。
シュバイツァー隊の控え室には、燭台はおろかロウソクの一本も無い。
夕方以降になると、室内が暗すぎて文字の判別も難しくなってしまう。
陽光が射し込んでいる間に目を通しておかなければと、一番上の封筒から書類の束を取り出し、椅子に座って、適当にめくりながら内容を確認。
どうやらこの束は、次の実技試験に関する告知が主体らしい。
実施日や注意事項を記した紙が数種類、十枚ずつまとめられている。
もうそんな時期かと、憎たらしい銀髪男の顔を目蓋の裏に思い浮かべ……咄嗟に頭を振って雑念を追い払う。
そこに突然アランの腕が伸びてきて、オーリィードの手元から書類を一枚掠め取った。
気付くと、机の端に浅く腰掛けていたアランが、摘まみ上げた書類を掲げ見ている。
「アラン。机は椅子でもソファーでもない。下りろ」
書類はメンバー全員に配る物だからそのまま持っていっても構わないが、浅くとはいえ机の上に臀部を乗せるのは行儀が悪い。
しかも上司の目の前で、上司の机にそれをやるとは。
陰口を叩くのとは訳が違う、明らかな不敬行為をたしなめるが。
「王城内の訓練場にて、宮廷騎士団の団員は日程をずらして全員参加、ね。あんたの場合、指揮官が集まる休憩室が会場だよなあ、たいちょー殿?」
アランは書類をぴらぴら揺らしながら身を乗り出し、オーリィードに顔を寄せてケタケタと笑った。
ローテーブルにカップとソーサーを戻したティアンがわざとらしく大きなため息を吐いて警告するのもお構いなしで、悪意に満ちた言葉を連ねる。
「いや、指揮官だけじゃねえのか。人事とか政務部が関わってくるもんな」
「! やめろ、アラン」
「もしかして、大臣全員とも仲良くヤッてんの?」
「アラン!」
「すげえな、二十人は余裕で越えてんじゃん。疲れ知らずで羨ましい限り」
「アラン・フェリオ・フィールレイク!!」
勢いよく立ち上がったオーリィードが、書類の束を机の上に叩き付けて、アランを威嚇する。
「……そこまでにしておけ。それ以上は、私だけでなく国王陛下や議会への侮辱にもなってしまう。隊長の私はもちろん、私を隊長に抜擢した団長でも庇えなくなるぞ。宮廷騎士にまで勝ち上がってきた自分に誇りがあるなら、今一度己の言動を見直せ」
これまで何を言われても無視を決め込んでいたオーリィードが反撃した。それが意外なのだろう。
ほんの少し身を退いたアランが、翡翠色の目を丸くして、オーリィードの怒気を孕んだ顔をじっと見つめる。
オーリィードも、アランの顔から目を逸らさず、まっすぐ見つめ返した。
「…………前例が少ない立場を獲得したっつー名誉が欲しいだけだろうが。偉そうに説教すんじゃねえよ」
「私が地位や名声や名誉を望んでいることは否定しない」
「ああ?」
「私にはどうしても叶えたい夢がある。その為に必要だから名誉は欲しい」
「はっ! 本性を現しやがったな、女狐」
「だが、それの何が悪い? 地位や名声や名誉を望んでいるのは、お前達も同じだ。手段もお前達と同じ」
「一緒にすんな! 俺らはあんたみたいな女とは違う!」
「ならば、お前達のような騎士をまとめる人間達が、私のような女を相手にする筈もない。違うか?」
「っ!」
一瞬怯んだアランの手が、机の上で重なっている封筒にぶつかった。
「幸い、ここには私とティアンとお前しか居ない。今回の暴言は無かった。以後、本心はどうであれ言葉は選べ。良いな? 解ったら、宮殿の外へ出て一旦頭を冷やしてこい」
話は終わりだと、オーリィードが椅子に座ろうとした、その時。
バランスを崩した封筒が、オーリィードの足元に中身をぶちまけた。
引っ掛かりが少ない上質な紙を使っているからか、ちょっとした衝撃でも派手に散らばるらしい。
慌てたオーリィードとアランが、それらを拾おうと同時に腕を伸ばし。
「……なんだこれ。封筒と、便せん?」
「あっ!」
事務的で味気ない書類の中では異質な、誰が見ても私的に使われる物だと一目で判る薄黄色のレターセットを、アランが拾い上げる。
三十枚程度のレターセットは白い紙帯に包まれ。
その紙帯には、団長の筆跡で『今月分』と刻まれていた。
「……ッ」
顔を真っ赤に染めたオーリィードが、まじまじと見入っていたアランからレターセットを奪い取り、自分の背中に隠す。
直後、しまった、と言わんばかりに青ざめた。
「…………へえ…………?」
「アラン、おやめなさい。それは」
「黙れ、クソ兄貴」
「アラン」
「居るんだな、あんたみたいな女を相手にする奴」
「違っ……、これは!」
「うるせえよ。きゃんきゃん喚くな、女狐」
唇を歪めて静かに笑うアランに気圧され、オーリィードが一歩退く。
彼女の前に滑り込んだティアンが見たアランの目は、怒りで燃えていた。
「あんたもしょせん、あの国王陛下の縁者ってコトか」
「おやめなさい、アラン」
ティアンが闘気をぶつけて諌めようとしても、アランの口は止まらない。
「生まれが散々でも、育ちが育ちだからしゃーねえか? なあ?」
「アラン!」
「遊び場を間違えてんじゃねえぞ、たいちょー殿……いや、『お嬢サマ』」
「……っ」
「! 隊長! 駄目です、挑発に乗らないで!」
サーラの騎士を目指していたオーリィードにとって、アランの言葉は最大最悪の侮辱だった。
怒りに堪えかねたオーリィードが瞬間的に強烈な殺気を放ち……抑える。
ここは、国王が住んでいる宮殿の一階。
騎士同士の私闘は、当然ながら懲罰の対象となる。
良くて減給、悪くて罷免。
どっちにしても、オーリィードの悪評は拡がるばかりだ。
だから、歯を食い縛り、レターセットを握り締めて、なんとか耐えた。
「……ああ、そうだな。私はお嬢様だ。たった五年かそこらの経験しかない未熟者だよ。それでも、お前達に譲ってやれるものは無い」
地を這う低音で唸りながら、持っていたレターセットを机に置き、足元に散らばっている書類を集め始める。
ほっと息を吐いたティアンも、オーリィードと一緒になって屈み、拾う。
目蓋を限界まで開いたアランは、しばらくの間無言で二人を見下ろし。
「はっ……そうかよ!」
舌打ちしてから、乱暴な足取りで控え室を後にした。
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