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おまけ
[シウラ]孤影悄然なれば寸歩不離
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ウェラント王国の宮殿の上層階、国王の執務室。
陽光と月光、ロウソクの灯りが入れ代わり立ち代わり射し込むそこに、リブロム陛下は今日も無言で座っている。
右手にはペン、左手には王の印章、視線の先には常に書類。
時間と体力の概念を捨てて椅子に根を張り机にかじりつくその様は、毎日毎時毎分彼の眼前に書類を運び込んでいる各部所の長官達の顔をも心配で曇らせていた。
彼本人は自分が為すべき仕事だからと譲らない姿勢を保っているけれど、悪化の一途を辿る彼の顔色を日々目の当たりにしてきた長官達が、それぞれの部下達に対して「お前達、自分の仕事をもっと大切にしろ」と言い含め始めている事には、きっと気付いてもいない。
もっとも、部下達の誠意と努力で書類の量が減ったとしても、国王の仕事は執務のみに限らない。せっかく空けてくれた時間にも別の仕事を見つけ出してはねじ込んで、自分自身を極限まで追い詰めるのだろう。
考えたくない事から逃げ続ける為に。
「……どうしようもない男性ね、私の旦那様は……」
オーリィード改めグローリア=シュバイツァー達がフリューゲルヘイゲンへ移住してから、もうすぐ一年が経つ。
フリューゲルヘイゲン王国とウェラント・ベルゼーラの両王国は、表向き敵国として断交状態にある為、シュバイツァー公爵家と私達とで公式のやり取りは無い。
ただ、ごく稀に王城内へ忍び込んでくる『ガーネット=フリージア』と『グローリア=ヘンリー』の女性二人組によれば、シュバイツァーの面々は比較的平穏無事に過ごしているらしい。
突如移住してきたシュバイツェル王家傍系の姫君と姫君の家族に対し、フリューゲルヘイゲンの貴族達は敵対心も下心も見せず、貴族間のパワーバランスに関する危機感を訴えるでもなく、努めてにこやかに迎え入れてくれたという。
それを聴いた時は、てっきりシュバイツァー公爵の後ろにフィオルシーニ皇国が付いているからかと思ったのだけど、どうやらそうではないらしく。
「ウチは基本、実力主義なので」
と、グローリア=ヘンリーが意味ありげにうっすら笑いながら、シュバイツェル王家の歴史について断片的に教えてくれた。
曰く、フリューゲルヘイゲン王国の民は元々、大半が好戦的な武闘派の血統なのだとか。
シュバイツェル王家を立ち上げた初代フリューゲルヘイゲン国王ムルチコーレ=シュバイツェルは、当時近辺に点在していた幾つかの力比べ大好きな氏族を拳一つで屈服させて回り、幼少の頃からの親友であり初代宰相にもなったパルドスム=ハインリヒの賢才を遺憾無く発揮させ、一つの民族としてまとめ上げた。
以降フリューゲルヘイゲンの貴族達には、氏族の長達から引き継いできた地位や権力の他にも、上下左右を問わない暗黙の了解が一つだけ脈々と受け継がれている。
即ち。
『不満があるなら(物理的に)かかっておいで』
「我が国の民に限った話ではないと思うけど、ある程度の実力があれば、刃を交えなくても立ち姿一つで相手の力量を測れるんだよ。妊婦のオーリィードを目にした瞬間の貴族達の戦慄顔ときたら、成形に失敗した石像みたいで面白かったな」
「直前までは文句を連ねる気満々でしたものね。グエン様の手で直々に剣術を仕込んでいた元騎士だと紹介した時には、明らかに怯えていましたけれど」
「ああ……それはまあ、国一番の強者グリューエルや、その弟子に当たるダンデリオン陛下、近衛騎士グエンが部下達に施す訓練模様は、子供が悪さをした時のお説教に使われるくらい民間でも有名らしいから……。グリューエルはともかく、私はそんなに酷くしてないのに……」
「『悪い事をするとグリューエル様が来るぞ。陛下と騎士様に、全身が疲労骨折するまで追いかけ回されるぞ』……でしたかしら」
「実際の訓練で折れた例は無いんだけどね。折れそうになったことなら何回かあるけど。とりあえず、今ではどの家の人間も普通に談笑しているよ。事あるごとに「娘の双子も滅茶苦茶強くなりそうだから息子の嫁にくれ!」とねだる姿は、とても滑稽だけど」
「権力の為に繋がりを求めている訳じゃない辺りが、フリューゲルヘイゲンのお国柄ですわよね。勿論、熱視線が注がれているのは娘達だけではありません。二児の母とはいえ、歳若く強く見目美しい女性当主も、当分の間は狙われ放題ですわ」
「シュバイツァー公爵家の平穏は、アーシュマーの気苦労と奮闘の上で成り立っていると言っても過言じゃないだろうね」
騎士としての実力を認められたからこそ、是非とも仲良くなりたい! と貴族の男性達に真正面から囲い込まれてしまった実の妹の姿を想像する。
なるほど、比較的、平穏無事。
毎日横で見ているであろうアーシュマーに落ち着ける瞬間は無さそうだった。
そして、そんなお土産話を毎回聴かされているリブロム陛下にも、仕事以外の逃避先は見当たらない。
どうやらベルゼーラの兄弟王子達は、どちらも心安らぐ居場所には恵まれなかったらしい。
青白い月光が彼の背中を、赤白い燭台の灯火が彼の手元を照らす夜。
そろそろ無理にでも休憩させたほうが良いかと思い、四六時中全開になっている執務室を訪ねると、彼の目線は珍しく夜空に向けて投げられていた。
左手を透明なガラスに添え、背筋をまっすぐに伸ばして立っている。
白いウールのシャツに、センタープレスが入った黒いズボン。光沢が特徴的なロングノーズの黒い革靴。
首筋で束ねた銀色の髪は夜の青さを含んで軽やかに煌めき、長時間執務に囚われていたとは思えない清潔感を釀し出す。
「……月の光を見ていたのですか?」
挨拶代わりで掛けた問いに、彼は浅くうつむいて「呆れましたか?」と問いを返した。
私は首を振り、書類が形作った山脈の隙間に足を踏み入れる。
「いいえ。呆れる理由がありません」
「……もう、一年が経ちます」
「そうですね」
右隣に立った私を見下ろして、彼が苦笑う。
「いい加減にしつこいと、嫌われてそうだ」
「どうかしら。案外、そういう貴方も好まれているかも知れませんよ。あの子は根本的な部分で人懐っこいようですから」
「だとしても、アーシュマーには敵いません。そして、だからどうにかなるという話でもない」
「ええ、そうですね」
寂しげに細めた目で夜空を見上げる彼。
私も右隣に立ったまま、黒いのに青く光る不思議な闇夜を見上げる。
「ベルゼーラへの帰国予定は変わりませんか?」
「それが私の役目なので」
「そう…………」
ウェラント王国にはサーラが居る。
反面、ベルゼーラ王国にはもう、彼しかいない。
マッケンティア后がフリューゲルヘイゲンに保護され、アーシュマーがグローリア=シュバイツァーの下へ行ってしまった以上、残された彼にはベルゼーラ以外の選択肢は無い。
彼は帰る。
彼しかいないベルゼーラ王国へ。
叶わない想いを封じ、頼れる相手も無く、様々な重責を背負って。
これからもずっと、触れられない光に焦がれて。
必要に迫られ、見知らぬ女性を隣に据えるまで。
たった一人で。
一人きりで。
「…………リブロム陛下」
「なにか?」
「月光ほどの明るさはありませんが、星の輝きもなかなかのものだとは思いませんか?」
ふっと微笑んで見上げる私を、丸い目が見つめる。
見つめて、頬を緩めた。
「私には眩しすぎるほどです」
「道に迷う余地も無さそうでしょう?」
「……そうですね。……本当に……」
少しの間、互いに微笑み合い。
また、二人並んで夜空を見上げる。
「……本当に、貴女方は……優しすぎる」
「ならば、私達の優しさを知る貴方自身を、誇ると良いですよ」
「え?」
「花も星も宝石も、誰も彼もを等しく引き立てる為の装飾品ではありません。自分に相応しいと認めた相手にのみ微笑み返し、自分もまた相手に相応しくあろうとして輝きを増すのです」
ガラスに映る彼の目がきょとんと瞬いて。
「……ああ……、なるほど。そう、ですね。そうか……。そうですね……ああ、確かに……」
徐々に歪み、うつむいていく笑顔を、彼の左手が覆い隠した。
「だからこそ貴女方は、いついかなる時も誇り高く、力強く、美しい……」
肩を震わせる彼の隣で、私は夜空を見つめる。
彼の足元へパタパタと落ちていく何かにも気付かないフリをして、瞬く星と月の光を黙々と見つめ続ける。
翌日の昼頃。
長官達との会議で、リブロム陛下のベルゼーラ王国への帰還が一週間後と正式に決まった。
彼の答えはまだ出ない。
けれど、なんとなく『予感』はある。
彼はきっと、孤独だけは選ばない。
その夜再び一緒に空を見上げた彼の目には、月光とは別の、あるのか無いのかもはっきりしない程度に小さくて微かな星の輝きが宿っているように見えたから。
「…………なんて、どうしようもないわね、私も……」
個人的に特別な何かがあった訳じゃない。
妹との縁を通して、都合上たまたま偽りの夫婦もどきになっただけの相手。
強いて挙げるなら、身体を壊しかねない勢いで仕事に没頭する姿をずっと見ていただけ。
それ以外のきっかけも理由も根拠も、私自身が解らない。
それでも、この手を伸ばしたい。
叶うなら、掴み返して欲しい。
いつの間にか胸の奥で淡く色付いていた感情には、『予感』よりも適切な呼び名がある事。
今はまだ、知らないフリをしている。
陽光と月光、ロウソクの灯りが入れ代わり立ち代わり射し込むそこに、リブロム陛下は今日も無言で座っている。
右手にはペン、左手には王の印章、視線の先には常に書類。
時間と体力の概念を捨てて椅子に根を張り机にかじりつくその様は、毎日毎時毎分彼の眼前に書類を運び込んでいる各部所の長官達の顔をも心配で曇らせていた。
彼本人は自分が為すべき仕事だからと譲らない姿勢を保っているけれど、悪化の一途を辿る彼の顔色を日々目の当たりにしてきた長官達が、それぞれの部下達に対して「お前達、自分の仕事をもっと大切にしろ」と言い含め始めている事には、きっと気付いてもいない。
もっとも、部下達の誠意と努力で書類の量が減ったとしても、国王の仕事は執務のみに限らない。せっかく空けてくれた時間にも別の仕事を見つけ出してはねじ込んで、自分自身を極限まで追い詰めるのだろう。
考えたくない事から逃げ続ける為に。
「……どうしようもない男性ね、私の旦那様は……」
オーリィード改めグローリア=シュバイツァー達がフリューゲルヘイゲンへ移住してから、もうすぐ一年が経つ。
フリューゲルヘイゲン王国とウェラント・ベルゼーラの両王国は、表向き敵国として断交状態にある為、シュバイツァー公爵家と私達とで公式のやり取りは無い。
ただ、ごく稀に王城内へ忍び込んでくる『ガーネット=フリージア』と『グローリア=ヘンリー』の女性二人組によれば、シュバイツァーの面々は比較的平穏無事に過ごしているらしい。
突如移住してきたシュバイツェル王家傍系の姫君と姫君の家族に対し、フリューゲルヘイゲンの貴族達は敵対心も下心も見せず、貴族間のパワーバランスに関する危機感を訴えるでもなく、努めてにこやかに迎え入れてくれたという。
それを聴いた時は、てっきりシュバイツァー公爵の後ろにフィオルシーニ皇国が付いているからかと思ったのだけど、どうやらそうではないらしく。
「ウチは基本、実力主義なので」
と、グローリア=ヘンリーが意味ありげにうっすら笑いながら、シュバイツェル王家の歴史について断片的に教えてくれた。
曰く、フリューゲルヘイゲン王国の民は元々、大半が好戦的な武闘派の血統なのだとか。
シュバイツェル王家を立ち上げた初代フリューゲルヘイゲン国王ムルチコーレ=シュバイツェルは、当時近辺に点在していた幾つかの力比べ大好きな氏族を拳一つで屈服させて回り、幼少の頃からの親友であり初代宰相にもなったパルドスム=ハインリヒの賢才を遺憾無く発揮させ、一つの民族としてまとめ上げた。
以降フリューゲルヘイゲンの貴族達には、氏族の長達から引き継いできた地位や権力の他にも、上下左右を問わない暗黙の了解が一つだけ脈々と受け継がれている。
即ち。
『不満があるなら(物理的に)かかっておいで』
「我が国の民に限った話ではないと思うけど、ある程度の実力があれば、刃を交えなくても立ち姿一つで相手の力量を測れるんだよ。妊婦のオーリィードを目にした瞬間の貴族達の戦慄顔ときたら、成形に失敗した石像みたいで面白かったな」
「直前までは文句を連ねる気満々でしたものね。グエン様の手で直々に剣術を仕込んでいた元騎士だと紹介した時には、明らかに怯えていましたけれど」
「ああ……それはまあ、国一番の強者グリューエルや、その弟子に当たるダンデリオン陛下、近衛騎士グエンが部下達に施す訓練模様は、子供が悪さをした時のお説教に使われるくらい民間でも有名らしいから……。グリューエルはともかく、私はそんなに酷くしてないのに……」
「『悪い事をするとグリューエル様が来るぞ。陛下と騎士様に、全身が疲労骨折するまで追いかけ回されるぞ』……でしたかしら」
「実際の訓練で折れた例は無いんだけどね。折れそうになったことなら何回かあるけど。とりあえず、今ではどの家の人間も普通に談笑しているよ。事あるごとに「娘の双子も滅茶苦茶強くなりそうだから息子の嫁にくれ!」とねだる姿は、とても滑稽だけど」
「権力の為に繋がりを求めている訳じゃない辺りが、フリューゲルヘイゲンのお国柄ですわよね。勿論、熱視線が注がれているのは娘達だけではありません。二児の母とはいえ、歳若く強く見目美しい女性当主も、当分の間は狙われ放題ですわ」
「シュバイツァー公爵家の平穏は、アーシュマーの気苦労と奮闘の上で成り立っていると言っても過言じゃないだろうね」
騎士としての実力を認められたからこそ、是非とも仲良くなりたい! と貴族の男性達に真正面から囲い込まれてしまった実の妹の姿を想像する。
なるほど、比較的、平穏無事。
毎日横で見ているであろうアーシュマーに落ち着ける瞬間は無さそうだった。
そして、そんなお土産話を毎回聴かされているリブロム陛下にも、仕事以外の逃避先は見当たらない。
どうやらベルゼーラの兄弟王子達は、どちらも心安らぐ居場所には恵まれなかったらしい。
青白い月光が彼の背中を、赤白い燭台の灯火が彼の手元を照らす夜。
そろそろ無理にでも休憩させたほうが良いかと思い、四六時中全開になっている執務室を訪ねると、彼の目線は珍しく夜空に向けて投げられていた。
左手を透明なガラスに添え、背筋をまっすぐに伸ばして立っている。
白いウールのシャツに、センタープレスが入った黒いズボン。光沢が特徴的なロングノーズの黒い革靴。
首筋で束ねた銀色の髪は夜の青さを含んで軽やかに煌めき、長時間執務に囚われていたとは思えない清潔感を釀し出す。
「……月の光を見ていたのですか?」
挨拶代わりで掛けた問いに、彼は浅くうつむいて「呆れましたか?」と問いを返した。
私は首を振り、書類が形作った山脈の隙間に足を踏み入れる。
「いいえ。呆れる理由がありません」
「……もう、一年が経ちます」
「そうですね」
右隣に立った私を見下ろして、彼が苦笑う。
「いい加減にしつこいと、嫌われてそうだ」
「どうかしら。案外、そういう貴方も好まれているかも知れませんよ。あの子は根本的な部分で人懐っこいようですから」
「だとしても、アーシュマーには敵いません。そして、だからどうにかなるという話でもない」
「ええ、そうですね」
寂しげに細めた目で夜空を見上げる彼。
私も右隣に立ったまま、黒いのに青く光る不思議な闇夜を見上げる。
「ベルゼーラへの帰国予定は変わりませんか?」
「それが私の役目なので」
「そう…………」
ウェラント王国にはサーラが居る。
反面、ベルゼーラ王国にはもう、彼しかいない。
マッケンティア后がフリューゲルヘイゲンに保護され、アーシュマーがグローリア=シュバイツァーの下へ行ってしまった以上、残された彼にはベルゼーラ以外の選択肢は無い。
彼は帰る。
彼しかいないベルゼーラ王国へ。
叶わない想いを封じ、頼れる相手も無く、様々な重責を背負って。
これからもずっと、触れられない光に焦がれて。
必要に迫られ、見知らぬ女性を隣に据えるまで。
たった一人で。
一人きりで。
「…………リブロム陛下」
「なにか?」
「月光ほどの明るさはありませんが、星の輝きもなかなかのものだとは思いませんか?」
ふっと微笑んで見上げる私を、丸い目が見つめる。
見つめて、頬を緩めた。
「私には眩しすぎるほどです」
「道に迷う余地も無さそうでしょう?」
「……そうですね。……本当に……」
少しの間、互いに微笑み合い。
また、二人並んで夜空を見上げる。
「……本当に、貴女方は……優しすぎる」
「ならば、私達の優しさを知る貴方自身を、誇ると良いですよ」
「え?」
「花も星も宝石も、誰も彼もを等しく引き立てる為の装飾品ではありません。自分に相応しいと認めた相手にのみ微笑み返し、自分もまた相手に相応しくあろうとして輝きを増すのです」
ガラスに映る彼の目がきょとんと瞬いて。
「……ああ……、なるほど。そう、ですね。そうか……。そうですね……ああ、確かに……」
徐々に歪み、うつむいていく笑顔を、彼の左手が覆い隠した。
「だからこそ貴女方は、いついかなる時も誇り高く、力強く、美しい……」
肩を震わせる彼の隣で、私は夜空を見つめる。
彼の足元へパタパタと落ちていく何かにも気付かないフリをして、瞬く星と月の光を黙々と見つめ続ける。
翌日の昼頃。
長官達との会議で、リブロム陛下のベルゼーラ王国への帰還が一週間後と正式に決まった。
彼の答えはまだ出ない。
けれど、なんとなく『予感』はある。
彼はきっと、孤独だけは選ばない。
その夜再び一緒に空を見上げた彼の目には、月光とは別の、あるのか無いのかもはっきりしない程度に小さくて微かな星の輝きが宿っているように見えたから。
「…………なんて、どうしようもないわね、私も……」
個人的に特別な何かがあった訳じゃない。
妹との縁を通して、都合上たまたま偽りの夫婦もどきになっただけの相手。
強いて挙げるなら、身体を壊しかねない勢いで仕事に没頭する姿をずっと見ていただけ。
それ以外のきっかけも理由も根拠も、私自身が解らない。
それでも、この手を伸ばしたい。
叶うなら、掴み返して欲しい。
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