上 下
19 / 32

“しゅわしゅわチェリー”

しおりを挟む
 こうして歩いていくと果物のお店に遭遇する。
 僕たちの世界でも見たことがありそうなバナナのような果物の他に、作られたお菓子のような果実が売っている。
 また、本日入ったばかりの今が旬の果物として、サクランボのようなものが山盛りになって売られていた。

 ここのサクランボは三個くっついた果実であるらしい。
 そう思ってみているとそこでマリーが、

「“しゅわしゅわチェリー”ですね。これ、私、好きなんです」

 そういって紙袋に入れてもらい購入するマリー。
 それをそこはかとなくうれしそうな顔で抱きかかえていたマリーが、その茶色い紙袋から果実を一つ取り出してくれる。
 口に含むと、炭酸のような手話手話したものと、サクランボの優しい香りと甘みがする。

「炭酸ジュースの果実なんだ……美味しいかも」
「そうなんです。これ、私の好物なんですよ。あ、もう一ついりますか?」
「ぜひ」

 こうしてここにきて僕は、マリーの好物を知ったのだった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓
恋愛
 隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。  どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。  巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。  転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。  そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

真☆中二病ハーレムブローカー、俺は異世界を駆け巡る

東導 号
ファンタジー
ラノベ作家志望の俺、トオル・ユウキ17歳。ある日、夢の中に謎の金髪の美少年神スパイラルが登場し、俺を強引に神の使徒とした。それどころか俺の顔が不細工で能力が低いと一方的に断言されて、昔のヒーローのように不完全な人体改造までされてしまったのだ。神の使徒となった俺に与えられた使命とは転生先の異世界において神スパイラルの信仰心を上げる事……しかし改造が中途半端な俺は、身体こそ丈夫だが飲み水を出したり、火を起こす生活魔法しか使えない。そんな無理ゲーの最中、俺はゴブリンに襲われている少女に出会う……これが竜神、悪魔、人間、エルフ……様々な種族の嫁を貰い、人間の国、古代魔法帝国の深き迷宮、謎めいた魔界、そして美男美女ばかりなエルフの国と異世界をまたにかけ、駆け巡る冒険の始まりであった。

美醜逆転世界でお姫様は超絶美形な従者に目を付ける

朝比奈
恋愛
ある世界に『ティーラン』と言う、まだ、歴史の浅い小さな王国がありました。『ティーラン王国』には、王子様とお姫様がいました。 お姫様の名前はアリス・ラメ・ティーラン 絶世の美女を母に持つ、母親にの美しいお姫様でした。彼女は小国の姫でありながら多くの国の王子様や貴族様から求婚を受けていました。けれども、彼女は20歳になった今、婚約者もいない。浮いた話一つ無い、お姫様でした。 「ねぇ、ルイ。 私と駆け落ちしましょう?」 「えっ!? ええぇぇえええ!!!」 この話はそんなお姫様と従者である─ ルイ・ブリースの恋のお話。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜

山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。 息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。 壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。 茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。 そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。 明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。 しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。 仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。 そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

異世界焼き鳥屋

こう
ファンタジー
焼き鳥屋の店主 前田 カナト は、いつものように開店のための準備をしていた。しかし、ドジなカナトは肉が刺さっている串を落としてしまい、拾おうとした拍子に冷蔵庫の取っ手に思いっきり頭をぶつけて、気を失ってしまう。 10分ほどしてカナトは起きたが、外をみてみると、なんとそこはいつもと違う場所になっていた...

処理中です...