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“ボールチョコレートドリンク”
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さらにも森の中を歩いていくと、変わった花や木、草が見て取れる。
この世界はやはり異世界なんだと周りを見回しながら僕は進む。
なんでもこの時期に手に入らない果実もそこそこあるそうだ。
「また時期を変えてお願いしてもいいですか?」
「うん」
僕はマリーにそう答える。
そしてさらに進んでいくと、小さな湖のそばにたどり着く。
そこには湖の騎士のあたりに一本の木が生えていた。
見ると白い紙のようなものに包まれた球の形の物が果実としてなっている。
その水辺に近いものを二つとり、マリーは表面を軽く傷つけると、その白いものは紙のようにはがれて行って、中からチョコレートののようなものが現れる。
「“ボールチョコレートドリンク”の樹です。こうやって白い皮をむくと中からチョコレートが出てきます。そしてこうやって端の部分をナイフで切って……」
そう言って片方の端の部分を少し切ると、断面の部分に、チョコレートの内側にホワイトチョコレートが層状に重なっていて、中には透明な水のようなものが入っている。
ストローを渡されて飲んでみると、チョコレートの香りのする甘い飲み物だった。
「チョコレートの香りがして美味しい飲み物だね。沢山はいっていて。でも中に何か入っている?」
「水際に近いものの方が中の飲み物の量が多いのです。それに当りには、虹色のチョコレートがひとかけ入っているのです」
「僕のは“当り”だ」
そう言って虹色のチョコレートを口にすると、口の中でいくつもの果実の香りが口いっぱいに広がったのだった。
この世界はやはり異世界なんだと周りを見回しながら僕は進む。
なんでもこの時期に手に入らない果実もそこそこあるそうだ。
「また時期を変えてお願いしてもいいですか?」
「うん」
僕はマリーにそう答える。
そしてさらに進んでいくと、小さな湖のそばにたどり着く。
そこには湖の騎士のあたりに一本の木が生えていた。
見ると白い紙のようなものに包まれた球の形の物が果実としてなっている。
その水辺に近いものを二つとり、マリーは表面を軽く傷つけると、その白いものは紙のようにはがれて行って、中からチョコレートののようなものが現れる。
「“ボールチョコレートドリンク”の樹です。こうやって白い皮をむくと中からチョコレートが出てきます。そしてこうやって端の部分をナイフで切って……」
そう言って片方の端の部分を少し切ると、断面の部分に、チョコレートの内側にホワイトチョコレートが層状に重なっていて、中には透明な水のようなものが入っている。
ストローを渡されて飲んでみると、チョコレートの香りのする甘い飲み物だった。
「チョコレートの香りがして美味しい飲み物だね。沢山はいっていて。でも中に何か入っている?」
「水際に近いものの方が中の飲み物の量が多いのです。それに当りには、虹色のチョコレートがひとかけ入っているのです」
「僕のは“当り”だ」
そう言って虹色のチョコレートを口にすると、口の中でいくつもの果実の香りが口いっぱいに広がったのだった。
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めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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