異世界食レポート~異世界には不思議な食べ物がいっぱい~

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“お魚ジャム”

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 こうして変わったゼリー状の、味が変わる飲み物を飲んだ僕。
 甘くて美味しいものだったけれど、そこで僕のお腹が鳴った。

ぐううう

 実はまだ、お昼ご飯を食べていなかったのだ。
 先ほどの飲み物は、デザートとしては良いかもしれないが、食事としては物足りない。
 そこでマリーが、

「ああいった飲み物よりも、別の食べ物の方がいいですね。……すみません、ちょうどいくつか材料を切らしてしまっているので、簡単なサンドイッチでもよろしいでしょうか」
「はい」

 というわけで、マリーにサンドイッチをごちそうになることになったけれど、僕の前には見たことのない茶色くて透明なジャムの入った壺から、それを取り出して食パンに塗り、レタスのような葉っぱと一緒に挟んでいた。
 それを見ながら僕は、

「このジャムは何ですか?」
「“お魚ジャム”です。“サカーナの樹の樹液”“フワノルの葉”“忘れの果実”などを入れて煮込んで作ります」

 とのことだった。
 そして実際に食べてみると、

「魚の臭みもほとんどなくてうまみがすごく強い。フライにしたお魚を挟んだフィッシュサンドみたいだ」
「なるほど、ここでは日常的なものなのですが、異世界にはなさそうですね。やはり異世界は不思議です」

 そういってマリーも、そのサンドイッチを食べたのだった。



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