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お前が悪役令嬢(♂)になるんだよ!
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都市にやってきた。
石造りのゲームで言う中世風? な街並みが広がっている。
そこら中に花壇があって綺麗だ。
それにゲームでどことなく見たような雰囲気でもある。
都市に入るには身分証が必要らしいが、レイが何とかしたらしい。
なんでもちょっとした身分の操作はお手の物だそうだ。だが、
「ここは都市だからな。バレているだろうな」
「え?」
「わざと泳がせているんだろう。すでに何人か俺の事を監視しているし」
「ど、どこ?」
「一応は魔王だしな、警戒と…何かあった時の対応だろう」
「な、何か?」
「暗殺集団などが来た時の反撃で、一般人に被害が出ないようにか。だが丁度いいな」
当然のように答えるレイだが、一応設定あったよなとか、ゲームではもっと後の展開だよなと僕は思った。
と、そこでレイがある人物の方に向かっていく。
ビクッと立ったまま震えている一般人…なのかな? なっ人に向かっていき、
「お前、伝言を頼むぞ」
「え、えっと、あの…」
「リザルト公爵家に魔王レイが用があると伝えておいてくれ。別にオレは伝わらなくてもいい。普通に殴り込みに行くから」
「わ、分かりました」
混乱するようにその人は、どこかに去って行った。
どうやら言伝を頼んだらしいが、突然の訪問はよろしくないので事前連絡をとの事らしい。
でもさっきから殴り込みといった言葉を聞くがどういう事だろうと僕は思っていると、
「上手くやればすぐにでも帰れるだろうから…あっちの準備もあるし、少しこの都市でも見ていくか?」
「いいの!」
「物珍しそうに見ているからな。…まあ、俺の気まぐれだ。安い物なら買い食いもさせてやる」
「本当! …というかこの世界の物、僕は食べれるの?」
「異世界人はこの世界に呼び出された時に、この世界に“適応”する魔法構造になるらしい。だから、問題ないだろう。…前に毒キノコを食べても平気だったっていうし」
物騒な言葉が湧いて出て来た気がするが、とりあえずはこの異世界観光が出来るならと思って僕は、レイに案内してもらい…なんだかゲームの時の印象と違って優しいなと思ったのだった。
しばらく観光をしてからリザルト公爵家にやってきた。
事前に話が通っていたらしくすぐに内部に案内される。
ゲーム内で幾つか内装の絵はあったが、実際に見るとさらに細かい部分まで装飾がなされていたり、なんとなくキラキラしている。
そんな語彙力のない感想を抱きながら、僕達が通されたのはその屋敷の一角にある客室だったらしい。
そこには一人の男性がいた。
確か彼は悪役令嬢ちゃんの父親であるハロルドだ。
流れるような銀髪の、どことなく中性めいた綺麗な人だ。
年齢不詳で、僕達と並ぶと兄弟に見える設定だが…実際に見ると、怪しい色気のようなものがある。
同性とはいえ見ていると変な気分になりそうだと僕が思っていると、彼は、
「魔王レイ様、召喚した子を連れてきていただきありがとうございます」
「…それで、どういうつもりだ? 勇者召喚とは。返答次第では…」
「ああ、使った魔法の過程はそちらなのですが、目的は違います」
「…何をする気だ」
「いえ、こちらの事情で…呼び出した彼にはしばらく“うちの子、ルイーズ”のふりをしていただこうかと思いまして」
そう、お前が悪役令嬢(♂)になるんだよ! というような展開を僕は言われてしまったのだった。
石造りのゲームで言う中世風? な街並みが広がっている。
そこら中に花壇があって綺麗だ。
それにゲームでどことなく見たような雰囲気でもある。
都市に入るには身分証が必要らしいが、レイが何とかしたらしい。
なんでもちょっとした身分の操作はお手の物だそうだ。だが、
「ここは都市だからな。バレているだろうな」
「え?」
「わざと泳がせているんだろう。すでに何人か俺の事を監視しているし」
「ど、どこ?」
「一応は魔王だしな、警戒と…何かあった時の対応だろう」
「な、何か?」
「暗殺集団などが来た時の反撃で、一般人に被害が出ないようにか。だが丁度いいな」
当然のように答えるレイだが、一応設定あったよなとか、ゲームではもっと後の展開だよなと僕は思った。
と、そこでレイがある人物の方に向かっていく。
ビクッと立ったまま震えている一般人…なのかな? なっ人に向かっていき、
「お前、伝言を頼むぞ」
「え、えっと、あの…」
「リザルト公爵家に魔王レイが用があると伝えておいてくれ。別にオレは伝わらなくてもいい。普通に殴り込みに行くから」
「わ、分かりました」
混乱するようにその人は、どこかに去って行った。
どうやら言伝を頼んだらしいが、突然の訪問はよろしくないので事前連絡をとの事らしい。
でもさっきから殴り込みといった言葉を聞くがどういう事だろうと僕は思っていると、
「上手くやればすぐにでも帰れるだろうから…あっちの準備もあるし、少しこの都市でも見ていくか?」
「いいの!」
「物珍しそうに見ているからな。…まあ、俺の気まぐれだ。安い物なら買い食いもさせてやる」
「本当! …というかこの世界の物、僕は食べれるの?」
「異世界人はこの世界に呼び出された時に、この世界に“適応”する魔法構造になるらしい。だから、問題ないだろう。…前に毒キノコを食べても平気だったっていうし」
物騒な言葉が湧いて出て来た気がするが、とりあえずはこの異世界観光が出来るならと思って僕は、レイに案内してもらい…なんだかゲームの時の印象と違って優しいなと思ったのだった。
しばらく観光をしてからリザルト公爵家にやってきた。
事前に話が通っていたらしくすぐに内部に案内される。
ゲーム内で幾つか内装の絵はあったが、実際に見るとさらに細かい部分まで装飾がなされていたり、なんとなくキラキラしている。
そんな語彙力のない感想を抱きながら、僕達が通されたのはその屋敷の一角にある客室だったらしい。
そこには一人の男性がいた。
確か彼は悪役令嬢ちゃんの父親であるハロルドだ。
流れるような銀髪の、どことなく中性めいた綺麗な人だ。
年齢不詳で、僕達と並ぶと兄弟に見える設定だが…実際に見ると、怪しい色気のようなものがある。
同性とはいえ見ていると変な気分になりそうだと僕が思っていると、彼は、
「魔王レイ様、召喚した子を連れてきていただきありがとうございます」
「…それで、どういうつもりだ? 勇者召喚とは。返答次第では…」
「ああ、使った魔法の過程はそちらなのですが、目的は違います」
「…何をする気だ」
「いえ、こちらの事情で…呼び出した彼にはしばらく“うちの子、ルイーズ”のふりをしていただこうかと思いまして」
そう、お前が悪役令嬢(♂)になるんだよ! というような展開を僕は言われてしまったのだった。
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