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突然異世界に飛ばされた件
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まず現在の状況について説明しようと思う。
①妹に女の子の気持ちが知りたいという理由で借りた乙女ゲームをクリアしたら、異世界に飛ばされた。
②何処か分からない場所に放り出された。(土の道で周りが森。その前、僕はベッドでゴロゴロしながらゲームをしていた)
③ファンタジーっぽい恰好をしている? 黒い布をかぶった見知らぬ男が目の前にいる。
この状況、目の前の人が多分ゲームだと説明してくれる人だと思う。
だがここがもし異世界だと、こちらからお願いしないと説明してもらえないかもしれない。
というわけで僕は目の前の男…フードに隠れて顔がよく見えない、金髪らしい…に話しかけようとした…のだが。
「お前、異世界人だろう」
「! もしかして説明してくれる人!」
そう僕が声をかけると、目の前の男は沈黙した。
僕よりも背が高く、声からして若さそうだ。
そう僕がある種の親しみを覚えていると、
「…とりあえず名前と年齢を聞いておこう。名前は?」
「あ、僕の名前は笛木 唯(ふえき ゆい)、18歳です」
なまえを名乗ると目の前の男が値踏みをするように僕を見て、
「18歳…見た目だともう少し若くて可愛い感じだが、そういうのもこの世界にそこそこいるからそういうものか。俺と同い年なのにこれか」
「今とても失礼な言葉が聞こえた気がするのですが…」
「気にするな。本当の事を言ったまでだ。それで、召喚主にちょっと話を聞かせて貰いたいが…一緒に来てもらえるか?」
「あ、はい。召喚主って分かるんですか?」
「こういった事が出来る人間は限られているからな。ちょっと殴り込み…じゃなかった、話を聞いてくる」
「今とても不穏な言葉が聞こえたのですが…」
そう返すとそこで目の前の相手は沈黙してから、
「それは良いとして、このまま町に行くと目立つな。その黒髪黒目…特に黒髪はあまり良くない。見た目も可愛いし、歩いていると襲われるかもしれないしな」
「…僕、男ですよ?」
「ああ、異性愛者や女性が多い世界から来たのか? 勇者召喚でくる人間は大体そうだからな。確か説明のテンプレを覚えさせられたな…説明内容の、5番目だったか? 『この世界は同性でも魔法の薬で子供が作れるので、同性間でも恋愛対象になる。心せよ』だそうだ。がんばれ」
サラッと僕にとって物凄く重要な事が言われた気がする。
というか今の話はと思いながら、
「同性同士が、よくある?」
「そういった世界だから。大抵異世界人はそれを聞くと驚くらしいな」
「当たり前だぁああああ、え? ぼ、僕、男にいいようにされてしまうという?」
「両想いじゃないと普通は犯罪だから、普通は無理やりエロい意味で襲ってこないぞ。普通は」
「なんで【普通】って強調したんですか!?」
「…まあ、黒髪だしな」
「く、黒髪がって、どういう事なんですか」
「…」
「何で黙るんですか、答えてくださいいいい」
「あ、やめろ、ローブを引っ張るな、ってあああ!」
そこで僕は目の前の男へ、パニックに陥りながら服を引っ張った。
その拍子に、フードが落ちて、
「あ! 魔王のレイ・ザリオンだ」
「…お前、なんで俺の名前を知っているんだ?」
不審そうに目の前の男が僕を見ながら…魔王がそう答えたのだった。
①妹に女の子の気持ちが知りたいという理由で借りた乙女ゲームをクリアしたら、異世界に飛ばされた。
②何処か分からない場所に放り出された。(土の道で周りが森。その前、僕はベッドでゴロゴロしながらゲームをしていた)
③ファンタジーっぽい恰好をしている? 黒い布をかぶった見知らぬ男が目の前にいる。
この状況、目の前の人が多分ゲームだと説明してくれる人だと思う。
だがここがもし異世界だと、こちらからお願いしないと説明してもらえないかもしれない。
というわけで僕は目の前の男…フードに隠れて顔がよく見えない、金髪らしい…に話しかけようとした…のだが。
「お前、異世界人だろう」
「! もしかして説明してくれる人!」
そう僕が声をかけると、目の前の男は沈黙した。
僕よりも背が高く、声からして若さそうだ。
そう僕がある種の親しみを覚えていると、
「…とりあえず名前と年齢を聞いておこう。名前は?」
「あ、僕の名前は笛木 唯(ふえき ゆい)、18歳です」
なまえを名乗ると目の前の男が値踏みをするように僕を見て、
「18歳…見た目だともう少し若くて可愛い感じだが、そういうのもこの世界にそこそこいるからそういうものか。俺と同い年なのにこれか」
「今とても失礼な言葉が聞こえた気がするのですが…」
「気にするな。本当の事を言ったまでだ。それで、召喚主にちょっと話を聞かせて貰いたいが…一緒に来てもらえるか?」
「あ、はい。召喚主って分かるんですか?」
「こういった事が出来る人間は限られているからな。ちょっと殴り込み…じゃなかった、話を聞いてくる」
「今とても不穏な言葉が聞こえたのですが…」
そう返すとそこで目の前の相手は沈黙してから、
「それは良いとして、このまま町に行くと目立つな。その黒髪黒目…特に黒髪はあまり良くない。見た目も可愛いし、歩いていると襲われるかもしれないしな」
「…僕、男ですよ?」
「ああ、異性愛者や女性が多い世界から来たのか? 勇者召喚でくる人間は大体そうだからな。確か説明のテンプレを覚えさせられたな…説明内容の、5番目だったか? 『この世界は同性でも魔法の薬で子供が作れるので、同性間でも恋愛対象になる。心せよ』だそうだ。がんばれ」
サラッと僕にとって物凄く重要な事が言われた気がする。
というか今の話はと思いながら、
「同性同士が、よくある?」
「そういった世界だから。大抵異世界人はそれを聞くと驚くらしいな」
「当たり前だぁああああ、え? ぼ、僕、男にいいようにされてしまうという?」
「両想いじゃないと普通は犯罪だから、普通は無理やりエロい意味で襲ってこないぞ。普通は」
「なんで【普通】って強調したんですか!?」
「…まあ、黒髪だしな」
「く、黒髪がって、どういう事なんですか」
「…」
「何で黙るんですか、答えてくださいいいい」
「あ、やめろ、ローブを引っ張るな、ってあああ!」
そこで僕は目の前の男へ、パニックに陥りながら服を引っ張った。
その拍子に、フードが落ちて、
「あ! 魔王のレイ・ザリオンだ」
「…お前、なんで俺の名前を知っているんだ?」
不審そうに目の前の男が僕を見ながら…魔王がそう答えたのだった。
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