19 / 40
五章 五節の柏餅とザンギ。子供の日は子供のリクエストを
(4)
しおりを挟む
「じゃあ、次はザンギに取りかかりましょうか」
「はい」
「私も手伝う!」
「僕も!」
兎と鯛が手を上げたが、辰巳は首を横に振った。
「油はねが危ないから、駄目。背が低い分危険です」
途端、ぶー垂れる二人に菜緒も、
「うん、辰巳さんの言うとおり危ないから。火傷したら大変なの、ごめんね」
と説得する。
兎と鯛はお互いの顔を見合わせて「わかった」と渋々ながら了承してくれた。
「じゃあ、邪魔しないからそこに座って見ていていい?」
「僕も見たい」
「それなら、構いませんよ」
と、辰巳は二人の願いを聞き入れる。
すると、ひょっこりと顔を出してきた子供達。
犬、ウソ、鼠と呼ばれていた子供達だ。
またいつの間にこんな近くまで来たんだろう、と、菜緒は思うも、顔に出さないよう気をつけた。
「辰巳、僕達も見ていていい?」
「ザンギ、できあがりを見たい!」
「美味しい物を作るところ見たいよ」
のれんをくぐらずに見える高さの位置までしゃがんで、こちらをじっと見つめ懇願される。
「絶対に邪魔してはいけませんよ。大人しく椅子に座って見てることができるなら。それと、油を使う時になったら近づいたらいけませんからね。それを約束できるのならいいです」
「はい!」
いい返事が返ってきて、各自自分で椅子を持ってきて横一列に座る。
(ギャラリーが増えた)
まるで、保育園で先生が子供達に紙芝居でも見せるような気分になってきている菜緒だ。
「すみません、菜緒さん。これもこの子達にとって勉強なので大目に見てやってください」
「それは構いませんよ、でも――」
と、菜緒は椅子に座る五人に向き直すと口を開いた。
「もし、辰巳さんとのお約束を破ったりしたら、菜緒さんが許しません! 『××の刑』にします!」
ビクッと五人が体を揺らす。
「『××の刑』ってどんな刑?」
兎が恐る恐る尋ねてくる。
菜緒は口笛を吹く真似をしながらとぼけた。
「さあ? どんな刑なのかは……約束を破った重さで違います」
「えー!」と騒ぐが子供達の目はキラキラしている。
遊びだと思ってしまったらしい。
(これは失敗したかな? 『××の刑』をして欲しくてわざと約束を破るかも)
子供はそういうところがある。加減の難しいところだ。
そこに辰巳が五人ににこやかに話す。
「菜緒さんの言うとおりです。約束を破ったときの罰は僕が決めて、菜緒さんにお願いしますので心に留めておくように」
「はい!」
瞬時に空気が緊張した。
皆、ビシッと背筋を正し座り直す。
「……さすが、五人の面倒をみている辰巳さんです」
「もう長くやっていますから」
そう菜緒にも辰巳は、にこりと微笑んだ。
「では、ザンギに取りかかります。材料は鶏もも肉、生姜、にんにく、酒、塩、砂糖、醤油、卵、片栗粉、小麦粉です」
「菜緒さんには、家になかった鶏もも肉とサラダ油に卵をお願いしましたが……重たかったでしょう?」
「いえいえ、そんなヤワではありませんから!」
菜緒は腕まくりし、二の腕を見せる。看護師時代につけた筋肉は健在だ。
菜緒の様子にゆるりと微笑むと、深々とお辞儀をした。
「では、ご指導よろしくお願いします」
「いえ、すごく簡単ですから。辰巳さんほどの料理の腕前なら、すぐに覚えちゃいますよ」
「僕は現代の料理というものをよく知らないんです。だからありがたいことです」
彼の謙虚さに驚いてしまうが――。
『現代の料理を知らない』という部分に、菜緒は疑問に思ってしまう。
「辰巳さんは、ザンギという料理をご存じありませんでした?」
「『唐揚げ』とか『せんざんき』というものは知っています」
「ザンギは唐揚げと変わりないですよ? ただ、『ザンギ』は、卵を使いますけれど。『ザンギ』っていう言葉には色々由来はありますけれど、北海道でしか呼ばないかも」
「そうなんですか。でも唐揚げも一般の家庭で食べられるようになったのは、ここ数十年のことでしょう? 僕にはちょっと馴染みが薄くて……」
「はあ……でもネットで確認したことあったんですけれど、確か三十年~四十年の間のことだと思いますが……」
辰巳が、そんな歳上には見えない。
雰囲気は落ち着いているように感じても、どう見ても二十代半ばの好青年だ。
辰巳はそんな菜緒に向かって微笑み、
「では菜緒さん、つぎの指示をお願いします」
と催促してくる。
「あ、はい。次に鶏もも肉にフォークで刺しておきます。そうするとまんべんなく火が通りやすくなるんです。それから一口大に切りますが、今日は子供達が主役ですから小さめに切りましょう」
「フォーク……ないんです、我が家」
「えっ?」
それには驚いた。しかし、そこは違う発想で乗り切る。
「あの、竹串とか楊枝はありませんか?」
「それならあります」
「今回はそれで刺しましょう」
そうして竹串三本使いで肉に穴を開け、辰巳と二人でもも肉を切っていく。
さすが三キロあると大変だ。黙々と切っていく。
三キロ全て切り終わると鶏もも肉の山ができて圧巻だ。
「全部で十枚あったから……ええと、一枚二百八十グラムぐらいと計算して……子供用に味を薄めにした方がいいですよね?」
「はい、それでお願いします」
いつもは目分量だが今回は教える立場なので、菜緒も慎重だ。
「もも肉十枚分の分量は……」
と、ここで菜緒は思いついたことがあった。
「辰巳さん、たくさん揚げるんですから、一つの味だけじゃなくて違う味も作りませんか?」
「ザンギって他に味があるんですか?」
「ザンギというか唐揚げは、塩風味や青のりをまぶした磯風味に、あとカレー味とかチーズ味とか色々バリエーションありますよ。ザンギは醤油味です」
ここで子供達の方から、生唾を呑み込む音が聞こえた。
「カレー……?」
「チーズって……『蘇』のこと?」
「青のりは知ってるよ」
「食べたいよね……」
「考えたら鶏ってさ、おまえ共食い」
最後にウソへの突っ込みは何だったんだ? と菜緒は首を傾げた。
「基本のザンギの味だけで十分かと思いますが……」
と辰巳は言うが、子供達は異議を申し立てた。
「他の味も食べたい!」
「磯風味とチーズ!」
「僕、カレー味食べてみたい!」
「多数決でいこう!」
喧々囂々言い合っている子供達に辰巳は、
「今日は僕も初めてなのでたくさんの味を作る自信がないんです。だから一種類で我慢してください」
そう説得するが、子供達は納得なんかしない。
「辰巳、今日は『子供の日だから食べたいものを作りますよ』って言ったじゃん」
「そうだよ~。食べたことのないご飯食べたいもん」
「大丈夫だよ。そのために、菜緒にお願いしたんじゃない」
「和食も好きだけど、辰巳の和食って古くさいのばかりなんだもん。今風のご飯も食べたいよ」
子供達は必死に逆に辰巳の説得をはじめた。しかも目に涙を溜めている子もいる。
(……これは、普段から我慢を溜めているわね)
確かにこのくらいの子供達の人気メニューは大抵、ハンバーグや唐揚げなどだ。
いつも和食メニューばかりで飽きているのだろう。
ここは自分も助太刀をするべきだろう――子供達に。
「辰巳さん。私が提案してしまった責任もありますし、よかったら私にザンギ作りを任せてもらえませんか?」
と菜緒も言う。
菜緒の申し出に辰巳は目を大きくして、首を横に振った。
「――いえ、それは申し訳ないです。作る量だって多いし。それに僕も作り方を覚えたいので……」
「辰巳~」と、子供達の恨めしげな視線が彼に集中する。
「……わかりました。もう二種類、他の味の唐揚げを作りましょう」
辰巳は自分の負けを認め、承諾した。
作るのは、ザンギとすぐに用意できるチーズ味と磯風味味の唐揚げになった。
チーズは菜緒の自宅に粉チーズがあるので、それを急いで持ってくる。
青のりは普段使っているようで、この家にも置いてあった。
「はい」
「私も手伝う!」
「僕も!」
兎と鯛が手を上げたが、辰巳は首を横に振った。
「油はねが危ないから、駄目。背が低い分危険です」
途端、ぶー垂れる二人に菜緒も、
「うん、辰巳さんの言うとおり危ないから。火傷したら大変なの、ごめんね」
と説得する。
兎と鯛はお互いの顔を見合わせて「わかった」と渋々ながら了承してくれた。
「じゃあ、邪魔しないからそこに座って見ていていい?」
「僕も見たい」
「それなら、構いませんよ」
と、辰巳は二人の願いを聞き入れる。
すると、ひょっこりと顔を出してきた子供達。
犬、ウソ、鼠と呼ばれていた子供達だ。
またいつの間にこんな近くまで来たんだろう、と、菜緒は思うも、顔に出さないよう気をつけた。
「辰巳、僕達も見ていていい?」
「ザンギ、できあがりを見たい!」
「美味しい物を作るところ見たいよ」
のれんをくぐらずに見える高さの位置までしゃがんで、こちらをじっと見つめ懇願される。
「絶対に邪魔してはいけませんよ。大人しく椅子に座って見てることができるなら。それと、油を使う時になったら近づいたらいけませんからね。それを約束できるのならいいです」
「はい!」
いい返事が返ってきて、各自自分で椅子を持ってきて横一列に座る。
(ギャラリーが増えた)
まるで、保育園で先生が子供達に紙芝居でも見せるような気分になってきている菜緒だ。
「すみません、菜緒さん。これもこの子達にとって勉強なので大目に見てやってください」
「それは構いませんよ、でも――」
と、菜緒は椅子に座る五人に向き直すと口を開いた。
「もし、辰巳さんとのお約束を破ったりしたら、菜緒さんが許しません! 『××の刑』にします!」
ビクッと五人が体を揺らす。
「『××の刑』ってどんな刑?」
兎が恐る恐る尋ねてくる。
菜緒は口笛を吹く真似をしながらとぼけた。
「さあ? どんな刑なのかは……約束を破った重さで違います」
「えー!」と騒ぐが子供達の目はキラキラしている。
遊びだと思ってしまったらしい。
(これは失敗したかな? 『××の刑』をして欲しくてわざと約束を破るかも)
子供はそういうところがある。加減の難しいところだ。
そこに辰巳が五人ににこやかに話す。
「菜緒さんの言うとおりです。約束を破ったときの罰は僕が決めて、菜緒さんにお願いしますので心に留めておくように」
「はい!」
瞬時に空気が緊張した。
皆、ビシッと背筋を正し座り直す。
「……さすが、五人の面倒をみている辰巳さんです」
「もう長くやっていますから」
そう菜緒にも辰巳は、にこりと微笑んだ。
「では、ザンギに取りかかります。材料は鶏もも肉、生姜、にんにく、酒、塩、砂糖、醤油、卵、片栗粉、小麦粉です」
「菜緒さんには、家になかった鶏もも肉とサラダ油に卵をお願いしましたが……重たかったでしょう?」
「いえいえ、そんなヤワではありませんから!」
菜緒は腕まくりし、二の腕を見せる。看護師時代につけた筋肉は健在だ。
菜緒の様子にゆるりと微笑むと、深々とお辞儀をした。
「では、ご指導よろしくお願いします」
「いえ、すごく簡単ですから。辰巳さんほどの料理の腕前なら、すぐに覚えちゃいますよ」
「僕は現代の料理というものをよく知らないんです。だからありがたいことです」
彼の謙虚さに驚いてしまうが――。
『現代の料理を知らない』という部分に、菜緒は疑問に思ってしまう。
「辰巳さんは、ザンギという料理をご存じありませんでした?」
「『唐揚げ』とか『せんざんき』というものは知っています」
「ザンギは唐揚げと変わりないですよ? ただ、『ザンギ』は、卵を使いますけれど。『ザンギ』っていう言葉には色々由来はありますけれど、北海道でしか呼ばないかも」
「そうなんですか。でも唐揚げも一般の家庭で食べられるようになったのは、ここ数十年のことでしょう? 僕にはちょっと馴染みが薄くて……」
「はあ……でもネットで確認したことあったんですけれど、確か三十年~四十年の間のことだと思いますが……」
辰巳が、そんな歳上には見えない。
雰囲気は落ち着いているように感じても、どう見ても二十代半ばの好青年だ。
辰巳はそんな菜緒に向かって微笑み、
「では菜緒さん、つぎの指示をお願いします」
と催促してくる。
「あ、はい。次に鶏もも肉にフォークで刺しておきます。そうするとまんべんなく火が通りやすくなるんです。それから一口大に切りますが、今日は子供達が主役ですから小さめに切りましょう」
「フォーク……ないんです、我が家」
「えっ?」
それには驚いた。しかし、そこは違う発想で乗り切る。
「あの、竹串とか楊枝はありませんか?」
「それならあります」
「今回はそれで刺しましょう」
そうして竹串三本使いで肉に穴を開け、辰巳と二人でもも肉を切っていく。
さすが三キロあると大変だ。黙々と切っていく。
三キロ全て切り終わると鶏もも肉の山ができて圧巻だ。
「全部で十枚あったから……ええと、一枚二百八十グラムぐらいと計算して……子供用に味を薄めにした方がいいですよね?」
「はい、それでお願いします」
いつもは目分量だが今回は教える立場なので、菜緒も慎重だ。
「もも肉十枚分の分量は……」
と、ここで菜緒は思いついたことがあった。
「辰巳さん、たくさん揚げるんですから、一つの味だけじゃなくて違う味も作りませんか?」
「ザンギって他に味があるんですか?」
「ザンギというか唐揚げは、塩風味や青のりをまぶした磯風味に、あとカレー味とかチーズ味とか色々バリエーションありますよ。ザンギは醤油味です」
ここで子供達の方から、生唾を呑み込む音が聞こえた。
「カレー……?」
「チーズって……『蘇』のこと?」
「青のりは知ってるよ」
「食べたいよね……」
「考えたら鶏ってさ、おまえ共食い」
最後にウソへの突っ込みは何だったんだ? と菜緒は首を傾げた。
「基本のザンギの味だけで十分かと思いますが……」
と辰巳は言うが、子供達は異議を申し立てた。
「他の味も食べたい!」
「磯風味とチーズ!」
「僕、カレー味食べてみたい!」
「多数決でいこう!」
喧々囂々言い合っている子供達に辰巳は、
「今日は僕も初めてなのでたくさんの味を作る自信がないんです。だから一種類で我慢してください」
そう説得するが、子供達は納得なんかしない。
「辰巳、今日は『子供の日だから食べたいものを作りますよ』って言ったじゃん」
「そうだよ~。食べたことのないご飯食べたいもん」
「大丈夫だよ。そのために、菜緒にお願いしたんじゃない」
「和食も好きだけど、辰巳の和食って古くさいのばかりなんだもん。今風のご飯も食べたいよ」
子供達は必死に逆に辰巳の説得をはじめた。しかも目に涙を溜めている子もいる。
(……これは、普段から我慢を溜めているわね)
確かにこのくらいの子供達の人気メニューは大抵、ハンバーグや唐揚げなどだ。
いつも和食メニューばかりで飽きているのだろう。
ここは自分も助太刀をするべきだろう――子供達に。
「辰巳さん。私が提案してしまった責任もありますし、よかったら私にザンギ作りを任せてもらえませんか?」
と菜緒も言う。
菜緒の申し出に辰巳は目を大きくして、首を横に振った。
「――いえ、それは申し訳ないです。作る量だって多いし。それに僕も作り方を覚えたいので……」
「辰巳~」と、子供達の恨めしげな視線が彼に集中する。
「……わかりました。もう二種類、他の味の唐揚げを作りましょう」
辰巳は自分の負けを認め、承諾した。
作るのは、ザンギとすぐに用意できるチーズ味と磯風味味の唐揚げになった。
チーズは菜緒の自宅に粉チーズがあるので、それを急いで持ってくる。
青のりは普段使っているようで、この家にも置いてあった。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
紅屋のフジコちゃん ― 鬼退治、始めました。 ―
木原あざみ
キャラ文芸
この世界で最も安定し、そして最も危険な職業--それが鬼狩り(特殊公務員)である。
……か、どうかは定かではありませんが、あたしこと藤子奈々は今春から鬼狩り見習いとして政府公認特A事務所「紅屋」で働くことになりました。
小さい頃から憧れていた「鬼狩り」になるため、誠心誠意がんばります! のはずだったのですが、その事務所にいたのは、癖のある上司ばかりで!? どうなる、あたし。みたいな話です。
お仕事小説&ラブコメ(最終的には)の予定でもあります。
第5回キャラ文芸大賞 奨励賞ありがとうございました。
ぬらりひょんのぼんくら嫁〜虐げられし少女はハイカラ料理で福をよぶ〜
蒼真まこ
キャラ文芸
生贄の花嫁は、あやかしの総大将と出会い、本当の愛と生きていく喜びを知る─。
時は大正。
九桜院さちは、あやかしの総大将ぬらりひょんの元へ嫁ぐために生まれた。生贄の花嫁となるために。
幼い頃より実父と使用人に虐げられ、笑って耐えることしか知らぬさち。唯一の心のよりどころは姉の蓉子が優しくしてくれることだった。
「わたくしの代わりに、ぬらりひょん様に嫁いでくれるわね?」
疑うことを知らない無垢な娘は、ぬらりひょんの元へ嫁ぎ、驚きの言葉を発する。そのひとことが美しくも気難しい、ぬらりひょんの心をとらえてしまう。
ぬらりひょんに気に入られたさちは、得意の洋食を作り、ぬらりひょんやあやかしたちに喜ばれることとなっていく。
「こんなわたしでも、幸せを望んでも良いのですか?」
やがて生家である九桜院家に大きな秘密があることがわかり──。
不遇な少女が運命に立ち向い幸せになっていく、大正あやかし嫁入りファンタジー。
☆表紙絵は紗倉様に描いていただきました。作中に出てくる場面を元にした主人公のイメージイラストです。
※エブリスタと小説家になろうにも掲載しておりますが、こちらは改稿版となります。
離縁の雨が降りやめば
月ヶ瀬 杏
キャラ文芸
龍の眷属と言われる竜堂家に生まれた葵は、三つのときに美雲神社の一つ目の龍神様の花嫁になった。
これは、龍の眷属である竜堂家が行わなければいけない古くからの習わしで、花嫁が十六で龍神と離縁する。
花嫁が十六歳の誕生日を迎えると、不思議なことに大量の雨が降る。それは龍神が花嫁を現世に戻すために降らせる離縁の雨だと言われていて、雨は三日三晩降り続いたのちに止むのが常だが……。
葵との離縁の雨は降りやまず……。
美しすぎる引きこもりYouTuberは視聴者と謎解きを~訳あり物件で霊の未練を晴らします~
じゅん
キャラ文芸
【「キャラ文芸大賞」奨励賞 受賞👑】
イケメン過ぎてひねくれてしまった主人公が、兄や動画の視聴者とともに事故物件に現れる幽霊の未練を解きほぐす、連作短編の「日常の謎」解きヒューマンストーリー。ちょっぴりブロマンス。
*
容姿が良すぎるために散々な目にあい、中学を卒業してから引きこもりになった央都也(20歳)は、5歳年上の兄・雄誠以外は人を信じられない。
「誰とも関わらない一人暮らし」を夢見て、自宅でできる仕事を突き詰めて動画配信を始め、あっという間に人気YouTuberに。
事故物件に住む企画を始めると、動画配信中に幽霊が現れる。しかも、視聴者にも画面越しに幽霊が見えるため、視聴者と力を合わせて幽霊の未練を解決することになる。
幽霊たちの思いや、兄や視聴者たちとのやりとりで、央都也はだんだんと人を信じる気になっていくが、とある出来事から絶望してしまい――。
※完結するまで毎日更新します!

神さまのお家 廃神社の神さまと神使になった俺の復興計画
りんくま
キャラ文芸
家に帰ると、自分の部屋が火事で無くなった。身寄りもなく、一人暮らしをしていた木花 佐久夜(このはな さくや) は、大家に突然の退去を言い渡される。
同情した消防士におにぎり二個渡され、当てもなく彷徨っていると、招き猫の面を被った小さな神さまが現れた。
小さな神さまは、廃神社の神様で、名もなく人々に忘れられた存在だった。
衣食住の住だけは保証してくれると言われ、取り敢えず落ちこぼれの神さまの神使となった佐久夜。
受けた御恩?に報いる為、神さまと一緒に、神社復興を目指します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
花姫だという私は青龍様と結婚します
綾月百花
恋愛
あらすじ
突然うちの子ではないと言われた唯(16歳)は見知らぬ男に御嵩神社の青龍神社に連れて行かれて生き神様の青龍様のお妃候補になったと言われる。突然、自分が花姫様だと言われても理解できない。連れて行かれたお屋敷には年上の花姫もいて、みな青龍様のお妃になることに必死だ。最初の禊ぎで川に流され、初めて神の存在に気付いた。神に離しかけられ、唯は青龍様に会いたくなる。せつなくて、頑張る唯を応援してください。途中残酷シーンも含まれますので苦手な方は読み飛ばしてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる