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戦闘を見ながら仕事をする僕ら

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「『火炎弾』!」

「甘いわよ」

 宮崎が出す火炎弾はなんの魔法も付与していない紅刃さんの刀によって切られて消滅してしまう。

「いや意味わからないんだけどぉ!?」



「なぁ、あいつら何やってんの?」

 その様子を2階の作業部屋から見ていた坂本が僕にそう話しかけてきた。

「ストレス発散じゃないかな?」

「俺の目の前にこんなに書類とかあんのに??なら俺も行ってこようかな」

「やめろ。仕事が終わらなくなる」

 黙々とやっていた瞬もこの作業に飽きたのか喋り出した。

「そうは言ってもよ。お前の姉さんだろ?お願いして手伝って貰えるようにしてくれよ」

「断る」

「だろうな。俺もあの中には入りたくないのは分かる。だけどよ、どんだけあるよこれ。絶対に終わらないだろ」

 確かに僕らの机の上には山積みの書類が存在している。

「仕方ないじゃないか。商会からの発注書、移民の管理、冒険者ギルド設立許可書、全部重要なものなんだから」

「その他に貴族からのお見合いの話の手紙もあるけどな」

「商会の方は工房に送るべきじゃないか?」

「郵便局がないからここに全部集まるんだよ。実質ここが郵便局さ」

「んなバカな」

「ところがどっこい。事実なのさ」

 こんな話しながらも僕らはものすごい速度で書類を捌いていく。

「ならさ、郵便局作ればよくね?」

「人員はどうするのさ。みんな忙しいんだよ?」

「移民とかは?ある程度は商会とかで働いてるけどここ働く所少ないからちょうどいいと思うんだが」

「でも安全面の問題上どうにもね」

「たしかにな」

「ひとまずこの話はいつかまたやるとして、今は目の前にあるやつを片付けよう」

「そうだな」 

 結局僕らは夕食まで机の前で過ごした。

 そして夕食

「酷い目にあったぜ·····」

「僕のカレー食べる?」

「余計酷くなるわ!」

「元気じゃん」

「お前のせいでな」

そんな宮崎を見て坂本が会話に入ってくる。

「書類仕事と比べたら幾分かマシだろ?なあ、瞬」

「姉さんの相手より雑用の方が楽だ」

「何か言った?」

「なんでも無い」

(実の姉がいる中よく堂々とそんなことを言えるよね。あ、宮崎が逃げた)

 宮崎が飛び火する前にとさっさと食い終わり食堂を去っていくのを見て少し笑った。

「なあ晴翔、話は変わるんだが明日から依頼を受けるのか?」

「そのつもりだよ」

「なら俺は明日に備えて早めに寝るわ」

「わかった。おやすみ」

「おう。おやすみ」

さて、取り残されてしまった。

「僕も寝よ」 

そう思いもう一度2人に目を向けると姿が見えなかった。

(あれ?2人はどこ行った?)

キンッ!

「え?」

金属がぶつかる音がした瞬間風が吹きテーブルと椅子が粉々になっていた。

「なるほどね·····姉弟の喧嘩か。いくら何でも激しすぎでしょ」

ちなみに今は外でやってるらしい。多分テーブルとかは抜刀で粉々になったんだろう。

「『修正』っと。これでよし。じゃ、寝ますか~」

そしてその日は空で金属がぶつかる音がなり続け火花が飛び散っていたそう。
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