上 下
16 / 20

学園

しおりを挟む
それから1ヶ月が経った。その間に領民の数は増え、ネイさん達は商業を始めた。商業と言っても最初は僕らが手伝ってポーションや武器、食料などを売っていたのだが次第に自分達で出来るようになって言った。名前はハーバル商会。今のところこの国の王都と他の貴族の領地だけだけどそのうち他の国にも広がって行くと僕は思っている。

さて、1ヶ月経った今日は学園の入学式だ。僕らがいないことはもう領民には伝えてあるため問題は特にないと思っている。正直転移で行き来するから時間はかからないため終わったらすぐに仕事が可能なのである。一応屋敷自体はネイさんが留守の間の管理をすると言ってきたので了承した。商会の方と屋敷の管理を同時にやって大丈夫なのかなと思ったがそこまで管理する必要は無いようにしたから問題はないと言っていた。

「さて、皆そろそろ行くよ」

「あぁわかった」

「ちょっと待って、寝癖がなおらないの」

僕が呼びかけると洗面所から松本さんが焦った声でそういった。

「晴翔。明莉は後で僕が連れてくるから先に行っててくれないか?」

「分かった勇夜。他の人たちはもう良い?」

「もちろん準備は終わってるぜ」

「了解。じゃあ『転移』」

僕らは学園へと転移した。


入学式会場

「ようこそ王国立魔法学園へ!私がここの校長を務めているグラムだ!長い挨拶は嫌だろうから単刀直入に言ってやろう!ここでは家柄は何一つ関係ない!座学、実技どちらも極めたものが上だ!ただしここにいる新入生の中には化け物の集団がいる!そいつらから学ぶことも問題ない!以上!」

なんかやけに暑苦しい校長の挨拶だった。

クラスはこれといって強さで別れたりはしないようで僕はC組になった。ちなみにクラスはAからIまでの9クラスあるらしい。

「えっと1年のクラスはっと、あったあった」

僕のクラスは校舎内の手前から3階の3番目の教室だった。

「さて中に入りますか」

中に入ると真月さんと瞬がいた。瞬の方はなんかクラスメイト達に囲まれてるようだけど…爽やかな顔をして対応していた。

「真月さんも同じクラスなんだね」

「そうみたいね。少し騒がしいけれど」

「あはは、まあ首席だから仕方ないよ」

と言いつつ瞬の方を見ると助けろと言わんばかりの目でこっちを見ていた。
瞬なら直ぐに抜け出せるんじゃないのかと思ったがだからといって助けなかったら後で面倒になりそうなのでとりあえず話しかけることにした。

「来たか晴翔」

「ごめんごめん」

「誰だお前は!俺達が先に話しかけていたんだ。邪魔をするな!」

僕が話しかけると周りの中にいた1人の貴族の子がそう言った。

「いや瞬は僕の友人だ。だから君たちがどうこう言う権利はないと思うけど?」

「何を!」

「はいはいストップね」

僕の言葉にキレた貴族が魔法を放とうとした所で先生が入ってきた。

「教室での魔法使用は禁止だよ」

「こいつが悪いんだ!こいつがこの私に」

「教室でって言ったでしょ?訓練広場でなら問題ないからそこでやるならいいよ」

マジか。もう少し止めようよ?

「ならばそこに案内しろ」

そして僕はこの貴族の子と戦うことになった。

訓練広場に向かうと五大魔導師と四大剣聖と黒夜が全員揃っていた。もちろん他のクラスの人達に紛れて。

「ルールはどちらかが降参か戦闘不能になったら終了ね。殺すのは無しだよ」

「異論はない。おい!」

「何?」

「貴様が負けたら俺の所有物になってもらうぞ」

「別にいいよ」

「なっ!?」

どうせ勝つからね。

「それだけ?ならいくよ!『剣の追憶・神創滅剣』並びに『剣の追憶」

僕は剣を召喚し構え

「絶界』」

横一線した。

『絶対防御結界』

それと同時にどこからか声が聞こえ結界がはられた。

「…っ!!」

相手の貴族悲鳴をあげる間もなく僕の斬撃によって気を失った。

「よし終わりでいいよね先生」

「……はっ!え、ええ」

そうして本当に一瞬で勝負を終わらせた僕は教室に戻った。貴族の子はタンカーで医務室へと運ばれたらしい。怪我はさしてないからすぐに目を覚ますだろう。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが…… なろう、カクヨムでも投稿しています。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

転生王子の異世界無双

海凪
ファンタジー
 幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。  特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……  魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!  それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成! この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。 戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。 これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。 彼の行く先は天国か?それとも...? 誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。 小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中! 現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する

平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。 しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。 だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。 そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。

世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜

ワキヤク
ファンタジー
 その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。  そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。  創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。  普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。  魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。  まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。  制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。  これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。

処理中です...